玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ザブングルグラフィティ

うーん。誰得感。
というか、どういうモード見たらいいのかいまいちわからんかった。
再編集映画として、一本の芝居にはなっていない。バラバラ。子供向けのお楽しみ映画のようでもあり、子供に「アニメの作り方」を見せるとか子供っぽいネタもある。が、関西地区では幻のトロン・ミランとかいうネタもあり、これは中学生くらいのメタなギャグを面白がるアニメファン向けの内輪受けなのかな、という感じでもあり。戦闘メカ ザブングルのファンの目線で見ると「ああ、1年間のテレビシリーズにはこんなこともあったねー」と、懐かしく見る事も出来た。が、再編集に合わせてセリフや芝居の意図や展開が変わってるところもあって、それはそれでよーわからん。
マリアの髪が伸びたり縮んだりするし。
この間、サンライズ公式モバイルサイトのクイズコーナーでも出題されたのだが、ザブングルグラフィティは実験的で、何の前振りもなく線画を塗りかけの絵が出て「これが動撮だ!まにあわないとこうなっちゃう!」ってテロップが出る。楽屋落ち過ぎる。
エヴァンゲリオンなどの富野ファンが作ったアニメも、楽屋落ちをするのだが。エヴァはまだ、ザブングルよりはきちんとしていたので、富野監督は本当にひどい。
何がひどいかと言うと、ザブングルの1話がトップクラスに絵の出来が良くて、1話のラストでエルチとジロンのザブングル同士が一騎打ちをするのが見せ場なのですが、映画ではその一番良いところで、楽屋落ちをやります。
エヴァはまだ、終盤のグダグダの展開に合わせてメタフィクションを出すのだが。
ザブングル…。序盤からこれか。


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「落書き」・「いたずら書き」が原義であるが、ある特定の場所、特定の時代を切り取って、自然主義的な描写によって表現したものも比喩的に"graffti"と呼ぶ。しかし、それを日本語に翻訳する際に適当な言葉が見つからないために、「グラフィティ」とカタカナ表記になった。「グラフティ」と表記することもある。

ヒップホップ4大要素のひとつで、アメリカが発祥の地。アメリカではギャングの縄張りの証明としてマーキングとして使われていたが、日本に輸入されるにあたってただの「落書き」に成り下がってしまった。特に日本ではストリートカルチャーに理解がなく、マスコミには叩かれてばかりである。もちろん犯罪行為であることは間違いないが、頼まれて書いている場所もあり、一概にけしからんものと断定することはできない。特に目を見張るような出来栄えのものと街中で出会える瞬間の感動は、グラフティアートでなければありえない種類の感動である。

マーキング的な英字のもの、皮肉のきいた面白いもの、独創的なアーティスティックなものなど、幅広いジャンルの絵がスプレーによって表現されている。

スラングで落書き行為をボムと呼ぶことがある。

へぇー。
アニメ様小黒祐一郎氏も「映画になってない」って感じたらしい。

http://www.style.fm/as/05_column/365/365_141.shtml

まあ、ねえ・・・。
イデオン接触篇を見た後も、あんまりおもしろくないって書いてたようだ。俺。
http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20080406/1207420762
ここら辺は感覚的なものだからなあ。しかし、発動編ではすごくかっちりしたものを作った富野喜幸監督がザブングルではグダグダだなあ。
アイキャッチャーがたくさん出て、名場面がたくさん出るのは面白かったけど、やっぱりブツ切れで気分が乗りにくかったなあ。名場面なら、もうちょっとテンションを上げていったら芝居として押しきれたのに、なんか淡々と切り替わった。


でも、賛否両論なアーサー様復活は、むしろグダグダなラストをさらにラブコメ的に混迷の渦に叩き込む美形っていう感じでおもしろかった。
ジロンがエルチを選びました。っていう単純なラストじゃないのがおもしろいなあ、ってTV版でも思っていたので、アーサー様までが恋愛模様を混乱させながらテレビよりも動きの多い走り方で新しい地平に向かうのが面白かった。
アーサー様がエルチの目を治すのは、暗いエルチの失明事件を明るく変えるっていうだけじゃなくて、アーサー様までが女の気を引くためのセリフを吐くっていう雰囲気で、すごいラブストーリーっぽくて面白かった。
そして、そのまま香港映画のラストのNGシーンのように映画でははしょられたカタカムなどの見せ場がMIOの良い歌声に乗せてダーって流れる。
そこが良かった。むしろ、全部こんな感じでテンションと音楽のノリだけで行った方が良かったと思う。エヴァンゲリオンDEATHは研究してたんだなあ。
EVA DEATHだけ初見で見た人は意味不明だったと思うけど。


というわけで、グダグダでしたけど、最後がなんとなく盛り上がったので、なんとなく良いかなあ、っていう気分にさせられるような映画でした。ザブングル グラフィティ。
むしろ、同時上映のドキュメント ダグラムが本命だったんでしょうか。


あと、付け足しで、TV版の事だけど、エルチが「ラグがかわいそう」って言うけど、ラグがエルチに正々堂々と勝ちたいって言うから恋愛的に負けてしまうかもしれない所がかわいいし、いいやつだなー。ジロンやエルチやゲイナー君は勝って何かを得るという実利よりも、勝つことのできる自分でありたいって言うところがあって、そういう意地っ張りなところはラグにもあって、良いなあ、って。そういう青臭さがザブングルとかキングゲイナーだなー。


ところで、テレビ版49話でエルチが「女の幸せが」とか「それが女なら良いじゃない」とか言ってラグも「女たちよ!」とかアジテーションして、女性論を言ってるのだが。「男の脚本家がそう言う言い方をしていいのかなあ」って思ったりもした。
でも、ザブングルはロボットアニメだけど女性ファンも多いし(ボルテスとかも多いけど)まあいいか。漫画の中の女性論が正しいってわけでもないし。たんにエルチやラグがそう言いたかっただけだよなー。うむうむ。