玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

ガンダム G のレコンギスタキャラクターデザインワークスが始まった

Gレコの初めての資料集が出たので買いました。
吉田健一さんとコマヤシゲトさんの対談がなかなかのボリューム。対談では、ガンダム Gのレコンギスタの企画変遷や意図やら絵かきとしての気持ちとか今のアニメ世界への意見が語られて、なかなか興味深い。

ガンダム Gのレコンギスタ キャラクターデザインワークス

ガンダム Gのレコンギスタ キャラクターデザインワークス

また、企画が七年にも渡って変遷したので、様々な初期稿が多く収録されていました。
Gレコは登場人物がかなり多いアニメですが、その膨大な各キャラクター一人ひとりに吉田健一さん、コマヤシゲトさん、西村キヌ先生のコメントがついていてファンにはマストアイテム。かなり珍しい富野監督直筆の「トミノラフ初期設定画」も半分以上のキャラクターについて載っていて富野ファンには見逃せないアイテムだ。富野おじいさんの絵のアイディアから準備稿を経てアニメ設定に至る流れや人の手間ヒマが感じられてオーガニック的だ。実際富野ラフから吉田、倉島画稿に代わると、全然絵柄が違うしブラッシュアップされてるのだが、何となくキャラクターの雰囲気は継承されてて、その何となくの部分がプロアニメーターの技量で、すごいなあと。
ただ、ページ数を112ページにおさめるためにちょっと決定稿のサイズは小さい。決定稿はBDのブックレットで見れるから、今回は決定稿設定よりは没案や初期構想を優先的に掲載したのだろうか。と、いうことは設定資料集はまた別に出る可能性がある?キャラクターの詳細な紹介文章よりは画稿の図版サイズを大きくしてほしかった気はする。
でも、こんなにモブキャラに至るまでのラフや設定を緻密に網羅しつつページ数やお値段を抑えるのは、編集作業的にも大変だったと思う。クレッセントシップのマラソンの時の一人ひとりの走り方の指定とか細かい芝居レベルの指示も記録されてて興味深い。


また、初期設定の変遷は「フラワー革命」のアイディアから「フラワー学園もの」を経て「キャピタル・タワー」の完成品にシナリオや世界観が変わっている。かなり異常な企画だと思うし、吉田健一さん、コマヤシゲトさんも富野監督に振り回されたということは言っている。コマヤシゲトさんは途中でHEROMANやベイマックスなど世界的ヒット作をデザインしながらのGレコ作業だったのですごい。
ただ、この本は画稿が中心なので、企画変遷がなんでそんなふうに意思決定されたのか、それぞれの意味が何なのか、それはイマイチわかりにくい。というか、富野ラフ画やキャラクターごとの監督の発注指定コメントはあるが、富野監督が何故、何を意図して発注したのか、という体系だった説明がなされてないので、イマイチなんで二転三転したのかわかりにくい。
なので、Gレコの本はこの一冊に留まらず、今度は富野監督の注釈などをメインにした記録全集的なものを出して欲しい。決定稿やメカ設定資料集も出て欲しいし。
しかし、まあ、終わった作品の七年とか前の初期企画の構想意図について語るのは監督としては意味が少なくて、やりたくないと思われるかもしれない。スタッフの入れ代わりとかで表に出せない事情もあるかもだし。どうなんでしょう。他のオリジナルアニメ企画もこんなに変わるものなのかな?まー、七年はやり過ぎだと思いますが。
スタッフ、キャストインタビューはBDのブックレットやダムエーのパーフェクトパックブックでやってるしなあー。
でも、ファンなので設定資料集とか談話集が出たら買います。
Gレコのグッズが充実してスタッフさんにお金が回って幸せになってより良いアニメを作ってくれたら、富野監督ごとみんなが幸せになれるんだろ?!