玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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夢喰いメリー第4話空白にこそ夢がある

今回は山内重保監督コンテじゃなかったけど、また濃いクローズアップでしたなあ。
カット転換直後の極度なクローズアップ、特に話し手の顔を見切らせて胸だけに寄るのが多い。
女性キャラの場合には話しの内容よりも乳房へのフェティッシュな部分的性欲が沸く。平坦な男性キャラの胸なら、一瞬、胸という事もわからず、混乱する。
で、逆に「おっと、見とれてないで話しを聞かなきゃ」って思わされた。視聴者の私の意図がはぐらかせられて、逆に能動性を強要される。
胸以外にも、今回はカット頭に中央に視線が行くようなレイアウトや、小道具の配置をして、しかし、肝心の話しはテレビ画面の枠の周辺で切り取られた唇から発っせられたり、中央からやや外れた所に核心アイテムが有ると時間差で気付かされたり。
なかなか意地悪だが、刺激的で面白い絵の作り方だ。
ぼんやり中央を見てるだけでなく、視聴者が能動的に周辺の空白を探るのを強要される。ストレスはあるんだが、ちょっとした運動のような楽しさはあるな。
補助線やカメラワークによる誘導も有るし。


んで、今回の夢魔のクリス・エバーグリーンの体が空白だらけの人形の部品が宙に浮いたようなデザインというのも、それにマッチしてる。
というか、クリスのそんな体との戦いに集約するように最初のシーンから演出を逆算したんだろーな。上手いな。
クリスの顔のアップの隣の不自然な空間に突然、クリスの手首だけの手の平が現れて超能力の光を放つとか。
こういう冷静に計算しつつ前向きな攻めの演出は好きだ。


そして、それは今回の話の、「胸の中に夢がある」とか、「携帯メールの間でしか会えない二人」とか、「空間に消えるクリス」っていう、ドラマとしては王道というか、陳腐になりかねない単純な少年漫画に重みを与えてて楽しい。
で、空間を越えたビンタ接触がインパクト増大。クリスは「触れるのは叶わず」なんてうそぶいてたのに。
いいね。こういうの。好きだな。
夢というテーマの空漠にも合ってる。

しかし、消え際の男の笑顔と女の涙ってズルいよなあ。泣かせるぜ。
ハートキャッチプリキュア!の最終回もそうだし。
また僕みたいな淋しい男が勘違いして格好つけちゃうよ?(笑)