玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

#君のいる町 第4話 「あいさつ」やっぱりちゃんと計算されてる角度とか

以下本文。
なんか勢いで原作のアニメ化されそうな巻を買ってしまった…。


今期映像の原則演出アニメ枠。私は大学生の頃におジャ魔女どれみにハマっていたニチアサ勢であり、富野アニメ信者でありブレンパワード18話のゲスト演出である山内重保監督のファンでもある。具体的に自覚的ファン活動はキャシャーンSinsから。そういうわけで君のいる町夢喰いメリーも山内監督応援モードでブログを書きます。


脚本 國澤真理子
演出絵コンテ 御神崎海
作画監督 大田和寛
山内重保監督は絵コンテは2話までか。


前回はすごく斜めっていた。
君のいる町第3話 「突然、バタンチュー」ちゃんと演出されてる角度とか - 玖足手帖-アニメ&創作-
前回はすごい角度が問題だった。

あとパンツ


今回は、全然斜めってなくて、スタンダードなカメラワークが多かった。

では、インパクトを犠牲にしてまで、シンプルな横位置・縦位置を基本とするのはなぜか。

一つにはそれはレイアウトによる繊細な表現が伝わりやすいからです。



そして二つ目には、ここぞの時に「インパクトのある構図」を際立たせることが出来る点だ。


その後にくるこのカットが映える。

もし、こういう俯瞰・アオリ・ナナメ・逆さ等の構図を多用していたら、

ここぞの時に映えなくなってしまう。
たまこまーけっと3話に見る、小川太一コンテ演出の星川孝文っぽさ - まっつねのアニメとか作画とか

で、ここぞというラストシーンにガンガン斜めの絵を入れて畳みかけてきて、すごい演出アニメだなーって思った。


エルヴィン団長小野大輔Dの演じる風間 恭輔の入院してる病室で主人公の桐島 青大(きりしま はると声 - 細谷佳正(ライナー・ブラウン「結婚したい」)と、明日香CVあやねる(貧乳・当て馬ヒロイン(蕪羅亭魔梨威)「夢もキボーもない」)の3人が会話してる時は割と普通の角度。


その部屋に、中学時代に知り合った風間と東京で恋愛しつつ、小学校と高校の時に広島で青大と恋愛をしていて三角関係をずるずると続けている中島愛演じるメインヒロイン(絶対にかわいい・原作では大学生になってラブラブ同棲している・勝ち組)の枝葉 柚希(EVAユズ機)が入ってきて、青大がエヴァの不貞に気づいてエヴァがばれたことに動揺したらすごい画面が斜めになるので、面白かったです。





ゆれるゆれる


原作でもちょっとコマ割が斜めってたけど、アニメは週刊連載よりも時間がかかってるから演出が丁寧になってるなあ。


ほんで、



斜めカメラワークで間を挟んだり、主人公二人の関係をあんまり知らない小野Dと佐倉綾音を映すときは斜めってなくて、って言うのを入れて、
風間と桐島の二人の男を見る女の斜め目線を入れてから、




原作とは映像の原則とページめくりの関係から逆ポジションになってるけど、ほぼ原作の決めコマと同じレイアウトの真横ですよー。

描き込み式マンガデッサン練習帳コマ割り基本テク

描き込み式マンガデッサン練習帳コマ割り基本テク

斜めでカメラを揺らしたり間を作ったりすることで、原作通りの止め絵がさらに情感深いものになるんですねー。いやー。こういうのを見ると、アニメらしいアニメだなーって思いますねー。


しかも、青大が枝葉とすれ違って病室を出ていくところは割と原作ではあっさりしてるんだけども、
アニメでは


真正面かと思ったらちょっとカメラが上下に角度になってて、しかもレンズがちょっと魚眼気味なんですよ!
この魚眼の微妙な魚眼っぽさが、ぬわんてインチキ!
たまらん!
原作付アニメ化作品なんすけど、やっぱりこういう所で「アニメーション化」の「化」を感じますね。色がついて動いて声がついて、っていう「アニメーション」の部分も大事なんだけども。演出ですよー。


あと、原作漫画ではセリフで流されてる部分の枝葉が来る前の会話シーンなんだけども。
ふざけて言い合いになって、ほそやんが小野Dに軽く関節技をキメられることで病室のベッドに寝てる小野Dとほそやんと立ってるあやねるの顔の上下関係が変わる、っていう小芝居が入ってて、アニメならではですよ。


富野アニメ信者としてはこういう小芝居大好き!寄生獣の後藤が戦いの工夫を喜ぶみたいに嬉しいです。

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)


落ちるアクシズ、右から見るか?左から見るか?<『逆襲のシャア』にみる『映像の原則』>


この回想の青大と月の絵は

原作通りのレイアウトなんですけど。


青大が恭輔に関節技を決められてしゃがむ、ということで、目線の芝居の意味合いが面白くなってる。
左上からの小野Dの目線に押されて

うつむいたほそやんが回想するんだけど、

回想の中の(加賀 月(かが あかり) 声 - 高野菜々)の目線が

右下から来ていて、主人公は現在の男親友と過去の女親友の間で上下左右から板挟みになる―っていうのが演出されているわけで、それがすごいいいよね。うん。いい。


そういう葛藤があるからこそ、

原作通りのレイアウトで「やっぱりワシ、エヴァとよりを戻したい」と青大がキメ顔でそう言ったカットの説得力がさらにアップするわけで、アニメ版はかなり演出面で味付けを加えてきてまして。いいです。うん。いい。


あと、映像の原則勢としては、
青大が遠距離恋愛で振られたことについて同情的なことを言って優しい子アピールしてる時の御島明日香(東京高校編限定ヒロイン・二番手ヒロインは藍色髪・ちょっと前だとたぶん川澄綾子がやってたような報われない子)の目線が上手からで

そのちょっと後に青大が「やっぱりヨリを戻したい」と言ったことについて


「なにそれキモい」って元カノを引きずっているストーカーに対して言う時は目線が下手からになってるのが注目ポイントですねー。
原作とは逆ポジションですねー。
原作では同紙面の隣コマで青大の顔から顔を左にそむけるような印象なんですけど、アニメは一枚絵の萬画とは違って、違うカットは違う時間軸でモニターに映るので、それを考慮して原作から鏡逆の絵になってるんですよね。
こういう細かいところに気配りができるかどうかで原作付きアニメの味わいが変わってきて、本当に大事だと思う。


  • 余談

今回の記事は見てすぐに2週間前に書いたんですけど、画像キャプチャしてたりガッチャマンクラウズ感想を長く書いたり、同人誌小説を出版したりプライベートで嫌な出来事が続いたりして体調がすごく悪化したので、載せてなかった。うーん。
やっぱり、鬱病で自殺遺族で無職だとブログを書く気力すらなくなってきますね・・・。一日15時間くらい寝てるし昼夜逆転しましたし、4時間テレビやモニターを見るだけですぐに熱が出て倒れます。辛いです。アニメを見るだけで息も絶え絶えなのでブログできなかったです。
っていうか、画像キャプチャブログとか、アニメ本編から絵コンテを逆算するような見方は端的に言って疲れるので、あんまりやらない方が健康にいいですね!
仕事や健康を大事にしてる人がブログ離れしていくのは仕方ないっすよ。
私はほら、ニートだし、親は僕がキモヲタすぎて借金に苦しんで自殺したし、もうどうでもいいんですよ。世捨て人なので。アニメを見て好き勝手ブログに書いて、好き勝手小説を書いて、ナボコフのロリータとか読んで、適当なところで死にます。
じゃあの。