玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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クリムと戦士たちの殺人考察 #Gレコ 最終話

  • 目次

「はじめたいキャピタルGの物語」・「ガンダム Gのレコンギスタ」感想目次 - 玖足手帖-アニメブログ-
Gレコ2周目の感想目次 殺人考察&劇場版(パリ) - 玖足手帖-アニメブログ-

  • 放送当時の感想

nuryouguda.hatenablog.com

  • クリムとミックに焦点を絞る

 最終回である。ベルリの殺人考察シリーズでは同時にGレコの2周目の感想も書いてきた。しかし最終回はカット割りが細かいのでAパートBパートなどの分け方では無理と判断。
 キャラクターごとに書いていく。幸い、最終回のベルリはほぼマスクとしか対戦していないので、ベルリとマスク、アイーダとラライヤとアメリア軍、クリムとジット団、の3視点で記事を分けることができるだろう。






 考察としては蛇足かもしれないが、最終回は台詞のテンポの良さと作画の良さでめちゃくちゃ格好いい。



 カバカーリージーラッハの上空のクリムたちよりさらに上空から、ガランデンを発したジット団のマズラスタージャスティマが降下。
 フォントがちょっと違っているが英語表示。G-セルフパーフェクトバックパックはアンノウン。(カバカーリーもG-ITではなくカバカーリーとして登録してあるのか)



 ダハックとトリニティはクレッセント・シップから地球人の敵の手に渡ったと判断するチッカラ。戦闘開始。


  • で、ちょっと間があいて




 ベルリを殺すって頭に血が上っているマニィのジーラッハの射程に入ったらいきなり攻撃されてるダハックとトリニティ。ダハックとトリニティはクレッセント・シップでマニィと一緒に地球にきたわけだが、マニィがすごく見境なくなってる。


 と、思ったらマズラスタージャスティマとも戦う!クリムとミックはジーラッハのマニィのことは知らないのでジット団として認識している?





 一つの戦場を3つの記事に分けたけど、Gレコの最終回の混戦はヤバイな。僕は何十回も見てだいたい勢力と所属MSは見分けられるけど、この混戦は初見殺しだろ。



 でも、素早い戦闘の合間にちょっとスローな会話も挟まって緩急がある。ヒット・アンド・アウェイ。しかし、マシーンに乗って戦っているだけで行ってない金星のジットラボがどういうものか察するクリム、天才…。宇宙世紀とかMSに精通しているんだろうなあ。単なるMSに大好きオタクと言うだけでなく、どういう風に技術保全されていたのかとかも分かってしまうか?

  • 視点変わって


 クリムを相手にしていたクン・スーンキャピタル・アーミィのウーシァ部隊に驚く!そこから混戦へ!視点が目まぐるしく変わる。







 最終回だからか大盤振る舞いのバトル!


 アメリアのMSのプロトタイプに近い地上用ジャハナムキャピタル・アーミィの高機動ランゲバインに乗っているウーシァを「斧」で仕留めるとか、ファーストガンダムの劇場版の終盤のサラミスを落とすザクかよ…。(地上用ジャハナムにミノフスキーフライトがついたのか、ジャンプなのか・・・)
 地味に映っている量産型モンテーロも味わい深い。
 単純な比較はしにくいけど、ア・バオア・クー戦とまでは行かなくてもZガンダムVガンダムの終盤の艦隊戦くらいにはなってるかも?∀ガンダムターンXが単騎で暴れまわっていたが。




 好戦的なチッカラとクン・スーンはさっきまでクリムとミックと打ち合っていたのに、彼らとの距離が広がってその間で艦隊戦が始まると、そっちにターゲットを変える。この、リアルタイム混戦!
 ぞくぞくしますねえ!


 宇宙から戦いながら降下して来た複数の戦艦とMSと、北から地上を来たアメリア第二艦隊が接敵するリアルタイムの戦況変化が立体的ですごい!
 こないだのFate/GOのアニメの巨大ゴルゴーンの北壁襲撃もアニメーションとしてはすごかったけど、ゴルゴーンのビーム、レオニダス1世の見せ場、牛若丸の見せ場って言うふうにカメラの注目すべき対象は1シーンで1つでそれなりの秒数を使って感動的に見せてた。でも、富野アニメだったらゴルゴーンに対して北壁の艦砲射撃の十字砲火とかレオニダス隊と牛若丸隊の陽動と宝具を同時進行させて、キングゥとマシュももっとたくさん動かしていたと思う。(いや、富野アニメじゃなくても城塞戦なら北壁の艦砲射撃はもっとあっても良かったと思うけど。財宝が足りなかったのか?)
 まー、FGOはまだ中盤なので、最終回のGレコとは比べるべきではないかもしれんが。FGOも戦場の運動範囲の広さという点では他のアニメより格段に広くて早い部類だけど。牛若丸の分身宝具もすごかったけど、分身してても本質的には一対一だからなあ…。Gレコの複数の艦隊とそれに付随するMSが全部同時に独立して動いててすごい。まあ、アニメなのでカメラに映るのは一部だけど。富野監督はおそらく脳内で戦況変化を演算してたっぽい。未来のギアナ高地のジャングルという、架空度が高くて適度に凸凹してるけど背景のリアルさは多少雑でもいいという舞台なので、市街戦よりは多少背景は自由に描けたっぽいけど。ちゃんと複座で索敵能力が高そうなG-ルシファーが最初にアメリア第二艦隊を見つけてメガファウナに発光信号で知らせて、その後に(前回、上方のメガファウナに気を取られていた)ガランデンアメリア第二艦隊に狙われて、その後ろからゆっくり音速を超えないように大気圏突入してきたブルジンが追いついてガランデンを援護して、マニィと戦っていたクリムと戦ったジット団の二人が流れで艦隊戦に参加する、と接敵の順番が速度とか地の利とか索敵能力とか戦意の違いとかでちゃんと決まっている。

  • ジット団、再戦!



 ジット団の二人が割りと夢中でアメリア第二艦隊を虐殺していたが…。






 クリムとミックもウーシァ部隊を虐殺!手当たり次第というか、ジット団と間合いが開いたら、別に接近してきたウーシァを狙う。どのキャラも映ってないところでも手を止めない!


 そのダハックとトリニティの攻撃の光を見て、再度、ジット団の二人が標的を向ける。


 クン・スーン、さっきもダハックとトリニティと打ち合っていたが、パイロットがアメリア帝国のクリム・ニックたちとは知らずにとりあえず戦っていたのか?




 「ジット団はひとつ!」
 まあ、実際にはクレッセント・シップに乗り込んだジット団の団員がダハックとトリニティをロルッカの仲介で横流ししていたのでジット団は一つではないのだが…。

  • Bパート

 ベルリが陥没した穴に逃げ込んだ頃、その上空をジット団と交戦しながらダハックとトリニティが行く。



 G系2機のビームをバリアーで防ぎつつ、クリム・ニックは美形の顔を崩して猛攻。


 ミックはその後ろからジット団は宇宙世紀の遺物にすぎないとナメてかかるが、




 ナメたらやられる!




 しかし、すかさずダハックがビーム・ウィップを砕いてトリニティが脱出。そしてクリム・ニックは舐めるのではなく渾身の自信でさらなる猛攻!


 ジット団のMSは組み立てたばかりで模擬戦してないのでスペックがわからない!

 ジャスティマがミサイル、ビームを全発射しながらダハックへ距離を詰めるが、エネルギーが吸われる!





 ダハックの本来の戦法ではないかもしれないが、クリム・ニックモンテーロの頃から得意だった謎の回転殺法でジャスティマの右腕以外を切り落とす。




 組み付いたジャスティマを背部サーベルの一射で撃破!キア隊長の名を叫んでチッカラ死す。天才クリム・ニックの戦闘の中でも最高潮の技の発揮の戦いだった。
HG 1/144 ダハック(ガンダム Gのレコンギスタ)




 今度はミックが、悲しむスキを見せたクン・スーンマズラスターの右腕を斬る。一瞬の気の緩みを突き合う激闘。


  • 戦闘をやめるクリム



 優勢になったのにミックに下がれと言い、自分も水を飲んでクールダウンするクリム。


 ミックと打ち合った黒いのはジーラッハだと思うが、それと戦うにはミックは足手まといと言う。本心だろうか?(ジーラッハに対しては別にクリムは思い入れがなさそう)
 クリム・ニックミック・ジャックと一緒に機体を岩陰に隠し、この戦場から隠れて Missing In Action(作戦行動中行方不明)を装う。
 確かに有線式ファンネルのほとんどを失ったトリニティは戦力としては頼りない。だがダハックは左腕が損傷したとは言え、ジャスティマのエネルギーを吸ったのでバッテリーは十分だろう。
 なんで天才は戦闘をやめたのか?
 クリム・ニックが戦い続けたら、ついてくるだろうミック・ジャックが死ぬ危険があるというのも一因だろうけど。
 しかし、ミック・ジャック最初の登場シーンは(面識があっても)一歩引いてモテモテエリートのクリム・ニックのお手並みを拝見していたのに、最終回ではミック・ジャックの方がクリム・ニックのために熱くなって戦おうとしていて、関係の変化が戦闘でわかる。



 一隻がG-ルシファーに撃沈されても、まだ残っていたラトルパイソンなど、アメリア第二艦隊が残っているのは天才は見ていたはず。大統領の息子であるクリム・ニックアメリア第二艦隊と合流するという選択肢もあったのでは?
 しかし、それは採らない。


 やはり、アメリア第二艦隊について、アイーダが「父の作戦はやめさせる」と思ったのと同様、クリム・ニックも父が用意した自分の知らない作戦に反発があったのでは?
 ミック・ジャックを愛している、と言うだけでなく、クリムは父に愛されていないというか「自分がサラマンドラを任されたが、それは宇宙で戦闘してキャピタル・タワー侵攻をする地上艦隊から目をそらさせるための囮だった」と考えたのだろうと思う。事実、ダーマがなかったらサラマンドラと共にクリムは死んでたし。(しかし、大気圏突入フィルムを入手しない状態でなんでアメリア艦隊は宇宙に出たのだろう。キャピタル・タワーMMF圏内なら地上に戻れると思っていたのか)
 ここで、アメリア第二艦隊の指揮官がクリム・ニックの兄とかだったら、風の谷のナウシカのトルメキアみたいになるのだが。Gレコのキャラクターデザインの本を読むとクリム・ニックのイメージモチーフは蛇らしいので、ジブリ出身の吉田健一さんはクシャナ殿下を意識していたかもしれない。
 そこで、父親の王が豪傑だとしてヴ王ナウシカに並ぶ王として描いた宮﨑駿さんと、息子の死を政治利用する小狡いニッキーニ大統領として描いた富野由悠季監督では父親のイメージが違うのだろう。


 それで、身を隠したクリム・ニックは父の大統領が自分をどう扱うか観察していたのだろう。クリム・ニックは天才だし強いんだけど、状況がわからない時は引いて全体を観察しようという習性がある。用心深い。やはり、アメリア帝国の貴族社会も風の谷のナウシカのトルメキア宮中のように陰謀が渦巻く毒蛇の巣だったのだろうか?
 あと、セルフチェックとしてもチッカラを屠るのに全力を出したので自分の気力が続かないかも、っていう感覚もあったのだろうか。万全の状態でなければ戦わないし、ジット団の二人の戦力を削げば、あとはキャピタル・アーミィアメリア艦隊がつぶしあいをするし、ガランデンは逃げ腰だし、クリム・ニックにとっては無理するほど利益のある戦場ではなくなったということか。
 天才は殺人をした後もすぐに気分をリセットして色々状況を考えててすごいなあ。





 それで、結果的に政治利用されたのでクレッセント・シップアメリア帝国に示威行動して父と決別した。
 しかし、ズッキーニ・ニッキーニ大統領は息子の死を利用して大して悲しんでないの、後継者のことを考えないで自分の代のことしか考えてないのか?(ビーナス・グロゥブの長寿の方法は知らないはず)




 しかし、大統領を潰しに行くステアは楽しそうだなー。彼女にも海賊部隊をやらされたことで鬱憤があったんですかね。




 偉そうな人のパーティーを台無しにするのは楽しい!(やっぱりヤンキー漫画っぽいかも・・・)


 それで、クリム・ニックはベルリに先駆けてクレッセント・シップを降りて自分の人生を探り始めるけど。

 殺し合ったミック・ジャッククン・スーンが子供のことを喜びあうの、女性の力なんだろうか。クリム・ニッククン・スーンと顔を合わせたがらなかったっぽいけど。
 天才としてはアイーダ姫様がイニシアティブをとっているクレッセント・シップの人間関係の中で二番手でいるのは嫌だったような気もする。向かうであろうビーナス・グロゥブにも大して興味がないのか。



 そして南の島に向かうクリムとミックであるが、クリムはほとぼりが冷めたらまた政権を取りに行きそうな気がするけど、別にアメリア帝国にこだわる気持ちもないのだろうか。青の系譜だが、男の生き方として機動戦士ガンダムランバ・ラルやオーバーマン・キングゲイナーのヤッサバ・ジンとはまた違うパターン。新世代の若者の一つの形という感じだ。
 天才なので、生活していくのには困らないと思う。
 とりあえず、クリム・ニックはこの物語で殺人をやりまくったが、悪人として裁かれるわけでもなく、かと言って出世するわけでもなく、しかし前途はなんとなく明るい雰囲気で人生を楽しみに行く感じで終わる。なかなかこういう結末を迎える物語の中の戦士やエリートキャラは少ないので、クリム・ニックは珍しいというかユニークなキャラクターだなあと思う。愛に生きる!という気負いや重さもなく軽やかに飛んで行くのであった。


  • 布教活動


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