玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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君のいる町 第7話「ねがい。」声と音楽と色彩とシェリルとランカ


脚本:國澤真理子 絵コンテ:朝倉竜也 演出:鈴木薫 作画監督:林あすか 阿部可奈子


山内コンテが続くわけでもなく、毎回作画監督が代わるけど、何とか頑張っていると思う。作画もきれいだと思うよ。


しかし、原作は週刊連載だし毎週盛り上げるために次々とヒロインが出たりするんですが。アニメは映画としてまとめるためにあんまり増やさないかなーって思ったら、清美が出てきた!
うわーっ!アニメオリジナル展開になるかと思ったら原作に合わせてきたーっ!先が読めない!

君のいる町(11)

君のいる町(11)

清美は原作11巻の表紙ね。
オープニングとエンディングのカットに出てこなかったから出ないと思ってたら出てきた!
しかも声が遠藤綾!男の子や動物の声もやるけど、遠藤綾さんの美少女声はほんといい!
そしてメインヒロインは中島愛中島愛さんを遠藤綾さんが超時空ビンタ!


うーん。いい。
ランカ・リーシェリル・ノームの修羅場、いいわー。遠藤さんの役どころは小野大輔演じる風間恭輔の幼馴染の浅倉清美。風間は余命1年で中島愛演じる枝葉柚希の今彼。主人公の桐島青大は柚希の元カレ。


あー修羅場らしい修羅場だ。


連載を盛り上げるためのぽっと出のヒロインなんですけど、やっぱり遠藤綾さんは声に艶と量感があるからぽっと出だけど存在感があっていいですね。
しかもシェリルとランカなので、修羅場のキャットファイトもそれらしいし、主人公の名前のハルト君ってほとんどアルト君だし。



で、原作に合わせる所は合わせつつ、原作の重要なカッコイイ風間の決意のシーンは抑えつつ、でも、その決意からの失意までの動きが1話の中できれいな落差や抑揚を描くように、原作の週刊連載フォーマットでの無駄なシーンや雰囲気の合わないギャグ顔はオミットして、きれいにまとめてきた!
原作の週刊連載のアップダウンや場面転換と、アニメ1週間20分で原作3話分だとテンポが変わるからな。
アニメはすごく一本の流れとしてまとめてる。
そこら辺はすごい映画的だと思っていいなあ。やっぱり、良い。音楽もまとめるつなぎとしてうまいよなー。
原作のセリフをかなりカットして、モノローグも言わせなくて、絵や色彩の表情だけで感情を伝えてくるのがすごい映画として上品。


式場で恭輔が好きだった明日香、柚希、清美の三人の女子が無言でいるのは原作とは違うけど、その無言の止め絵で表情を出すのはやっぱりアニメならではの味わいですよ。動かすだけがアニメじゃないんですよ。うーん。良い。
萬画で止め絵だと読者に一瞬で飛ばされるけど、アニメの止め絵は時間をかけられますからね。それで情感を表せますからね。うん。良いなあ。


式場に行く前に、行くのを遅らせたくて明日香が謎の行動をとるのは謎だったけど。
でも、そこも含めて山内アニメっぽいよね。
蜘蛛の巣が映ったりとか。傘はオープニングでも結構モチーフとして使われてますし、山内アニメはそういう小道具に意味を持たせるようなことをわりとよくする。
空き缶も出てきたし。
原作では、セリフ重視で、式場に行く前に大学受験とか進路の話をしてるんだけど、そういう学生らしい日常会話とか進路の話題は悲しみの前のセリフとしては流れが変わるんで、オミット。
アニメではセリフは最小限で、明日香は雨上がりの町で捨てられていた傘を拾って、きれいに畳んで弔ってあげる。あんまりよくわからない行動だけど、役目が終わって捨てられたものを大事にする子だよ、っていうような暗示ですかね。わかりにくいけど山内らしい!(3回見て分かった)
佐倉綾音さんのキャラが雨上がりの町で捨てられたものと戯れるのは夢喰いメリーみたいだったなー。


で、進路の話はアニメでは無視されてるわけでもなく、ちらっと出てくる。式が終わった後に、落ち込んでる青大の部屋に乱雑に学校の制服と進路希望のプリントが散らかっていて、友を喪ってそういうことを考えたりしたくなくなる、っていう青大の気持ちが言葉ではなく絵として表現されてて、やっぱりアニメならではだし、むしろ映画的に上品。


で、そういう映画的に上品な雰囲気で、コメディー部分もある原作をひとまとまりに再編集しなおしてるんですが。風間の死で一区切りついてしまった…。これ、続きどうするの?
原作だとケロッといろんな女の子とつきあうラブエロコメだけど…アニメは上品だから映画として今回、一区切りついてしまった…。小野大輔が歌うエンディングテーマで風間ルートENDだし・・・。どうするんだこれ・・・。
そんな不安感をあおる山内赤紫照明の連続カットで不安定さを煽ったところで来週に続く!気になる!

君のいる町(14) (講談社コミックス)

君のいる町(14) (講談社コミックス)

来週は・・・。
明日香と傷をなめ合ってるうちに慰めてもらって、付き合う方向になるのかなあ。
原作だと明日香と清美を連れて実家に帰省して、広島編の友だちの月とウルザード尊も階層ではなく現在の時間で出てきますけど。
しかし、原作だと清美はツンデレお嬢様高飛車すぎて、ちょっとギャグっぽいキャラだけど、そして原作だと大学生になって尊とできちゃった結婚して出産してますけど。
アニメの清美は遠藤綾さんのボイスもあって、ギャグシーンが削られて、本当に上品なお嬢さんって感じです。僕は遠藤綾さんの美女キャラがすごい好きなので、こっちの方が好きかなー。


清美が出たことでもうちょっと原作に沿う展開になるので、温泉回が2回後くらいに来そうで、それはどうなるんですかね。原作だと乳首とかモロ出しのお色気萬画ですけど、山内重保監督がそれをどう下品でなく演出するか…?


それにしても、今回は照明とか色彩設定が面白かったなー。
病室のシーンは白っぽく飛んでて死相が匂わされてて、風間と青大の決闘シーンはノーマルな配色だけど雨模様で、葬式のシーンは灰色で、でも雨上がりの青空は青くて、太陽は明るくて、そしてラストの心情表現はアブノーマル照明で赤くなって、色々と心が揺さぶられた。
うむ。