玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士ガンダム33~36あたりの恋バナとか

ミライとブライトはジャブローに着いた頃にはすでに付き合ってた。
上司に婚約者の事をブライトにバラされたミライは「来るべきものが来た感じね。フィアンセなんて親同士の決めた話よ。」
とかいうから付き合ってた。
しかし、草食男子でフィアンセのカムランと、男らしいスレッガーがミライを巡って争ったとき、ブライトは部隊全体の事を考えて仲裁した。
ミライはそのブライトをホンの一瞬にらみつけ、そのあと退場するスレッガーを目で追う。
この視線だけで、ミライの心変わりを表現するガンダムすげえ。
スレッガーなど、一瞬で駆け抜けた男で、好意が燃え上がるには早過ぎる。
だが、戦場での女とは、誰が一番自分のためだけになるかを、常に秤にかけている物なのだな。
このとき、スレッガーは「気合いの問題なんだよ!本気なら殴れるはずだ」とミライをカムランの代わりに殴った。
これを野蛮だと言うのは男の理性。本気の気合いだと思うのは女の感情かもしれない。
感情で動くスレッガーは、男らしさのなかにも女性的な感情との親和性があるのやも。
ホワイトベースのお袋さんと言われたミライだって、母性の前に感情で動く女だ。
しかし、母親になるならば、子供を守るために自分を最優先にするのかもな。
しかし、ハサウェイは・・・。
今思い付いたが、ハサウェイは、母親であるミライがブライト・ノアでは満たされないスレッガー・ロウのような男の無鉄砲さを求める仕種を敏感に感じ取り、エディプスコンプレックス的にマフティーになったのかも知れない。
穿ちすぎ?
まあ、きちんと金髪美女と恋をしたからマザコンは卒業しただろうが、ギギ・アンダルシアとは寝れなかったのはスレッガー的だ。

しかし、テレビ版のスレッガーは死ぬ気がゼロで最後まで戦ったしすげえ。
アムロビグ・ザムの下半身の穴という穴にぶち込んで殺したのも壮絶。
そういう戦場全体を含めて「悲しいけど、これ戦争なのよね」
テレビ版はニュアンスが違うなあ。
まあ、装甲の厚いGアーマーとコアブースターでは突撃の意味合いも変わるか。


ソーラーシステムの第ニ射と、それを指揮する艦隊を破壊したビグザムの突撃も戦争なのよね。という凄絶。
安彦良和先生のオリジンでは、ソーラーシステムはビグ・ザムじゃなくて脇役の決死隊がいつの間にか破壊していた。
つじつまは合ってるけど、都合良すぎない?
やっぱり安彦良和先生は劇場版ガンダムがメインに考えてるよな。
テレビ版のこのころはすでに安彦先生は倒れて入院してたし。


しかし、今回急にアゴがスッキリしてイケメンになったスレッガーの作画は、安彦先生が手直しした劇場版めぐりあい宇宙でも、テレビ版のイケメンのままだ。
ミライの心の目ですかね?

で、アムロはテムを捨てる。
エリートの父が痴呆になってるとか、十六歳にはキツすぎるだろ。
尊敬していた大好きな父を見つけてバスを必死に追い掛けて、やっと話したら痴呆。
残酷過ぎるだろ。五十代の大人でも親の痴呆はきついのに。


父と別れた心を一目惚れした女の子の印象で埋めただけならいい思い出だが、仇敵シャアと恋人のララァとして出てきて、しかも大人の男のシャアと比べてあまりに子供な自分を実感。
あるある。こういう苦い感覚。
もちろん、カムラン・ブルームの悲しみも。
カムランのように人の力を上手く使う官僚タイプも男の生き方としてはあるんだが、女の本能は一人で狩りをするような男を求めるか?
しかし、ミライの気持ちを知ったスレッガーは「よしましょうや。自分の今の感情を本気にしないほうが良い」と、女の感情を知った上で男の理性で一度拒絶した。
しかし、爆発で船が揺れ、二人の体が触れ合えば、男と女は生き物の本能でキスを求めてしまう。
ガンダムはこういう芝居の機微が良いね。
やはり、トミノ監督はロマンチストなのか?最近、id:mattuneさんが言うように。
ヤマトの男性的な、男の子の自爆を好むロマンへのカウンターとして、富野はガンダムで無意味に戦果乏しく死ぬ軍人を描いたと、僕は最近書いたが。
そういえば、前にid:y_arimさんに「富野は男や女ではなく人間を描いているんだと思う」と言われた
人間のロマンか。


あ、もちろんガンダム様は超強いですが。
ララァと出会ってからアムロの勘の鋭さが上がるとか、どんだけ!


バトルも最高だしな