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玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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無料版ひとりぼっちの地球侵略1巻が明日まで 読んだ

【期間限定 無料お試し版】ひとりぼっちの地球侵略 【電子書籍のソク読み】豊富な無料試し読み
なぜか電子書籍ゲッサン連載中の小川麻衣子著:「ひとりぼっちの地球侵略」が5月12日から25日まで、1巻がまるまる無料で登録不要で読めるらしいので、読んだ。
面白かった。
ひとりぼっちの地球侵略(1)【期間限定 無料お試し版】 (ゲッサン少年サンデーコミックス)


thursdayman.hatenablog.com

1巻の細かい評論についてはこちらがくわしい。


ぼっち侵略については、id:thursdayman さんがオーソリティです。Twitterなどでもid:thursdaymanさんはぼっち侵略のファン活動をしてらっしゃいます。


なので、私が特にこれから批評を付け加えるのは蛇足だと思う。そう言うわけで、個人的な感想を書く。

  • 好感が持てた所

宇宙人の美少女の「大鳥希、青箱(せいしょう)高校2年6組。その正体は「港」の管理者で、この星を征服するために送り込まれた侵略宇宙人」が、平凡な(?)高校1年に入学した広瀬岬一と二人で地球を他の敵性宇宙人から守るために地球を征服しようとするのがあらすじなんだが。
私は21世紀初頭の富沢ひとしエイリアン9やミルククローゼットが好きなので。さいむ(thursdayman)さんは私よりも一回りくらい若い人なんだが、私が大学時代に富沢ひとし作品を好んだように、さいむさんはぼっち侵略を愛好しているんだろうなあ。あと、絵柄のライトな感じは高橋しん先生の最終兵器彼女っぽくもある。サブカル系萬画は12年くらいで一巡する。
最終兵器彼女(1) (ビッグコミックス)
エイリアン9?コンプリート? 電子版(1) (チャンピオンREDコミックス)

ぼっち侵略にも敵の宇宙人の生体兵器が出てくるんだが、ワールドトリガーのトリオン兵みたいなものだが。その2メートルくらいの宇宙怪獣のデザインが富沢ひとしの描く異形のエイリアンに似た筆致だし、美少女が血まみれになって敵の怪獣をボコボコに殴って殺すのも富沢ひとしっぽくて、ファンにはたまらないですね。
気持ち悪い怪獣の内臓を美少女がつかんで引きずり出すのは、楽しい!美少女も内臓を怪獣に刺されたり、美少女の内臓が少年の内臓に移植されたり、って言う微妙にグロい展開もあるけど、それをディフォルメされた幼い感じの絵柄でやるのがまた萌える。



また、SF設定や演出も、さいむさんが指摘するように細かく散りばめられている。SF要素だけでなく、学校や親族間や地域社会での少年たちの人間関係の立ち位置とか、地球に独りぼっちで派遣されているコミュ障の大鳥先輩が人間と触れて感情が振れたりする微妙な感情表現もじわっとした感じで、情感がある。
割とエキセントリックだし、ネタに走った部分もあるが、繊細な表現もある。なので実際何度も読んで楽しみたいし、金に余裕があれば購入もしたい。
あと、作品が面白いという部分もあるが、さいむさんのようなネットで多弁な人が非常にのめり込んでいる、というのはかなり興味深いので、なんでそんなに愛好しているのか知るために読んでみたいですね。

  • 心に残った所

大鳥先輩がいろいろ可愛いというのがある。変な事をするのも、戦うのも、長門有希のように人間的感情に戸惑ったり、笑ったり泣いたり、いろいろやっていてかわいい。
変な宇宙人の女だし、学校でも浮いていて、母星でも生まれた時から他の同族と関わらずに育てられて人間関係が下手くその奇矯な女だと描かれていて、変な女が好きなオタクとしては萌える。
また、そんな変な宇宙人の女に対する広瀬岬一少年は普通の少年。地方都市で喫茶店を営んでいるコーヒー職人の祖父に憧れて店を継ぎたいと思うなど、地縁血縁がしっかりしている。これはひとりぼっちの大鳥先輩と好対照だ。岬一には中学時代からの友人も何人かいるし。
ただ、広瀬岬一は両親が死んでいたり、10年前に宇宙船と出会っていたり、謎の病気で入院中の双子の兄がいたり、普通の少年のわりに微妙に普通じゃない設定が織り込まれている。ここが興味深いし、上手いことキャラクターの人間関係が作られている点だ。
色々と伏線がある。色々と伏線があるが、あまり明言していないので、人気が出なくて打ち切りになってもまとめられるし、人気が出たら長期連載のネタができる、という風に作ってある。上手い。


で、やっぱり一番心に残ったのは、54ページで大鳥先輩と岬一がワルツを踊るように宇宙怪獣と戦いながら、「二人で一緒にこの星を征服しましょう!」につなげるアクションシーンですね。
アクションシーンでありながら、ワルツを踊るように二人がクルクルと回って破片が光り輝くなど、ロマンチックな絵柄でもある。
158センチと小柄な岬一の手を引いて、164センチの大鳥先輩がリードしてダンスするって言うのがまた面白い。
で、踊りながら岬一が「分かった、仲間になる。」って宣言したら、大鳥先輩が岬一の手を放して、今度は宇宙怪獣と取っ組み合いをして、また踊るように、しかし激しく戦って相手を破壊する。
この、ダンスバトルのロマンチックから残虐ファイトへの転換がドラマチック。


セカイ系っぽく美少女戦士がロマンチックに少年と関わりながらバトルする…。というラノベの定番っぽい所でもある。僕の好きな山内監督のアニメにもなった夢喰いメリーっぽさもある。
しかし、女性作家でもあるし、小川先生は百合萬画も書いているので、「欠陥を抱えた美少女を守るカッコいい普通の高校生の俺!」というライトノベルのテンプレ主人公とはちょっと違って、少年の方が背が低いしリードされるところなど、ちょっとショタの臭いもある。
ショタなんだけど、少年から大人になろうとして進路のことを考えたり家族を守ろうと、主人公の男の子が背伸びをする所も愛らしいよね、という風に女性作家らしい目線もある。
で、世界の命運とか宇宙侵略もありながら、日常感覚も今後も丁寧に描いていくらしい。なので、富沢ひとし作品みたいに変な世界観で読者が突き放される、というよりは変な世界なんだけど感情移入要素もある、という点でエイリアン9とは似ているけどちょっと違うんだな。
エイリアン9はもっと突き放した感じだったからな。


なので、変な世界観やファンタジー要素もありつつ、学生の青春萬画としても読めるので、まあ、いい作品だと思います。
僕は学生時代に貧乏で学生時代にあんまり青春萬画を読まずに育ってしまったので、今頃萬画を読んでいて、ちょっとどうかなーって思いますね。こないだヘルマン・ヘッセ車輪の下を今頃読んだし。若い人は若いころに萬画や世界名作などを読むといいですね。