玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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君のいる町第10話 キレイな花 回想と帰省

脚本:國澤真理子 絵コンテ:御神崎海 演出:下司泰弘 作画監督:MK、磯野智


今回は主人公たちが東京の大学から広島の実家に帰省する話です。
が、何となく山内重保監督の直絵コンテに比べると薄味な印象ではある。
でも、帰省して田舎道を歩いて、自然の中で少ない人の中で回想する、と言う旅情、叙情は感じられた。
動物や景色の自然物カットインも山内演出を継承した感じです。でも、割とスタンダードでほんわかした感じのやさしい印象。おジャ魔女キャシャーンSins夢喰いメリーから変化しつつ受け継がれてる山内重保監督作品のCGも使いつつの水彩系の美術で描かれる広島の田舎の風景の背景は温かみがあってきれいだった。
ただ、スタンダードな絵作りで優しい印象なので、山内重保監督のようなキレた芸術っぽさやテンションの緊迫感は薄かったかと。
でも、帰省旅行をしながら、実家の近くや通っていた高校を見て思い出を回想する、現在と回想が入り乱れる、と言う構成は結構複雑。
原作では高校入学から大学までを連載で積み重ねてきたけど、アニメだと高校3年の一時期と大学までピックアップして描いているんで、回想シーンがかなり複雑に入り組んでる。
そういう難しい題材や事情もあるが、現在のシーンと回想のシーン、想像と写像の区別が非言語的にパッと見でわかるように見せる手腕は評価したい。少なくとも、僕はわかった。
この区別付けた演出は結構スタッフさん(シリーズ構成レベルから演出処理まで)は頭を使って頑張ってると思う。
東映版鍵アニメみたいな雰囲気がある。


しかし、帰省旅行なんですけど、原作に忠実に(清美は出ない)主人公たち若者ばかりが出て、親がセリフ一つしか出てきてないので、おジャ魔女どれみカエル石のヒミツのような土着性は薄かったかな。
山内重保監督のカエル石のひみつだと、春風父と春風祖父との血縁と土地の縁がリンクして長い時空間を想像させてくれてイメージが膨らむ良い映画だったんだが。
広島旅行アニメとしては、今期はたまゆらもあぐれっしぶが土着の旅情や叙情を強く打ち出してるからなあー。たまゆらは竹原祭りも描いてるし、ガチで地域振興しにいってる。
親や地域との関係性をカエル石の山内重保監督がどう描くかって言う興味はあった。
まあ、僕は母親が自殺しているので、あんまり親子の幸せとかドロドロの骨肉とか世代を繋ぐことの喜ばしさ、みたいなものを描かれるとそれはそれで気分が悪くなる。めんどくさい体質です。(幻影ヲ駆ケル太陽はすごい題材に興味があったけど親子関係がメインなのできつくて見れない)


しかし、僕は31歳独身でモテないおたくなので、こういう未熟な高校生、大学生の恋愛っていう概念自体がわからん。
繁殖は金持ちだけがやってくれ。
低所得者の恋愛やアイドルは画面の中だけでいい。画面の中やお芝居の題材として遠くから見る分には面白いです。登場人物の感情や行動を大きく動かすツールとしては、恋愛と言うゲームは面白いな。でも、現実ではまっぴらごめんだ。