玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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アイドルマスターのアニメ第11話「期待、不安、そして予兆」←これももちろん映像の原則

脚本:郄橋龍也 絵コンテ:高雄統子 演出:原田孝宏 作画監督:川上哲也


改訂版を購入してから、前の物と並行しながら第6章まで読んだ富野由悠季監督の映像の原則ですが。

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

映像の原則 改訂版 (キネマ旬報ムック)

富野由悠季監督とTHE IDOLM@STERとの関係は、アイドルマスターゼノグラシアサンライズとの取引という間接的なものですが。
アニマスももちろん、映像の原則に沿っているのが面白いです。


落ちるアクシズ、右から見るか?左から見るか?<『逆襲のシャア』にみる『映像の原則』>

13人の美少女アイドルが登場するアニメです。そして、1話1人のペースで機械的にスポットを当てて描写するだけではなく、1話の中でもほとんど10人以上のアイドルが関係性を見せます。
その関係性が面白い。
だから、誰か一人が主役に見えないように、均等に印象付けられるように、各キャラクターの配置が計算されてる。カット割りやカメラワークやカット内での移動や、シーン別での全体的な移動などで、パワーバランスや感情の状態や、感情の加速度が時間で変化するように調整されてる。
アムロとシャアのような、敵と味方のパワーバランスの押し合いが劇として重要なガンダムとは違い、765プロの仲間のパワーバランスが均等になるように、上手側と下手側のキャラクターの立ち位置を上手く交換したり、カメラ位置を上下させたり横パンしたりして調整するのがアイドルマスターのアニメ。竜宮小町だけは他のアイドルよりも優位に立っているように、脅威に見えるように、レイアウトされてる。
こういう風に位置を入れ替えて演出するのは、THE IDOLM@STERのゲームのダンスステージの中でのポジション入れ替えにも似たダイナミズムである。


そう言う風にして美少女アニメを見るのも、一興かと。
画像キャプチャーで解説するのはしんどいので、ブログではやらない!ピングドラム10話の記事で懲りた。これは疲れる・・・。


今回わかりやすかったのは、
「雪歩と貴音の対話(俯瞰で雪歩が映って上手側で下手側の貴音に圧迫される)
→努力(中央ポジションの止め絵)
→雪歩のダンス成功(ここで、他のアイドルとの目線の絡み方など)」
の流れでの、雪歩の画面内の映り方ですね。
他にも、「春香の仕事とテストと仲間との関係の両立」とか。
映像の原則は非言語的だけど、まあ、雪歩ややよいや春香さんが色々と努力したんだなーという事が分かる。というか、春香さんが基本的にセンターポジションで、良い子だなーって思ったりとか。


ラストシーンで印象深いのは
「下手側の美希が
上手側で強い律子に竜宮小町の件について話して、
失望して律子とすれ違って
上手側に去っていく
→プロデューサーに来た美希からのメールが上手から下手に読ませる構図
→美希が次回、プロデューサーに立ちはだかるトラブルを起こしそうな予感」
というシークエンス。
映像の原則はアイマスにも応用ができて、やっぱり良いアニメで女の子の魅力を伝えようとしてるスタッフさんは色々と構図やカットの繋ぎに気を使ってるんだなー、と感心します。
映像の原則は改訂版がきっかけで、通して読むのは3年ぶりくらいだけど、やっぱり座右に置いて、アニメを見る時は参照するようにしよう。富野は役に立つなあ。
モンタージュ理論とかも読んだ方が良いのだろうか。まあ、僕は映像作家じゃなくて、単にアニメが好きなだけだが。



あと、ストーリー的な事を言うと、
天才で明るい美希が千早よりも先にテンションを下げて事務所をさぼるなんて!どうなる!次回!
テンション下がってボイコットとか、アイマスのゲームで一番地獄を見る展開だな・・・。リアルなアイマス感だ。


でも、ゲームだと基本的に軸になるのはオーディションでの勝負なんだが。アニメはコミュニケーションパートの描写が多いなあ。あんまりオーディションの当落は出てこないなあ。
今回は珍しく、レッスンの話だったけど。レッスンもゲームの重要要素ですね。
しかし、ダンスのプランニングは努力で押し切らなくても、全体の調子を見て調整するとか、その場で変更しても良いんじゃないか?とも思った。
というか、このプロデューサーはやっぱりやってる事はマネージャーだよな。ダンスの振り付け師との折衝とか、プロデューサー業はあんまりしてなかったような・・・。
まあ、そこら辺の営業が中心になったら、アイドルよりもプロデューサーが人事をする事の方がメインになっちゃって、ビジネスの話のアニメになっちゃう。それは困るから、まあ、これで良いです。
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