玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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夢喰いメリー第7話 夢邂逅 山内重保は燃え尽きないか?

また山内重保監督絵コンテである。死にたいのか。さきまくら絵コンテ至上主義か。
また、「夢なくし→燃えてないのに燃えて尽きた感じ」とか、あしたのジョーみたいなモチーフを持ちだしてきて!
しかも、胸を切られてるのにわりと声のトーンが変わらず平気で話している藤原夢路役の岡本信彦さんの芝居を聞くと、明らかに絵がアフレコに間に合ってないのが分かる。
(夢路、ダメージを受ける)っていうだけのト書きの芝居っぽくて、胸までバッサリ逝って口から血が吹き出てる声色ではないような・・・。
絵としても一人背景が多かったですが、今回は背景のパースも歪み気味(自販機のジュースとかね)で、筆遣いも荒くスケジュールのやばさが感じられる。まあ、山内絵コンテ自体が、「見せたい部分を見せるためにわざとレンズ自体をゆがめて強引な絵を描かせる」という物だから、いいんだけどね。
そんなにスケジュールがヤバいのがパッと見で分かるのに、カット数は相変わらず多いし、臍とか太股とか猫娘の股間とか尻尾とか、見せたいものだけを大胆に段取りを吹っ飛ばしてつないでいく大胆なカメラワークとトリミングと編集がほとばしっている。
寝ている夢路の部屋のシーンは夜ごはんの前なのに、夢路のヤバさと、メリーの放心と病院っぽさを見せるために、大胆に真っ白に飛ばした背景とかたまらんなー。
死ぬ気満々だろ山内。明らかに休むべきは絵の綺麗なフラクタル放浪息子ではなく、無理しまくりの山内…。
あと、秋谷智子さん(元モデルの美女で山内のお気に入りでキャシャーンではづきちゃん)がエンギの演技をするのが完璧でカッコよかったなー。


しかし、山内重保出崎統は組んで仕事をしたことはないという噂だが、こういう絵コンテ至上主義&制作粉砕が似通ってるから、なんとなく似通って見えるんだろーか?まあ、ジョー知らん奴はいないけど。
ちなみに、日本テレビの子会社になった事で最近ニュースになったマッドハウスは2008年にキャシャーンSinsウルトラヴァイオレット:コード044をやってましたねー。まあ、マッドハウスは他にも多作だから、色々負荷がかかってたんだろうけど。ていうか発端が出崎統だからしかたないかマッド・・・。


次回の水着回でなんとか箸休めをしてくれ。視聴者じゃなくてスタッフが・・・。七話は絵コンテが山内じゃなくて中山奈緒美さんで本当によかった・・・。山内の小宇宙がぶっこわれるからな。
予告の夢路さんはちょっと水着で壊れ気味だった。あと、水着の尻の中に入った砂を出すリアルな芝居がすごいフェチっぽくて良いよねー。フェチアニメだなー。


今回は話としては、前回を受けた復帰の話で、あまり動きが無いと言えば、無い。戦闘シーンより会話が多い。でも、やられたら復帰が必要と言うのも、作用反作用の原則に徹していてナイス。
前回の感想でも描いたけど、作用反作用と、応酬と償いっていう原理原則はちゃんと貫かれてるな。
自分が夢魔を殺したかもしれないってショックを受けて戦闘意欲を失ってたメリーが、夢路を傷つけられたショックの反作用でブチ切れてエンギをブチのめすとか、演出はトリッキーで暗示的なんだけど、構成としてはキチンとしたキャッチボールというかピンボールが続いている。
ジョン・ドゥが責任を感じて夢二を治療する所とか、そういうけじめのつけ方がカッコイイよな。追跡者ちぇいさー中田譲治
作品に一本思想的な筋が通ってる所は出崎統っぽくて好きだ。
だから、細かい演出とか、一瞬の美少女の萌え絵だけじゃなくて、全体的な雰囲気をセブンセンシズで感じてみると、結構見やすいんだよな。このアニメ。
まあ、切られて吹っ飛ぶ稲穂やダレた人形が夢路を暗示したりっていう、絵解きメッセージみたいな面白さもあるんだが。


で、今回の中田の説明によると、エルクレス(灯台ファロス)は夢と光を幻界の人に与えて、因果応報の事件のきっかけを作ったボスだが、樹海(ミストルティ)(原作には出てこないらしい)森は灯台と違ってルールも目的もないカオスだという。
おお、因果応報でここまで持ってきていた夢喰いメリーの作品世界を自ら原作レイプに次ぐアニメ版レイプをしようとしていて、すっごく興奮するな!作用反作用のルールに沿って作られているこのアニメで、ルールの無いボスが登場!そして、ルールから最初から逸脱しているかもしれないイレギュラーなメリー!おおおお!この対決はすごそうだぞ!
キャシャーンSinsも、光を与えるルナと、ルールをぶっ飛ばすキャシャーンの戦いだったからなー。で、キャシャーンSinsはラストで山内が自分でアニメスタイルで認めてたけど、時間が無くなってテーマが消化しきれずに、キャシャーンが鬼になった所だけ終わってルナが掘り下げられなかったから、その決着を1クールの夢喰いメリーでリベンジか?

どうなってしまうのかーっ!
アニメも、山内も、スタッフも!7巻まで出るという事は、1クールなら1巻2話収録の殿様商売なのだが・・・。アマガミSSでもないのに。
2クールないと終わらんぞ。


でも、終わりが危ぶまれるくらいやらかさないと、アニメは単に色と声がついてるだけの紙芝居になるもん。やっぱりアニメ版ならではの、アニメーションとしての付加価値が欲しいよね。こう言うのは、好きだなあ。
原作はレイプされないっすよ。別人だから。原作は原作で読むし。金があれば。



あ、セリオ&ユミは原作にはいないオリジナルキャラクター(3巻に似たようなのが出て、瞬殺されるらしい)で、2話では結構キーマンみたいに描かれて潰される所が悲劇的で印象的だった。けど、今回、文芸部の女子の噂話で「看護学校を目指してたのに、夢なくしになっちゃった子がいるらしいよ」で片づけられる!うわ、クール!容赦ねえな!
山内重保が参加したブレンパワードの愛の淵のネリーブレンの再リバイバルも容赦ないんだ・・・。
もう、ミストルテインの酷いカオスっぷりと言うか、残虐性と言うか、ルールの無い酷さがすっごい印象的ですよー。
しかも、それが主人公の夢路とメリーには全く認知されていないというのが、また冷徹な構成でゾクッとした。
悪いボスに殺される、罪のない名もない脇役の被害者にも、それぞれの人生や夢があった、って言うのを見せてくれる。


魔法少女まどか☆マギカだと、巴マミが殺されるのは主人公たちに愛着の在って、内面モノローグも豊富な人の死と言う事で、戦いの重さを感じさせるのがメインだったですよね。
で、今回の夢喰いメリーだと、むしろ主人公の友達じゃなくて主人公が救いきれなかった、出会う事が出来なかった被害者を描いて、敵の重さを表現している。まどか☆マギカでおざなりに描かれていた「なんだかよくわからないけど自殺したくなった工場経営者」にスポットを当てた感じだね。
まあ、まどマギは魔女という敵の存在よりも魔法少女バトルと言う世界観構造説明に重みを置いてて、夢喰いメリーは世界観は「因果応報やられたらやり返す」という単純な物で、その中での自我の強いキャラクターのぶつかり合いに重みを置いてる出崎統的キャラクター重視だから、目指す所が違うんで、棲み分けできてていいと思うけどね。
まどかはテーマのためのピースで、メリーは生きてるって感じ。
劇場版CLANNADは人生。(親父の)


ミストルティンの正体は誰でしょうねー。先生かなー。たかてるくんかなー。TAWARA.