玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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昆虫物語みなしごハッチ第64話 もうひとりのママ

みなしごハッチはテロップが出ないし、ネットにもクレジットが出回ってないので、富野由悠季全仕事週でのデータ原口さんによる富野回のスタッフしか知らないんですけど。
今回のあらすじ
特に伏線もなく、冒頭からハッチが毒ガの群れに襲われて失明&昏睡。いきなりひどい。
ハッチがハナアブの奥さんに拾われて介抱される。ハナアブさんは息子を肉食の水生昆虫に殺されてるので、ハッチを自分の息子だと勘違いしたようです。60話の「大海の一葉」での、蝶の蛹を死んだ子供の卵だと勘違いするカメムシの女よりは、まだ理性的ですけど、狂ってますね。で、ハッチも失明してるので、騙されてハナアブの女を母親と勘違いします。
ハッチは失明してるし、メクラとかキチガイとか鬼っ子とか、他の虫の子供にからかわれます。ひどい。放送禁止用語酷い。まあ、別に僕は禁止しなくてもいいと思う派なんですが。


しかし、昆虫物語 みなしごハッチの気狂い演出とか、不穏感をあおる演出は素晴らしく芸術的だなあ。
今回は、ハナアブの女の自宅のベッドで昏睡してるハッチに被せて、家の外で遊んでいる子供のわらべ歌が不気味にひびいたり、ハナアブの女にハッチが手を引かれて踊っている場面でハッチの本当の母親がいつの間にか幻想の中でハナアブにすり替わって、逆にハナアブの異物感を強調したり、母親が見つかったと騙されたハッチが盲目のまま赤ちゃん返りしてべたべたと甘えまくる所とか、子供の無邪気さを不安定な物として演出するのがすごく怖くて計算されていると思った。
目の見えないハッチが「こんなに柔らかい匂いがするのはママにきまってる!」って言って、ハナアブの女も「ええ、私がママよ!」って嘘をつく所で、激しく落雷が二人を照らすとか、非常に恐ろしい。肉食昆虫との殺し合いよりも、母子の心情の深淵を抉るのがすごい。
アニメーションとしては、21世紀の作品に比べると全然絵の情報量も少ないし、ぜんっぜん動いてないんですけどね!
なんかレイアウトや色彩の変転やカットの繋ぎ方にアートを感じます。
誰がやったのか知りませんが、ハッチは毎回濃いですね。もうちょっと序盤から真面目に見ておくべきだった・・・。
地上デジタル放送が終わるので、東京MXが見れなくなって80話まで見れるかどうかなので、91話の最終回まで見れませんね。最終4話はソフト化してるみたいだけど。


来週は富野喜幸絵コンテの第65話「燃えろ朝やけ」です。
性格が歪んだ一人ぼっちのカナブンの少年とハッチの交流を描くらしいですけど、多分また死ぬんでしょうね。