玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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君のいる町8話

体調最悪だから、気合いを入れて体力削って感想を書きたくなる作品を見るのを避けてた。でも見た。予想外のすごさ。


まさか、原作つきラブコメ一クールアニメの8話で第二部大学編を始めるとは!
全く予想外の構成!
今週のコンテも山内重保監督ではない。今作の山内監督は各話コンテ演出より、全体の構成のディレクションで監督としての手腕を発揮してる!
原作ラブコメのダレ場や繋ぎエピソードや読者の人気を稼ぐためのお色気事件や週間リアルタイム連載ならではの考え足らずの展開を、原作が出揃った現在から振り返って後出しジャンケン的な利点を活かして再構成してる。
かと言って好き勝手にオリジナルにやってるんではなく、原作の台詞や行動をサンプリングして、別のシチュエーションの中でも自然に馴染むように入れている。
原作をジャズアレンジしたような匠の技を感じる。


第一部は主人公と明日香の親友で、主人公と枝葉柚希を取り合ったイケメン風間の死亡で終り。
今、主人公の青大はソフトボール少女明日香と交際しつつ同じ大学に通ってる。
そこに枝葉姉妹がちょっかいを出してきて、というのが第二部の導入。
初音ミクの声で急にドスの効いた声色で挑発してくる枝葉凛が不穏。凛は柚希の義理の妹で意地が悪い。
凛と青大の会話シーンで、二人の腰がクローズアップされるセクシャルなカット割が山内的アップの特徴感。
凛は義理の姉の柚希に複雑な意地悪を持っていて悪魔的に人間関係を弄ぶ。



不安で誘惑的なシーンは紫の照明。
明日香とのシーンは緑。
山内照明らしさ。
これはアニメというより舞台演劇に近い照明使いかも。
合コンのシーンは柚希と青大の距離感の疎外感と居酒屋のタバコっぽさから白く靄ってる。
彼氏がなくてフワフワと捕え所のない印象の第二部の柚希。
これからどうなるか?
まあ、原作だと明日香はアレで柚希なんだが。

  • 背景

大学生のラブストーリーらしくトレンディードラマに有りがちなLOVEのオブジェや仮面ライダーでもおなじみの噴水公園などロケハンしてて、学校中心の高校生のラブストーリーからオトナの恋愛ドラマに以降した変化感覚を匂わせている。
ロケハンについては「おはぎ」さんの「失われた何か」ってブログに詳しい。
原作もロケハンが丁寧な背景作画だが。

  • 声優

今は明日香と付き合っていて、明日香役の佐倉綾音さんが元気そう。佐倉あやねるさんは夢喰いメリーで主役デビューしたから、山内監督お気に入りかもしれない。声の質も山内監督お気に入りの宮原永海さんに似てる気がする。
小野大輔さんの演じる風間は死んだが後期エンディングは小野さん固定みたいだから追悼モード?
メインヒロインが中島愛さんで、前回出た風間の幼なじみの清美が遠藤綾さんだったのは実にマクロスFだった。
原作では清美は青大の幼なじみと学生デキ婚して出産したが、それはアニメではやらなさそうだから、遠藤さんは一回だけのゲストかなあ?

  • 今後

しかし、今までも原作九巻の高校三年生を本筋にしつつ、そこから回想シーンで一巻の高校一年生やその前の小学生編を描いていたから複雑だったが、今回一気に時間が進んでマジハンパない。
ダラダラ続いてる原作の高校時代のエピソードをぶっ飛ばして一気に大学編に突入したことで、本当に先が読めなくなった。
オチがわかってる原作付きアニメなのに、展開がハラハラドキドキです。
ストーリーはそのままでもどのように取捨選択して演出するかで雰囲気は全然変わるからなあ。
単なる学生ラブストーリーなのに、すごくスリリングだ。