玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

ニュータイプについて #閃光のハサウェイ #Vガンダム 与太話

 これはガンダムのオタクの与太話として聞いてほしいのだが、前回のギャプランの記事の続き。

#閃光のハサウェイ ギャプランで世界線が変わる - 玖足手帖-アニメブログ-

閃光のハサウェイの時代のオーガスタ研やムラサメ研はどうなってんだろ。ハサ映画ではニュータイプはオカルトという教育を一般にされているらしいけど。でもF91にはバイオコンピュータ積んであるし…。

2021/06/21 21:30
b.hatena.ne.jp


 そもそもギャプランはニュータイプ研究を行っているオーガスタ研究所の基本設計を元にオークランド研究所で作られた可変モビルスーツで、普通のモビルスーツより格段にややこしいのだが。(ヤザン・ゲーブルに支給された時点でもコックピットに死角があるなどの問題点がある試作機だった)
 閃光のハサウェイの時代でのニュータイプ研究というのはどういう感じなのかな?と、昨日の記事を書いてから風呂に入りながら考えていた。


 

  • 劇場版「閃光のハサウェイ」でのニュータイプ

「ニュータイプなんていないよ、学校で散々習っただろう?」
 というハサウェイがギギに言い聞かせるセリフがアニメオリジナルで追加されている。地球連邦政府は教育方針としてニュータイプの存在を抹消したいようだ。
 でもまあ、やっぱりアムロ・レイの功績が大きすぎるのでニュータイプという言葉自体の伝承はまだ残っている。ただ、機動戦士ガンダムF91ではほとんどオカルト扱いで単にモビルスーツの操縦が上手いパイロット、という風になっている。でも、そのガンダムF91にはサイコフレームやバイオコンピューターなど、パイロットのサイコ脳波を増幅する機械が操縦系に組み込まれている。


 で、地球連邦軍はニュータイプを危険分子として考えている。これはガンダムユニコーン以前の富野ガンダムのZガンダムでのアムロ・レイの幽閉の時点で描かれている。


 しかし、技術研究としてティターンズはオーガスタ研究所やムラサメ研究所での、非人道的ともとれるニュータイプ、というか強化人間の研究を行っていたので、サイコミュの研究はされていた。


 ただ、地球連邦軍製(ティターンズ)の強化人間用モビルスーツは高高度飛行が特徴のギャプランや、サイコミュ装置を小型化できなかったために大型化して、代わりにビーム砲を全身に装備したサイコガンダムなどで、そこまで脳波コントロール兵器、すなわちビットやファンネルを装備したものは少なかった。(AOZは読んでないのですみません)


  • グリプス戦役でのニュータイプ兵器

 強化人間の研究はされていたが、ニュータイプそのものは思想的に地球連邦にとって危険視されて封印されていた模様。
 また、サイコガンダムMk-IIのリフレクタービットも「機動戦士Zガンダム」の時点では登場していない。この理由はロザミア・バタムの精神的不調が原因とする資料もあるが。地球連邦軍タカ派のティターンズの強化人間用MSは操縦系にサイコミュ装置を組み込んでいるが、遠隔操縦兵器のビットやファンネルは使っていない。
 パプティマス・シロッコのTHE-Oも彼のニュータイプとしての能力を発揮するために操縦系にバイオセンサーが組み込まれている。しかし、モビルスーツとしての武装構成はビームライフルとビームソードを中心にした堅実なものだ。ビームライフルは大型のジ・O専用で、エンジン出力も高く、隠し腕があるが、それほどマシンとして異常ではない。(4本のビームソードを操るシロッコは大したものであるが)
 バイオセンサーはZガンダムにも装備されているが、Zガンダムも変形や高機動のほうが特徴であり、武装はそれほど特殊ではない。ビームサーベルとビームガンの両方にもなる機材など、連邦系(エゥーゴは厳密には連邦ではないが)のMSはサイコミュの代わりにビーム兵器の技術がジオン系より勝っているようだ。ハイパー・メガランチャーも独立したジェネレーターを持ち、ビーム兵器の技術としては連邦、と言うかアナハイム・エレクトロニクス系の技術力の高さが伺える。
MG 機動戦士Ζガンダム MSZ-006 ZガンダムVer.2.0 1/100スケール 色分け済みプラモデル


 グリプス戦役時代でのニュータイプ用MSとしてはやはり唯一ファンネルを装備していたエルメス・Mk-IIであるキュベレイを持つアクシズが特筆すべきものだ。アクシズの指導者でありキュベレイのパイロットであるハマーン・カーンが高度なニュータイプであり、ジオン軍のフラナガン機関の流れをくむアクシズのニュータイプ研究はやはり地球圏のMSよりも進んでいる。キュベレイもZガンダムと同じくビームガンになるビームサーベルを持っているが、ライフルは持っていない様子。
MG 1/100 AMX-004 キュベレイ (機動戦士Zガンダム)


 サイコガンダムMk-IIもアクシズ改めネオ・ジオンに接収されてからリフレクタービットなどの遠隔操作兵器を使うようになった。機動戦士ガンダムZZでのドーベン・ウルフのインコムや多重ファンネルを装備したゲーマルクや多くのファンネルを持つクィン・マンサなど、ネオ・ジオンのサイコミュ技術は特徴的だ。
機動戦士ガンダム ユニバーサルユニット サイコ・ガンダムMk-II (食玩・ガム)


 ティターンズ製のサイコガンダムMk-IIがネオ・ジオンで問題なく運用されている上にパワーアップしているのを見ると、前作で敗北したティターンズ傘下のニュータイプ研究所は地球連邦軍のネオ・ジオンとの和平と合わせてか、アクシズに下ったものと思われる。というか、ニュータイプを禁忌にしている地球連邦軍の内部でのニュータイプ研究所はスポンサーを求めて、各勢力を移動している節操の無さがある。もともとはジオンのフラナガン機関だし。


 対して、連邦に近くなったエゥーゴの新作ガンダムのZZガンダムはハイパービームサーベルやメガ・ビームライフルや頭部のハイ・メガ・キャノンなどビーム兵器の技術の高度さが伺える。センサーである頭部に大出力短砲身ビーム砲を付けるとか…。
MG 機動戦士ガンダムZZ ダブルゼータガンダム Ver.Ka 1/100スケール 色分け済みプラモデル




 一年戦争でのRX-78ガンダムもジオン軍を圧倒できたのはジオンにはなかったビームサーベルとビームライフル、そしてルナチタニウム合金である。地球連邦系はビーム技術で、地球圏の外のネオ・ジオン系はサイコミュ技術という長所の違いがあるように見える。
 ただ、ニュータイプ研究所がジオン、ティターンズ、ネオ・ジオンとスポンサーを変えたり、エゥーゴのZガンダムやZZガンダムにもサイコミュ技術であるバイオセンサーが搭載されたりして、技術交流というか、どちらもそこそこビームやサイコミュの研究は行っている。


  • 逆襲のシャアでのニュータイプ兵器

 ガンダムは強力すぎる上に地球連邦軍の正規軍ではない独立部隊(主にブライト・ノアが指揮した部隊)で戦果を上げた上に、ニュータイプは地球連邦の政策に反するものであったので、ロンド・ベルにもガンダムの支給が遅れた。(地球を特権階級のものとしたい地球連邦政府としては、宇宙に適応したニュータイプというのは政策に反する。ただ、地球でもニュータイプは生まれているのだが)
 


 それでアムロ・レイが独自に(?)開発したνガンダムはネオ・ジオンのMSを凌駕するフィン・ファンネルという必殺のサイコミュ兵器を持つが。しかし、それもよく見れば、ファンネルに小型ジェネレーターを搭載してビームをバリアにも使えるように成型する、という連邦系らしいジェネレーターとビーム兵器の技術の転用の方が特徴的であり、サイコミュ兵器としてはそれほど新発明ではない。小型でもないし。事実、アムロ自身がサイコフレームのアイディアではシャアに負けていたと(小説版や初期プロットでは)語っている。
MG 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア RX-93 vガンダム Ver.Ka 1/100スケール 色分け済みプラモデル



 また、νガンダム自体もアムロ・レイの操縦技術とニュータイプ能力の異次元さによって破格の戦果を上げたが、機体構造自体はコア・ブロックシステムも変形機構も持たない、むしろジム系に近い堅実な構成だ。もちろん、バズーカや専用ビームライフルやシールド内蔵ミサイル、(小説版では戦艦のエンジンと直結させたハイパー・メガ・バズーカ・ランチャー)など、ジム系のジェガンよりも格段に豪華な装備であるが、MSとしての機体構造自体はシンプル。



 全身にジェネレーター直結の内蔵ビーム砲やファンネルを装備したシャア・アズナブルの第二次ネオ・ジオン軍のMSたちに比べると、やはりνガンダムの時代でもサイコミュ技術はジオン系、ビーム兵器の技術は連邦系、という図式はあるようだ。ジオンはドムやゴッグの時点からビームを内蔵しがちだけど、連邦系はビーム兵器やミサイルポッドを外付けの武装にして、本体は割とシンプルな人型。


 また、ニュータイプ研究所はこの時代ではナナイ・ミゲルの組織作りの辣腕が発揮されたのか、コネクションなのか、ネオ・ジオン傘下になっている。クェス・パラヤのような新人少女も短期間で(薬物投与も最小限で)アルパ・アジールのようなサイコマシンのパイロットに仕立てるくらい、ニュータイプ研究は進んでいるようだ。クェス・パラヤの才能の要素が強いんだけど。
1/550 NZ-333 α・アジール (機動戦士ガンダムZZ)



 ただ、やはり技術交流はあるわけで。シャアから横流しされたサイコフレームの技術はアナハイム・エレクトロニクス社のグラナダとフォン・ブラウンの間でやり取りがされていた。
 そもそも、アナハイム・エレクトロニクスの材料技術部門もサイコミュ研究所と同じくらい裏取引が多い。グリプス戦役の前にアクシズで開発されたガンダリウムγの情報をシャア(クワトロ・バジーナ)によってもたらされて、その技術をエゥーゴにもティターンズにも横流ししているので。


 まあ、だいたいシャアが悪い。
 ニタ研の節操のないスポンサー探しによる所属の変転も、結果として各勢力にサイコミュ技術をもたらしている。


  • 閃光のハサウェイ以降のニュータイプと宗教

 で、閃光のハサウェイ以前でもサイコミュ技術はジオン、ビーム技術は連邦系、みたいなうっすらとした長所の対比があった。
 閃光のハサウェイのアニメ劇場版では地球連邦政府の教育方針として、ニュータイプは存在しない都市伝説扱いされるという事になっているようだ。


 ただし、軍や研究機関のレベルでは地球連邦やアナハイム・エレクトロニクスはサイコミュ技術の研究を辞めたわけではなく、ペーネロペーとΞガンダムにはファンネル・ミサイルが搭載されている。

HGUC 機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ Ξガンダム(クスィーガンダム)VSペーネロペー ファンネル・ミサイル エフェクトセット 1/144スケール 色分け済みプラモデル 2551156


 後のガンダムF91にもバイオセンサーを発展させたバイオコンピュータとサイコフレームが搭載されている。ただし、やはりMSとしてのガンダムF91の特徴は小型高性能ジェネレーターによる新ビーム兵器のヴェスバーだ。あと、質量を持った残像と言われる剥離装甲などの新素材。アナハイム・エレクトロニクスからサナリィに開発が変わっているが、連邦系のMSとしてはやはりサイコミュ技術よりビーム技術と新素材装甲が重視されるのだろう。
METAL BUILD 機動戦士ガンダムF91 ガンダムF91 CHRONICLE WHITE Ver. 約170mm ABS&PVC&ダイキャスト製 塗装済み可動フィギュア



 で、民間でのニュータイプに関して考えてみる。今からF91とVガンダムの小説版を読み返す気力はないので、うろ覚えの与太話として読んでほしいのだが。
 機動戦士ガンダムF91での地球連邦軍のパイロットのビルギット・ピリヨによるとニュータイプはモビルスーツの操縦技術が高い人種、という認識。
 対して、主人公のシーブックたちに敵対するクロスボーン・バンガードの黒の戦隊の隊長のザビーネ・シャルは素人ながら短期間でビギナ・ギナの操縦に習熟したベラ・ロナ(セシリー・フェアチャイルド)に対して「ニュータイプの素養がある」と感嘆した。ザビーネのこの発言は単にモビルスーツの操縦が上手いと言うだけでなく、貴族として人の上に立つものとして、理解力の深い才能を持ったものとしてのニュータイプであり、ビルギットがシーブックに向けたものとはやや違っている。
(ザビーネ・シャル自身もブッホ・コンツェルンの職業訓練校を卒業したあと3年間、地球連邦軍で兵役を経験している。また、ザビーネ・シャルは現実主義者であり、ニュータイプのような観念的なものは信じていなかったらしいが、ベラ・ロナを見て考えを変えたらしい)


 また、機動戦士ガンダムF91の映画のボス敵であるラフレシアは脳波コントロールで125本の、先端にチェーンソーを装備した長い触手、テンタクラーロッドを操り、大型の内蔵ビーム兵器も装備している、サイコマシンである。無敵なので、艦隊を殲滅する。でもサイコ要素が強いので鉄仮面が調子こいて掛かってしまってペース配分を間違ったのかもしれません。賢さを上げましょう。



 小説版F91を出典にしているピクシブ辞典によると

宇宙世紀0100年代に入ったころには、フラナガン博士が発見・実用化したサイコミュを稼働させるための『感応波』は、既に科学的解析、および実証が進んでおり、人体の脳からニュートリノに近い性質を持つ「スウェッセム」と名付けられた粒子が発され、体液酵素「スウェッセム・セル」が、『意志』を物理的な人体へと伝導させている事が判明していた。この理論は、大学の研究テーマとして受け入れられるレベルにまで浸透しており、かつてはニュータイプという超能力者のような人々だけが有していた不可思議な直感を、一般人がシステマチックに利用するための研究もそれなりの「分野」となった。

 という扱いらしく、ニュータイプがオカルトで存在しないという劇場版閃光のハサウェイの新規セリフとはちょっと違っているのかもしれない。
 また、一般教育レベルと、研究者レベルではサイコミュ技術の精神感応への認識文化が違うのかもしれない。



 富野由悠季監督の趣味なのか、人型ロボットであるガンダムがサイコマシンの敵をやっつける、という人間讃歌的なモチーフで敵味方がデザインされる傾向が見て取れる。


 ただ、鉄仮面のラフレシアとバグは科学者として「効率」を追い求めた鉄仮面の思想であり、マイッツァー・ロナや彼の作った職業訓練学校で己を貴族の域にまで高めるように修行したザビーネ・シャルの信奉するコスモ貴族主義に反するとされている。
 

 また、コスモ貴族主義者の中で信仰されているコスモ・クルツ教団は続く機動戦士クロスボーン・ガンダムにおいてニュータイプを来たるべき新人類として信仰する宗教の教義を持つとして描写された。マイッツァー・ロナにとってコスモ・クルツ教団自体は支持者を獲得するための方便だったようだが。
 クロスボーン・ガンダムで登場したコスモ・クルツ教団の代表のシェリンドン・ロナ嬢は方便ではなく本気でニュータイプを宗教の本尊として考えていたようだ。
(富野由悠季監督が離れた、長谷川裕一先生による続編の機動戦士クロスボーン・ガンダム ゴーストやDUSTに彼女は登場しない。ただし、ザンスカール帝国のマリア候補だったトモエのカオスレルや、首切り王のメルト・バロックなど生体部品としてニュータイプやサイキッカーを利用したサイコマシンや、多くのカルト宗教団体は登場している)



 サイコミュ技術が科学的に解明されていくと同時に、ニュータイプのような特別な人でもなく普通の人でも精神感応で進化できる、というような宗教的な世相が生まれたのかもしれない。オウム真理教が最初はヨガ教室だったように。
 閃光のハサウェイの劇場版アニメでは地球連邦の教育理念としてニュータイプはオカルト扱いされたが、それがより一層、反連邦のスペースノイドの新興宗教にとっては文化的に都合が良かったのかもしれない。
 地球連邦では技術的なサイコミュの研究をされるものの、哲学や宗教の側面としてのニュータイプは地球連邦では禁忌とされ、その反動で連邦の主流から外れたスペースノイドの新興宗教の教義になっていったようだ。



 また、機動戦士クロスボーン・ガンダムのラスボスの木星帝国のクラックス・ドゥガチ総統は自分の思考を完全にコピーする「バイオ脳」を9体製作しており、地球連邦の圏外でのサイコ技術は思考の分身を作るまでに至っている。(反面、木星帝国はモビルスーツの工業的な製作技術としてはサナリィやクロスボーン・バンガードに劣ると何度も描写されている)
 ドゥガチの操るラスボス巨大MSディビニダドはフェザーファンネルを多数装備しているが、ファンネルとしての精度はあまり高くなく、使い捨てのミサイルに近いようだが、数が多い。
 それに木星帝国は総統の腹心のカラスが少年ニュータイプ部隊を育成しているなど、地球連邦に比べて国力に劣るので、パイロットの質を高めるためにニュータイプ研究を行っている様子。カラスが操縦するモビルアーマー、ノーティラスはオウムガイのような形をしており、構造自体は単純でビーム砲を持つだけだが、カラス機はラフレシアのテンタクラーロッドのような高振動切断ワイヤーをサイコミュで制御していたようだ。
 


  • 機動戦士Vガンダムでのサイキッカー

 宇宙世紀0153年、ついにニュータイプの「New」が陳腐化して「サイキッカー」として定義され、超巨大サイコ兵器のエンジェル・ハイロゥの生体部品として数万人が動員されるほどになった。主人公のウッソ・エヴィンもニュータイプと呼ばれるときもあるが、「スペシャル」と呼ばれることが多い。
 また、コスモ・クルツ教団のアイディアを膨らませたのか、Vガンダムの敵勢力であるザンスカール帝国も超能力者のマリア・ピァ・アーモニアを女王とするマリア主義という宗教を中心としてまとまっている新興国家である。
 また、地球の海底にある人工都市「アンダーフック」もザンスカール帝国に協力して、マリア主義を信奉する宗教都市であった。アンダーフックからエンジェル・ハイロゥの生体部品になったサイキッカーも多く見られた。
 ニュータイプが地球連邦からは禁忌とされて、連邦政府から外れたところのスペースノイドや海底都市の不満分子が宗教としてニュータイプを崇めるようになっている。同時に、サイコミュ技術自体は科学的に解明され、サイコフレームなどもMSの標準装備になっているようだし、エンジェル・ハイロゥのような数kmにも及ぶ超巨大サイコマシンの開発も成功させた。宗教としてのニュータイプと解明された技術としてのサイキッカーが融合したのがエンジェル・ハイロゥと言えよう。(まあ、暴走するんだけど)
 機動戦士Vガンダム(1993年)当時の富野由悠季監督はテロ事件を起こす前のオウム真理教に注目しており、それが影響している。ただ、オウム真理教が正しいという描写ではなく、マリア主義も新興軍事国家をまとめるための方便としての一面も描かれている。もちろんマリア主義に傾倒して狂っていく人間や、それを自分に都合よく曲解して利用する人間や、とっくにおかしくなっている人など、宗教の善悪を決めるというより、それに翻弄されていく周りの人たちを描いたのがVガンダムかなあ。


 機動戦士Vガンダムの時代のモビルスーツは操縦系のサイコミュ制御も飛行能力も標準装備なので、逆にファンネルなどの脳波コントロール誘導兵器はあまり登場しない。サイコマシンとしてはエンジェル・ハイロゥのインパクトがデカすぎるので、あまり他にサイコマシンを出す必要がなかったのかも。あと、作風自体がサイコなので、サイコマシンを出すまでもないというか…。
 ただ、強化人間措置を受けたファラ・グリフォンが操る、衛星軌道上からモビルスーツで地上を狙撃する大型モビルスーツ、ザンネックの照準装置はサイコミュ制御。
 また、主人公側ガンダムはビームが必殺技という伝統からか、Vガンダムはビーム・スマートガンを持ち、V2ガンダムは光の翼を巨大ビームサーベルやシールドとして駆使する。V2ガンダムは強化型のV2アサルトバスターガンダムでは更にビーム兵器が充実する。ミサイルも。
HGUC 1/144 LM314V23/24 V2アサルトバスターガンダム (機動戦士Vガンダム)


  • まとめ

 そういうわけで、宇宙世紀でのニュータイプの扱いをVガンダムまで順々に見ていったが。
 ニュータイプに対する人々の態度は技術的な解明と、反政府的な宗教としてのカルト化の二極化という感じの歴史を辿っていったようにも見える。逆襲のシャア、F91、Vガンダムの流れはアニメの企画としては割と分断されているのだが、なんとなくニュータイプがサイキッカーに成り果てていく文化の歴史の流れとしてはつながって見える。偶然かもしれないし、富野監督の中の思想の一貫性かもしれない。(連邦が変化や天才を嫌うとかはかなり一貫している)

 

 また、メカの設計としても主人公側はオーソドックスな人型マシンで、必殺技は新型ビーム兵器が見せ所で、敵はサイコマシンや狂った人という図式が多い。(ただ、主人公側がオーソドックスなマシンを使うのはサイコマシンが悪いからではなく、体制側のマシンは革新的な技術や個人の精神に依存した技術を嫌うから、という側面も描かれている)


 ブレンパワードとバロンズゥ、ターンエーガンダムとターンXの関係とかもそうだ。
 21世紀以降の富野作品でも、銃剣が武器のキングゲイナーとカシマルのサイコオーバーマンとオーバーデビルや、妄執でハイパー化するサコミズ王のオウカオーとオーソドックスなナナジンとか(文金高島田の特攻人形はファンタジーだが)、人型を取り戻すZガンダムとか、正統派ヒーローとサイコマシンの敵っていう対比は富野由悠季監督の作品の特徴でもあり、手癖かもしれない。
 Gのレコンギスタの主人公のG-セルフも光ガンダムがキャッチコピーで、色んな種類の兵装でビームを駆使するからなあ。結果的にラスボスになったマスクのカバカーリーはほとんどG-セルフと同格だし、あまりサイコマシンという感じはしないが、終盤で女達が使うユグドラシルやG-ルシファーとジーラッハはちょっとサイコマシン。
HG 1/144 ガンダム G-セルフ (パーフェクトパック装備型) (ガンダムGのレコンギスタ)



 まあ、ニュータイプ論は沼なので、この記事は与太話です。オフィシャルではございませんぞ!
 アニメの劇場版閃光のハサウェイで地球連邦の教育でニュータイプがオカルト扱いされるという新規セリフが、富野ガンダムでのカルト宗教化していく宇宙世紀0123年以降のニュータイプの歴史の流れにハマるな、ってちょっと思ったので書いてみただけです。



 ただ、懸念が一つありまして。サンライズとバンダイのUC NexT 0100 PROJECTで、どうもニュータイプのカルト宗教的な部分を「イデオンみたいなサイコフレームを使いこなすガンダムは神になる」という感じの福井晴敏さんが手掛けるんじゃないかという。
 僕は個人的にガンダムユニコーンが苦手でして。(もっというとリディ・マーセナスは裏切り者だし超嫌いなんだが、そんなやつが「俺たちは望まれて生まれてきた」とかほざくのが死ねって感じです。あと、人間だけが神を持つとか。そもそも宇宙世紀元年の時点で宇宙に適応した新人類を想定しているラプラスの箱というのが気持ち悪すぎる。つーか、精密機械の核融合炉が簡単に分解されるわけねーだろ!)


 どうも小形プロデューサーの発言などを見ると、宇宙世紀0100年のジオン共和国解体を機動戦士ガンダムユニコーン2で描く流れになっているようで。そこでニュータイプの宗教的な部分を軽々しく描かれると、それは危険すぎる気が。
(富野由悠季監督は機動戦士Vガンダムのあと更年期障害とかぶって、オウム真理教事件やエヴァンゲリオンブームに自分も責任があるのではと悩んだり、ひどいうつ病になった。まあ、王の心とかガチカルト小説も書いちゃうけど)


 富野由悠季監督の描写では、アムロとララァは個人的な密会だし、コスモ・クルツ教団とかマリア主義も本当に奇跡や神の意志かは、ちょっと焦点を外してボカしているので。そこをズケズケと直接的に描くには、宗教と超能力というモチーフは危険すぎる。
 あと、超能力ブームは70年代中盤から80年代末だし、実は今の若者にはそんなに受けないと思う。(転生物は多いけど、ほとんどがゲームの文脈だし)


 うーん。


まあ、富野由悠季監督が企画中らしい「卑弥呼大和」はもう、どう言い訳してもオカルト以外の何物でもないですけどね!



 ま、まあ、オーラでマシンが動くダンバインとか、バイストン・ウェルシリーズとかもあるし・・・。



 でも卑弥呼大和、天皇とかも出しそうで怖いんだよなあ…。(ファウ・ファウ物語で一回出してる。ダンバインではエリザベス女王に手加減した)
 福井晴敏さんも怖いけど、富野由悠季監督も怖い人なので。




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