玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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無敵鋼人ダイターン3第32話 あの旗を撃て! うーん

脚本:星山博之 絵コンテ:山崎和男 演出:小鹿英吉 作画監督:田島実

あらすじ
http://higecom.web.fc2.com/nichirin/story/story32.html


富野ファンだからこういうことは言いたくないけど、なんかここ数回のダイターン3はダレてないか?
まあ、コメディー的な動きや作画ギャグはある。だが、さすがに78年のアニメなので作画のアベレージが低く、作画ギャグなのか単に下手なだけなのかいまいち判別がつかない所がある。また、やっぱり子供向けアニメだしギャグの質もテレビマンガ的でさすがに30超えたおっさんが見て面白いかって言うとねー。
まあ、36年後に30超えたおっさんが新作の考察のために見るということは富野監督も想定してなかったとは思うが。


ところどころ面白い所はある。

メガボーグ界の帝王を目指すコマンダー・トーレスはオタクっぽい玩具マニアのオッサンで、自分では戦わないくせにソルジャー隊長・タップに波嵐万丈の打倒を命じて、タップが部下の奮闘とかコマンダーの命令に対する責任のなすりつけ合いで中間管理職っぽくドタバタするのは面白い。トーレスが部下の手柄を全部自分の手柄のようにコロスに報告するところとか、富野の小ズルい組織論が見える。


しかし、万丈の邸宅を見つけて旗を立てて長距離ミサイルで狙撃するってアイディアは良いが、自分で旗を持っていて万丈の周りをうろついていたらやっつけられる!って言ってた奴が「自分も死ぬじゃん」って気づくのが遅かったり、全体的にノータリンな印象。
あと、万丈の邸宅を見つけたのにコロス様に報告してないとかどうなんすかね。あと、万丈ん邸宅って滅茶苦茶堂々と建っているし、割と頻繁にダイターンを呼びつけたりしてる割に今までメガノイドにばれてないとか、どうなんですかね。
そういう細かい所から全体的に雑に作ってある印象を受けてしまう。
ていか、富野監督ってコメディーは雑に作ればいいとか適当にメタネタを入れておけばいいみたいな習性があるんじゃないのか?うーん。ちょっと承服しかねるところもあるね。メタネタとかロボットアニメのお約束を逆手に取ったネタがダイターン3のギャグとして多用されるんだけど、メタネタって元ネタを知らないと面白くないわけで、ちょっと楽屋落ちに近いというか、視聴者に甘えているというか、普遍性が無いというか・・・。まあ、70年代にロボットアニメが乱立して、視聴者のお子様たちもロボットアニメのパターンに慣れてるって言うリサーチがあったんでしょうか?




佐藤順一監督は富野の微妙な弟子筋だけどコメディーが上手い。
M3は・・・。
コメディーで笑わせるって言うのはきちんきちんとしたストーリーテリングとはまた違ったテクニックなんだなあ。


前番組
無敵超人ザンボット3
(1977.10.8 ‐ 1978.3.25)

無敵鋼人ダイターン3
(1978.6.3 ‐ 1979.3.31)

次番組
機動戦士ガンダム
(1979.4.7 ‐ 1980.1.26)
という放送リストで、どうもダイターンの終盤は間が無くスタートした機動戦士ガンダムの立ち上げのために作業が雑になってるんじゃないのかって感じです。
というか、割と富野アニメは次の作品の立ち上げのために前の作品の後半がグダグダになったり、劇場版が決まったからZガンダムガンダムZZがグダグダになったり、劇場版が売れなかったからF91のTVが消滅したり、という事例が多く…。
ザンボット3は予算は無いなりに助走期間と着陸期間があって、ストーリーがきれいにまとまって居たなあ…。
まあ、もちろん、ダイターン3のころに有ったロボットアニメの勧善懲悪路線の行き詰まりがガンダムを羽ばたかせるエネルギーになったって言うのは事実ですし。
ガンダム自体も不完全にラストを迎えたから今日まで続いているって言う面もあり、完成度だけが価値かと言うと、そうでもないというわけで痛し痒しなのです。