玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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幾原邦彦監督美少女戦士セーラームーンR(1993)より同年代の機動戦士Vガンダムだろ


あいかわらず、仕事の合間にブログを書くと全く推敲しないので文法は無茶苦茶だし、ツイッターのつぎはぎだが。



お話としては、ザンボット3とまどかマギカと映画 ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?と、アキハバラ電脳組2011年の夏休みと、輪るピングドラム最終回を混ぜたような感じでした。
まあ、宇宙とかどっかからめんどくさい奴が現れて、少女が振り回されて、戦士が宇宙とかに行って、めんどくさい奴を退散させる話。

美少女戦士セーラームーンR [DVD]

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荒削りだけど、まあまあ前半はエンターテインメントムービーとして面白かったです。
あと、前半の必殺技の応酬は、サービスムービーとして、良かったです。懐かしかったです。テレビ版は見てました。作画もよかったし。
あと、30を過ぎてから中学生のセーラームーンを見ると、ブルセラ的快楽を得られるという事を知りました。当時は純真な小学生だったのになー。当時からセーラーヴィーナス派でした!おれは自信のある有能な美女が好きなのだ。
亜美ちゃんはやはりナウシカに勝った貫禄がある。 たれ目で内気なのにショートヘアとか最高。
ギャルっぽい火野レイちゃんが黒髪ロング巫女なのがあざとくてかわいい 。
ジュピターは強いから肉弾戦をするじゃないですか!そしたら敵に腹パンされるじゃないですか!普段は強いのにポンポンペインでグッタリする女の子はエロかわいいじゃないですか!
火野レイちゃんは「高めの女になろうとしてる子」で、愛野美奈子ちゃんは「自分が高めの女だと知ってる子」。だからビーナス派。うさぎは「高くもないのにたまたま周りとの関係がうまくいってるリア充」だから憎い


終盤のプリンセスセレニティの母性が偉そうな所は、嫌いでした。僕は個人的に母と言う存在にコンプレックスを抱いている伊佐未勇やジョナサン・グレーンやカナン・ギモスのような孤児的メンタリティを持っていますので。
美少女戦士セーラームーンR劇場版を見たら死にたくなって乖離性感覚障害で気分が悪くなりました。やっぱり根暗は死ぬべきですね。しかしセーラー戦士はかわいいけど、強引に母性を押しつけるうさぎだけは好きになれません。碇ユイ鹿目まどかも好きになれません
母親が全てを救う、とか、まあ、女児向けの安心感を醸し出そうという意図は感じられたけど、結果的にウソ臭くなって、本当にフィオレが救われなくてかわいそうでした。
一応、命がけのセーラームーンの愛のパワーを見せつけられて納得して、世界を滅ぼすのを辞めて、自分の命をセーラームーンに献上して死んだ。という事ですが。ちょっと粗かったかなあ。それにフィオレを無理やり悪役にするために「セーラームーンの愛は素晴らしい!」「フィオレは弱い心のもちぬし!」って言われてて、不憫だった。そういう人はいちゃいけないの?
輪るピングドラムでもそうだけど、なんか幾原監督ってエンターティナーでもあるしチヤホヤされたがりだけど、ルサンチマンを持ってるよね。んで、「リア充になりたいけどなれないし、それでもリア充に尽くすためには、もう、俺が死ねばいいんだろ?」みたいな所があるよね。結局高倉兄弟は死ぬし。
はいはい、俺が死ねばみんな丸く収まるんでしょう?
みたいな。そう考えると漂流教室の「西さん!僕、ちゃんと死ぬよ!」は最高だな。やはり愚者は死んでこそ価値がある。昔の漂流教室で「愚民は死ぬ」「勉強しないと人類滅ぶ」って漫画に描いてあるのに人類が進歩してないし、やはり死ぬ。

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でも、そういう風なメンヘラの見えない犠牲によって成り立ってる幸せな世界ってやっぱり嘘くさいんだよなー。
っていうか、やっぱり幾原監督って本当のこととか永遠とかを追求する割に、どこかでそれを信じてないっぽい気がするんだよなー。なんか「ファンの受けを取るために、自分の信念じゃないけどやりますよ」みたいな感じがする。


(追記:幾原さんが信念で作ったらシェル・ブリットみたいな色気のない話になりそう。いや、ウテナ見てないんだけど)


セーラームーンが「私は死なない」とか「誰も一人にしない」って言っても、どっか空々しく感じる。だって、アニメキャラなんか最初から生きてないじゃん。そんな生きてない絵が命をかけようが、死のうが生き返ろうが、そんなのどうとでもなるじゃん。
だったら、ちゃんと殺したり精神を崩壊させた方が、アニメキャラに対して真摯だし、そっちの方が生活感があると思います。
って、富野信者としては思います。


まあ、セーラームーンRは幼女向けアニメだから、幼女を喜ばせるために単純な勧善懲悪にしなくちゃ、って言う枠組みは分かるし、めんどくさいメンヘラのグリリバのフィオレはやっぱりセーラー戦士たちの明るい生活の中にいてはいけないので消滅せざるを得ないんですけど。
でも、28歳の幾原邦彦のめんどくさい所がフィオレのめんどくささに反映されてて、そのめんどくささが上手く解消されてなかったなーって気がする。浮いてた。
むしろ、ハートキャッチプリキュア! 花の都でファッションショー…ですか!?のサラマンダー伯爵の「めんどくさい奴だけど、良い所もあるから静かに暮らしても良いんじゃないだろうか」っていう展開の方が20代後半にして幼女たちと一緒に劇場に足を運んだ紳士としては評価できるし、松本理恵監督は伸びるね。


あと、やっぱり1993年と言えば機動戦士Vガンダムだよね。
庵野秀明監督も「セーラームーンも面白かったけど、やっぱり当時本当に良かったのはVガンダムとおにいさまへ・・・くらいだもん」って言ってたし。
あと、オウム真理教のテロの前で、オウム真理教がまだサブカルチャーとしてテレビのネタとして活動していた頃。その後の95年の事件を思うに、バブル経済を引きずった女子大生(セラムンはトレンディドラマの影響もある)とか美少女が、明るい態度で、フィオレみたいな愛に飢えた暗い人を排除したからセーラームーンR劇場版の翌年にオウムはテロを起こしたわけで。やはりセーラームーンよりVガンダムの方が暗い人間を人間扱いしてるから許せる。セーラームーンはやっぱりバブルの臭いがするし、エヴァンゲリオンは不況だけどまだ貯金があった。しかしVガンダムはバブルの最中に経営権をサンライズからバンダイに売られて大混乱して子供向け路線を強制されたのにいるのに、内容はセルビア紛争の少年兵と宗教的民族対立がモデル。ストイック!
オウム真理教について、富野由悠季は「母性に取り込まれて育ち切れなかった、子供たちが現実世界とのギャップに苦しんで、起こした事件」みたいな事を言ってる。

ターンエーの癒し

ターンエーの癒し

そう考えると、母性を手に入れられず、母に捨てられ、父を捨てたカテジナ・ルースがVガンダム最終回で主人公に「甘ちゃん坊やはこの船が沈めばこの船もろともみんなが幸せになるんだろ?」(あたしが死ねばみんな丸く収まるんだろう?)と叫びながら人を殺しまくって、結局は殺したシュラク隊の亡霊に呪われる(シュラク隊はセーラー戦士を意識している女性兵士たちです)と言うのは、示唆的。

エクセレントモデル RAHDXG.A.NEO カテジナ・ルース

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シャクティは母性のディストピアでもあるんだが、同時に「馬鹿な小学生でキチガイで根暗の妹みたいなお隣りさん」だから母性嫌いの僕でもギリギリ許せる。
でも、シャクティ月野うさぎみたいに「誰も一人にしない!」とか「私は死なない」とかアニメったらしい空々しい事を言わないので、キチガイでもキチンと現実的判断ができる。なにしろ、愛に飢えて人を殺すカテジナやファラ・グリフォンに向かって「生きる事は厳しい事だと知って下さい」とか言うもん。超上から目線。でも、耳触りの良いその場限りの優しい言葉より、泥臭い農婦のシャクティの言葉には重みがある。
シャクティは自分がカテジナを捨てた事を最後に自覚して泣く程度の良心は持ってるしね。


その点、月野うさぎはダメだ。
月野うさぎは「好きな人には優しいけど、一般大衆は眼中にないし、好きな衛との家族関係に入るグリリバは排除」って行動パターンが「母親らしさ」で、非常に不愉快ですね! 女のそういう無自覚な縄張り意識は大っきらいだ。女って、そういう意地悪をするよね。
「私は誰にでも優しい」って思ってるけど、地場衛という夫との関係を脅かしそうな外部の人には「近づかないで。彼は私の物だから」って言って排除するじゃん。
酷いじゃん。
しかも、フィオレを最後に改心させるのも、結局うさぎの掌の中の因果応報とか、他人の男を舐めてるのか。
母親ってやつは、自分のステータスになる夫と、自分の友人にしか興味がないのか。まったく、女と言う者は御しがたいな!


そういう家族意識が、民族意識になって、昨今のナショナリズム的戦争を引き起こすんだ。

ギリシャ人が「景気が悪いのは移民のせいだ!国境に地雷だ!」とか言ったりアフガンや在日朝鮮人特権を許さない人を見たら、他人を殺すより自殺した方がコスパいいので、不可解。黙って死ね
不況の時に自殺をさせないで武器を売る奴は死の商人だし、資源が無駄だから、良心的徴兵拒否として死にたい。自殺する発想が出来ない愚民にはラフレシア計画だ。自分の半径5メートル以内のナワバリ家族を守るために無自覚に他人を排斥する月野うさぎや反震災瓦礫ママは嫌いだ。石器時代の洞窟の中での処世術から、人間はちっとも進歩していない。そんな愚民が数十億にも膨れ上がって、不良債権放射性廃棄物を量産している!機械による無作為の粛清を受けるべき。


90年代の魔法少女物だと、やっぱり母親性については、ヤダモンの方が好きだ。
ヤダモンの母はオスカルとマリー・アントワネットを混ぜたような優秀な戦士で、義理を果たす統治者だ。そして、ヤダモンは妹だから我がままでもいいのだ。
セーラームーンはわがままな母親なので、個人的なPTSDを思い出して怖い。自分の縄張りで手下を支配するわがままで高圧的な女は怖い。(そういう理由で、ちはやふるは出来は良いけど怖くて見れない)


まー、セーラームーンRメモリアルアルバムを読んだら、28歳の幾原邦彦さんが若いのに作家性と、東映マンガ祭りとしての娯楽性との間で悩んでたっぽいし、当時の彼もまだ人間的に成熟してない感じ。(こないだピングウェーブで見たけど、まあ、なんか、未だにふざけ続けていた。おもしろかったけどさ)
なので、富野ほどの上手い構成や思想は無理なのかなー。


あ、女の体がたくさんとか、花がたくさんとか、美少女がたくさんビームとか、そういう圧倒的美術の過剰さは面白かったので評価したい。


しかし、メモリアルアルバムはなかよし増刊号で子供向けで感じに全部ふり仮名があるのに、作画パートの解説とか、すっごく・・・オタク向けです・・・。



そして、母性に対する親なし子の闘争はエヴァンゲリオンを経て、ブレンパワードで結実する。
オルファンと言う孤児であり、人の弱みに付け込む母性でもある巨大生物との対話を行う、善男善女は新しい家族を作る。っていう。
やっぱり90年代はブレンパワードだよ。


そうそう、こないだの無敵超人ザンボット3のエントリに対してたくさん賛否両論が寄せられて、構ってちゃんとしては嬉しかった。その中に、こんなお便りが。

id:aitanisan アニメ
そういう意味で言えば富野アニメは良くも悪くも“ずれてる”なあと。そりゃ『まどマギ』みたいなカウンターも必要かもしれないが、正直「何が悲しゅうて重いアニメを見なきゃならんの?」と思うのは俺だけですかね?
無敵超人ザンボット3「1〜3話」まどマギを35年前に超越 - 玖足手帖-アニメ&創作-

何が悲しいって生きてる事そのものが、メンヘラにとっては悲しい事なんです。
毎日新聞を読んで誰かが社会によって殺されていて、でも、彼らを殺した事で食いぶちを盗む自分の人生が悲しい。周りの人とまともに会話ができないのが悲しい。そもそも不況で悲しい。将来に希望が持てない。誰も僕を必要としていないし、僕もあまり人を必要としていない。いや、寄生はしているけど、それは誰でも良い。
生きる事は厳しい事なんです。
だから、楽しいだけのアニメを見たら「これは嘘だ!」って思って気分が悪くなる、そういう性質の心の歪んだ人間もいるんですよ。
魔法少女を愛と個人的趣味で救った鹿目まどかより、それでも世界を呪い続ける魔獣の方が好きなんです。
そもそも美少女程度の気まぐれで救われる事の方が恐ろしい!気まぐれで捨てられるかもしれないじゃないか!


だから、「人生は重い」という事をキチンと描いているアニメが好きなんですなー。
もちろん、露悪的なだけの鬱アニメ、鬱にするためだけの鬱アニメもご都合主義的なので、重い人生に立ち向かう人間の活力を見て、自分の心も奮い立たせたい、と言う欲求もあります。


そういうわけで、明るいアニメだけが栄養じゃないんですよ。

アニメを心のサプリにするという表現は非常にわかりやすい。

でも、それって山本Pの言うような

けいおん」や「ワーキング」みたいな

「嫌なことは一切おきません!」ってアニメだけとは限らないと思うよ。


俺にとっては、主人公に嫌なことが起きまくる

「おにいさまへ」も「心のサプリ」だし、

グダさんにとっては、ブレンパワードだって心のサプリだろうと。

あるいはkarimiさんの「ブギーポップ」とか


ただ、人それぞれ必要としている「栄養素」は違うわけで、

何を求める人に何を提供するか、そこが重要なんだよ思うんですよ。

http://d.hatena.ne.jp/mattune/20120226/1330220346

言い得て妙だよね。


何って言うか、安い言い方だけど、苦労してる人を見ると俺だけじゃないんだって思えるし、ジョナサンみたいに親への愛憎を爆発させてもイケメンで居られるんだ、って思えるし、親がカスでも比瑪みたいな他人の女と仲良くなれて嬉しかったり、ブレンパワードが良いんですよ。
東日本大震災の時は「津波が起きてるのに、俺は天国みたいな所でうだうだしてるんだ!」って自分を責めまくる伊佐未勇を見て「そういう気持ちを抱いても良いんだよな」って思ったし。
重いアニメが必要で、軽いアニメや人気者の言う愛の言葉が全部ウソに見えて怖いっていう人もいるんです。

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