玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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女性から見た #仮面ライダークウガ 第5,6話 感想

 今回の土曜日でも仮面ライダークウガのYouTube配信をやってるので見てます。 
 仮面ライダークウガの深い話はみんなしてると思うけど、やっぱりさあ…。仮面ライダークウガの一番いいところは「仮面ライダークウガがかっこいい」というところです。たしかにリアルなドラマとして仮面ライダークウガは評価されているんですが。クウガはかっこいい…。

  • トライチェイサー2000がカッコいい

 当時浪人生でしたが、警視庁の秘密の特別高性能試作バイクをタダでもらえるとか、嬉しすぎるだろ!元の車体のパンペーラ欲しかったなあ。
 しかも普段は地味な色だけど、仮面ライダークウガに変身するとバイクの色も赤と白と金の派手なカラーリングに変わってクウガのパーソナルマークが出るとか、ヤンキー心も燃える。
 男の子の夢だねえ…。
 もちろん格好つけているだけではなく、神出鬼没の怪人に対してバイクで急行するぞ!という必要性もある。それはそれで「仮面ライダー」のライダーとしての良さなんだが。300キロ出るし実際すごい速い。


 警視庁の警備部部長からトライチェイサーを横流しした件で一条さんが詰められるけど、一条さんが五代雄介のことを報告しないっていうのも、脱法行為なんだけど、警察組織に五代雄介を巻き込みたくないという一条さんのお気持ちがあって、こういう微妙なバランスが染みる…。そして「クウガが生物兵器になるかも」という検査結果を知った上で「何か有れば自分が未確認生命体4号(クウガ)を処理する」っていう関係もサムライっぽくていい。
 一条さんが試作バイクを未確認生命体第四号に横流しするのは普通に犯罪行為なんだけど、そんなことをしても捜査本部に残したいと上司に言われる一条さん。優秀すぎるというか、信頼が篤い。実績がすごいんだろうな。



  • ズ・バズー・バがかっこいい

 未確認生命体第6号のバッタ種怪人ズ・バズー・バ。記念すべきゲゲルのファーストプレイヤー。そして、初代仮面ライダーをモチーフにしたようなマフラーがオシャレなバッタ怪人。
 得意技はジャンプ力。
 口癖は「サブショグザ」(楽勝だ。)


 得意のジャンプ力で人間を高いところから突き落とすという残忍な犯行の殺人ゲームを行うし、めっちゃ悪いやつなんだが。


 仮面ライダークウガと戦っている時に、クウガが無意識に青い体に変身したら「そうだ、青のほうがいい」と言ったり、自分のところまでジャンプするように誘ったり、蘇って代替わりしたばかりのクウガ(五代雄介)に対して古代の戦いの記憶や戦い方を教えているような面もある。ある意味、戦いの師匠のような。
 それに、グロンギ怪人は殺人ゲームのタイムリミットが来たら自爆するというバトル・ロワイアルみたいな縛りがあるので、自分の生存と成功だけを考えたらクウガと戦っているより殺人スコアを伸ばす方に集中すべきなのだが。クウガと戦うことが本当に楽しいという感じで、クウガが実力を出せない感じだと見逃したりする。まあ、その結果として負けるんだけど。弱い一般人を殺していく殺人ゲームをするだけでなく、クウガに対して全力を出すのも楽しいという怪人なりの生きがいがあるっぽい。それがカッコいい。
 (もちろん、怪人にも個体差があって、カメレオン種怪人ズ・ガルメ・レやヤマアラシ種怪人ゴ・ジャラジ・ダなど、クウガに見つからないように殺人ゲームをこっそりやってスコアを伸ばす卑怯なやつも居る。そういうやつはクウガにマジで怒られて惨殺される)

  • 沢渡桜子さんというヒロイン

 五代雄介が卒業した城南大学の大学院生で古代文字の解読ができる沢渡桜子さん。沢渡桜子さんは美人だし頭もいいのだけど、五代雄介や一条薫刑事から女性として見てもらえない。
 久しぶりに再会した時も「解読は進みましたか?」って五代雄介と一条さんから同時に言われる。女性としての優しさとか、ヒロインとしての恋心とか、そういうのは無視されて、バトルのための古代文字の解読という能力を主人公に期待されている。で、桜子さんは怒る。
 これは結構重要な展開で、「男の子のロマンスに付き合いきれない女性」というわけ。バイクを貰って嬉しい五代雄介や、警察として怪人を倒したい一条薫や、一条の高校時代からの友人で五代雄介の体をスキャンして強化人間に興味を持つ椿秀一医師、古代文字とグロンギの関係に興味を持つ桜子さんと同じ研究室の外国人考古学者ジャン・ミッシェル・ソレルなど、男たちは「戦って怪人をやっつける」という目的を遂行することに、あまり疑問を感じない。やっぱり男の闘争本能というか、五代雄介も争いが嫌いな性格ではあるが、「自分しか怪人を倒せないんだから、自分が戦うのが当たり前だ」と思っている。そのために大怪我してしんどくても、戦って敵をやっつけるのが第一目標ってなっている。
 グロンギのズ・バズー・バも殺人ゲームを遂行するだけでなく、クウガと全力で戦うのが楽しいという男らしい価値観を持っている。
 もちろん、ヒーロー番組なのでそれが話の流れとしては正しいのだが、女性の沢渡桜子さんは「ちょっとそういうふうに戦いを優先する男たちについていけない」「なんでそこまでして戦わないといけないの」みたいに思う。
 ヒーロー番組では敵をやっつける段取りが大事で、そのために桜子さんは古代文字の解読の係として設定されているキャラクターではある。
 まあ、結局、桜子さんも五代雄介の妹のみのりと話し合ったりして覚悟を決めて、ドラゴンフォームの戦い方を伝授するのだが、その前段階として「男の子の戦い優先の価値観についていけない」と、戦いからちょっと逃げようとしてしまうという、女性的な行動をする。
 細かいところだし、桜子さんがクウガのために古代文字の解読で協力しようと覚悟を決める、保育園での雄介の妹のみのりとの会話も、はっきり「ここがキッカケ」とわかりやすいわけでもない。でも、クウガの全体のテーマとして「ヒーローであっても暴力」というのがあるので、女性の沢渡桜子さんが結果的にクウガのサポーターになるとしても、戦いに参加するのを少しためらう展開があることで「戦いや勝利のための行動を全肯定しない」というクウガらしい微妙な心理的な雰囲気を作っている。男の子向けのヒーロー番組なのでパワーアップや勝利はメインストーリーなのだが、その脇にそういう戦闘第一の価値観とは違う女性の葛藤を入れることで深みを出していますね。



 まあ覚悟が決まった桜子さんはスクーターで警官隊の規制線を突破して戦場に殴り込みをかけてクウガのピンチを救うのだが。3号ライダーじゃん…。2話の教会に突っ込んできた五代と同じようにスクーターで割とやばい感じの転倒をするけど、力強くドラゴンフォームの秘密を伝授する。


 グロンギ怪人は1ゲームに1人しか参加しないし、戦いのための道具を整備するヌ・ザジオ・レも任務が終わったら用済みとして殺害される個人主義なのだが、クウガの五代雄介が自分一人では戦い方がわからなくて、サポーターから助けられたりヒントを貰ったりして勝っていくのは、単に暴力で勝てばいいという話ではなく、人間讃歌なんだろうなあ。


 でも、沢渡桜子さんが「古代文字の解読をするだけのキャラ」としてだけ描かれているわけでもなく、夜間外出したら一条さんや五代が「送っていこうか」という程度には女性扱いされている。
 でも、桜子さんはだいたい断って一人で帰る。2000年のドラマだけど、強い女性みたいな雰囲気も出したかったのかなあ。(まあ、怪人が出没するので警官やライダーに送ってもらったほうがいいとは思うけど)
 戦いでも桜子さんとズ・バズー・バの間に一条さん(直前まで車の下敷きになっていたので重傷のはず)がサッと入って守っている。特に強化されてないのに一条さんの体力は異常。


 桜子さんの一言の助言で棒術に目覚めたドラゴンフォームのクウガが形勢逆転してドラゴンロッドでズ・バズー・バをボコボコにしてぶちのめして勝つ。「あ、素手じゃなくて武器を使ってもいいんだ」って思うだけでボコボコにできる。まだ五代は封印エネルギーのことをよくわかってないので、スプラッシュドラゴンをしても、「なんか突きが決まったら敵が爆発した」みたいにちょっと戸惑った感じなんだが。
 クウガはちょっとずつ戦い方を学習して強くなっていくのがいいよね。まあ、最終的なアルティメットフォームが強すぎるけども。
S.H.フィギュアーツ 仮面ライダークウガ ドラゴンフォーム


 で、勝利した五代雄介に対して「お腹すいた!」っていう桜子さんが食事に誘うので、一条薫はクールに去るぜ。いや、飯よりまず病院にいけよ。まあ、特撮としてはトラブルが解決した後女性が食事や買物に誘うのはウルトラマンのフジ隊員などの伝統ではある。


  • 便利な諏訪部順一

 沢渡桜子さんが聞いているラジオのDJ、現在大人気の声優の諏訪部順一さんなのだが。この頃にすでに実際のラジオDJをしていたらしく、ゲストのアイドルと楽しくトークする番組の最中に未確認生命体の情報が入ってきたら災害モードに切り替わって当該地域の人に注意を促すなど、プロのDJ、ナレーターの仕事ぶりを見せる。
 仮面ライダークウガは人間讃歌なので、脇役で声だけのDJでも自分の仕事をしっかりしているというのを見せていく。演出としては小技だけど、クウガの人間観やテーマ性を作る部品の一つになっている。

  • おやっさん登場

 女性として戦う男たちにちょっとついていけない沢渡桜子さんが出るのだけど、そういう女性と戦う男たちともちょっと違う感じの、役に立つのかたたないのかよくわからないおじさんとして、五代雄介に部屋を貸しているおやっさんが登場する。五代雄介へのアドバイスも役に立つのかたたないのかよくわからないし、ユーモアのつもりのトークは真面目な一条さんにはちょっと苦手な感じ。
 しかし、おやっさんにとって五代雄介は働かないし勝手に二階から入ったりするし職場放棄するし、外国から帰ってもろくに挨拶もしないし、酷いやつなんだが。そういう態度の五代雄介に宿を貸してやるという戦いとは違うおじさんなりのサポートをしていて、それはそれで人間の幅の広さなんだよなあ。後半のおやっさんのスクラップブックの話もいい・・・。


  • ほしい物リスト。

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 おかゆとスープはるさめをさきほどいただきましたが、保存食などはほしいです。借金35万円を後1年で返済するので、本やグッズよりも節約できる食料が・・・。


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