池袋コミュニティカレッジの、監督論。
一週間以上経って、風邪も引いて、いい感じに忘れてきたので、憶えているところだけ書く。
- 富野監督は社会に向かって発信する。
それは、社会に向けて問題意識を持った作品のみならず、アニメ誌アニメマスコミでの発言、執筆。
(アニメ雑誌創成期にインタビューに積極的で、面白いネタになっていた⇒谷口吾朗に反感を買う)
アニメ新世紀宣言をファンイベントや、プロダクションイベントだけにせず、自ら壇上に登ってやったのは、責任を取る立場を示したことである。ただの作者、製作者ではなく責任者として出た。
近年も、経済雑誌などで発言を繰り返している。
しかし、氷川先生から見ると、正直言って、本当は、発言が得意な人間ではない。本当はやはり仕事師であって、コメンテーターではない。コメントを通じて商売を出来るような器用な人間ではない。
しかし、ガンダムと言うビッグタイトルを持っているため、また、エヴァンゲリオンブームやオウム事件の時に、その影響の元のなった人物としてメディアに引っ張り出された。
また、本人は苦手なのに、責任感の強い人だから、呼ばれたら断られないし、本気で発言してしまう。樋川先生としてはそれは懸念。
- トミノの晩年
黒澤明や、60代で死んでしまう漫画家などに比べると、今も新作準備中で、ある程度の理解者が居るのは幸せなのではないか。
しかし、後は出資者。
リング・オブ・ガンダムについては、製作中である説と、完結したという説を、私は複数の筋から聞きました。
どっちでもいい。
- 私の質問(白黒富野転換期)
アニメの楽しみ方と言うことで、Vガンダムとブレンパワードの間が抜けていたので、そこでの転換を聞いてみた。
「ブレンパワードまでは富野監督は終わっていて、エヴァブームに乗っかって復活」と言うのはどうかと思ったので。
小説やクロスボーンなどを見ると、白トミノと黒トミノは連続しているのではないでしょうか?と、聞いた。
師、答えて曰く。
「実は、Vガンダムでも、名作劇場風の導入だったり、母系社会だったり、地球回帰的で母性的な話の枠組みは導入してました。
しかし、それがなぜ、あんなカオスになったのか・・・。
また、その頃、富野監督は病んでいたが、小説やガーゼィの翼のアニメはこなしていたので周りからは病んでいるとはおもわれなかった。しかし、∀の癒しにあるように出歩けない状態だった。
富野監督のように、観察力と洞察力のある人は、予期不安に見舞われる。
90年代の富野監督の周りの人間関係の変化などもあった。
仕事しすぎで、交感神経ばかり使っていると、戦闘モードだから仕事が出来るけど、血管が収縮しすぎる。
針治療や、奥さんや娘さんとの関係で立ち直れた。
また、若い世代で富野監督に力を貸せる人材の台頭があった。そのため、それまでにも富野監督がテーマにしていた”世代交代”を実感として描けるようになったのではないか。
あと、これは富野監督だけではなく、紅の豚ともののけ姫の間の宮崎駿や、イノセンスあたりの押井守など、男の更年期問題もあるのではないか。
氷川竜介としても、それはもうすぐの話なので、先輩が体と作品を張って生き様を見せてくれているのがありがたい」
- クロスボーンガンダムとの関係
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-604.html
http://kaito2198.blog43.fc2.com/blog-entry-605.html
kaito2198さんも気にされていますが↑。
受講生の方が、どの程度富野監督がクロスボーンに関わっていたか質問されていた。
先生もそれをいつか取材するかも?
とのこと。
みんな気になってるんだなー。