玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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怪人による仮面ライダークウガ 第19、20話 感想

 第19話 「霊石」 第20話「笑顔」
 キノコ種怪人メ・ギノガ・デ三部作の後半二つ。先週に総集編があったので2話構成がズレたけど、また偶数に戻った。(第31話で2度めの総集編があるけど)

  • メ・ギノガ・デ

 まさか今までのミーティングシーンにも出てこなかったし虚弱体質だと言われていた怪人が3回も登板するとは。
 菌類なのでやられるほど進化するという。
 肉体面も強化され、警察の有毒成分濃縮ライフル弾にも耐性をつける。(科警研も相手が人間じゃないからってひどい兵器を作るなあ)(厳密にはグロンギ族もクウガと同じく霊石で強化された人間なのだが現代の日本国では人権がないので)
 クウガの放送時にはすでにストーン・オーシャンも連載終了していたジョジョの奇妙な冒険の毒スタンドのグリーン・デイほどではないが、前回は直接被害者の口に接吻して注入していた毒の胞子をエアロゾル状にして吐き出し、十数メートル以内の複数の被害者を一瞬で毒殺するまでになった。警官隊のガスマスクも突き抜けて殺す。一条さんや杉田刑事などレギュラー刑事はガスマスクをしてなかったけど、ギリギリ射程距離外だったのか。(クウガはリアルなので、胞子の生成量も制限があるらしい)
 しかし、メ・ギノガ・デはやられるほど強くなるのが古代から分かっていたのなら、ゲゲルを開始してクウガと戦闘になる前にスパーリングでもして強化しておけば良かったのでは…?古代のクウガに封印されたときに弱体化したんだろうか。まあ、そこはドラマの盛り上げのためってことで…。

  • 職責を果たす

 五代雄介が一回死ぬ第19話と復活後の第20話はちょっと演出の雰囲気から違っているのだが。
 未確認生命体第26号Aメ・ギノガ・デが毒ガス攻撃をしていて、帰還困難区域になっていた板橋区に職場がある母親が帰ってこれない保育園児を、五代雄介の妹の五代みのりが夜を徹して面倒を見てやる。五代みのり自身も雄介がやられたことで辛いのだが、保育士として園児の不安をケアしてやる。(結果的にその園児の母親は無事に帰ってこれた)
 五代雄介の救命措置を懸命に行った椿医師も単に仕事というだけでなく本気で五代雄介の面倒を看てやる。
 一条さんも怪人を探して徹夜する。隠れている怪人と誤認したホームレスのおじさんにライフルを向けたが、人間だとわかると、一条さんはホームレスに対しても「ここは危険区域です。避難してください」と敬語で避難を促す。「紛らわしいことをしやがって!」とか言わない。ホームレスにも礼儀正しいし、一条さんは刑事として志が高いので浮浪者も守るべき人間として扱う。そして、徹夜明けで怪人と遭遇してもクウガが復活することを知らなくても、警察官たちは全力で戦う!
 仮面ライダークウガの人たちは総じて職業倫理が高い!


 また、戦士クウガが仮死状態になった時に関する古代文字の説明書を解読する沢渡桜子さんと椿医師の連携もいい。
 第1クールでは「戦士になってしまう五代雄介のヒーロー物の文脈についていけない」という感じだった女性たち(みのりと桜子さん)だが、今回は女性の強さが目立った。五代雄介が仮死状態になったときに一条さんや椿秀一医師は事実として死を受け入れてしまうが、桜子さんは碑文の推理から、みのりは兄への信頼から、五代雄介の復活を信じている。変身ヒーローだから信じる、というより五代雄介の人柄への信頼が大きいので、そこらへんはやはりヒーロー物の文脈というより女性的な感性な気がするのだが、そこも含めてドラマがバトル一辺倒の価値観になってない雰囲気だと思う。


 そして、クウガは復活!病み上がりで白い4号のグローイングフォームにしか変身できないが、頑張って走って戦場に駆けつける。一刻も早く警官隊を助けようという雄介の責任感が見える。(さすがに服はドラマとして戦闘後の格好がつかないので病院服から私服に着替えているが)(全裸の響鬼はちょっと前衛的すぎたのかもしれない)
 未完成形態のグローイングフォームは他のフォームよりも格闘技の精度が荒く、パンチやキックのフォームも雑なのだが、それはそれで一度殺された怒りをぶつけるような熱い格闘に見える。グローイングフォームはエネルギーが足りないし、ギノガは強化されていて不利なのに、諦めないで3回もマイティキックを同じ場所にぶち込んでやっつけるという根性というか責任感で勝利。


 で、一条さんは「遅いぞ五代!」と復活を信じていたようなことを言って、照れたのか背中でサムズアップ。バディだなー。
 2000年放送のドラマらしいが、戦闘後に安心した顔の桜子さんが携帯電話を持っていて、次のカットで一条さんが携帯電話を胸にしまう仕草をすることで、余計なセリフと尺を使わずに五代雄介の無事を知らせる芝居になっていて、テクニカルだ。関係者を早く安心させたいという一条さんの責任感も感じられる。仮面ライダーは限られた時間でアクションとサスペンスとドラマをやらないといけないので、芝居の引き算の演出も大事。


 続く20話では、五代雄介が園児たちにストンプを披露するという、ギノガ戦の前の約束を果たすためにみのりの保育園に一条薫刑事と一緒に行く。これも責任感。保育園の遊具でストンプをして園児にめっちゃ喜ばれる五代雄介。仮面ライダーは子供向け番組だが、子供のキャラクターがでしゃばるとドラマとして子供だましに見えてしまうという難しさがある。それに対して五代雄介は園児を楽しませる芸当ができる、先生の明るいお兄さんとして園児に親しまれている、という描写で、テレビを見ているキッズも主人公への好感度を高める。未確認生命体第4号としての仮面ライダークウガの戦いは孤独かもしれないが、五代雄介はみんなの人気者なのだ。
 で、子供向けにはそういう明るい雄介って見せているけど、車の中での一条さんと雄介の会話では父親を早くに亡くした男同士の会話で、親が死んでることをそこまで悲しそうに言わなくても、雄介は父親が死んだあとに母と妹を笑顔にするために頑張っていろんな技や芸を身につけたって語るので。五代雄介はみんなを笑顔にしたい明るい青年だが、悲しみも背負っているんだなー。というのだが、悲壮感はなく、超変身!とか大都会をパトカーのマイクで歌う(犯罪じゃん)とか携帯電話での一条さんのモノマネとかでふざけて明るく振る舞う。ドラマとしても前回雄介が死んでるので、明るい雰囲気にしてバランスを取るのか。生き返った嬉しさから雄介もテンションが上っているようにも見える。おやっさんの雰囲気もふわっとしていていいですね。ポレポレにいた黒服の集団は怪人よりも謎。


 そして、一条さんはみのりに対して、一度雄介が死んだと言って混乱させたことを詫びる。やっぱり責任感がすごい強い。
 しかし、雄介がみのりに話しかけて兄妹二人の雰囲気になりそうなのを察すると、一条さんは距離を置く。気遣いができる男。雄介が復活して兄妹が仲良さそうにしているのが、一条さんにとっても嬉しいようにも見えるし、同じく父を亡くしている者として、自分にも兄妹がいたら、みたいなことを考えていたのか。(雄介は母親も高校生くらいのときに亡くしているが)
 しかし、一条さんは有能だし責任感も強いが、髪型はロングヘアなんだよなあ。(でも女性からの好意には鈍感)30代後半の杉田刑事の頭髪はリアル。


 そういうわけで、クウガの登場人物は責任感が強いと言うか、ちゃんと自分のやるべきできることをする、という倫理観が高い。
 クウガの体内がどうやって毒から立ち直ったのか、というのをきちんと椿医師が説明してくれる。責任感。でも、理屈っぽくなりすぎないように、説明しながらオダギリジョーと腕相撲して変顔が面白い。子供向け番組だからね。でも霊石が知能を持っていて宿主の肉体を仮死状態にして体温を下げて胞子を殺すっていうのは科学的だなあ。
COMPLETE SELECTION MODIFICATION HENSHIN BELT ARCLE(CSM 変身ベルト アークル)仮面ライダークウガ



 また、未確認生命体第26号Bとして、19話で爆発四散したメ・ギノガ・デの腕からギノガ変異体が出現する。菌類なので。その前フリとして、科警研を訪れていた雄介と一条が同じように増殖したギノガの細胞サンプルに遭遇する。怪人の細胞のサンプルがいきなり増殖するとかすごく怖いことだが、それを真っ先に迷わず、そこら辺にあったバーナーで焼き払うという行動に出るのが、やはり主人公としての雄介。細胞サンプルであっても、怪人をやっつけるのは主人公なのか。決断力!そして、適度に焼けたところで消火器で鎮火するのがバディの一条さんの役目。
 ていうか、そこら辺にバーナーがあるのか・・・。


  • 怪物の不気味さ

 ギノガ変異体は駆けつけたクウガのキックで死ぬと言うか、崩壊して活動を停止するが。爆発しないのはベルトをしていないから、というのはちょっと初見ではわかりにくかった。変異体ということもあるし。
 ちなみに、ギノガ変異体が暴れているところに修理されたトライチェイサー2000でクウガが駆けつけて、バイクの前輪でボコボコにするというのは、前回のメ・ギノガ・デが暴れているところに白いクウガが走ってやってきた演出をパワーアップさせて対比させてる感じ。クウガが完治したという印象が強まる。
 バイクのダサいコンパネがかっこよく修理され直すが、それを印象づけるために「公道で時速200キロ出す」という表示を見せる…。まあ、科警研は千葉なので、現場のとしんぶにはそれくらい急がなきゃてことか。


 しかし、バラバラになったギノガの死体の手首が成長して変異体が生まれるシークエンスと重ねて、バラバラになったクウガのしもべのゴウラムが、雄介に霊石アマダムを触られたことで活性化して金属片を食って成長するのが映って、「クウガの側もやべえな」って印象。怪人とライダーが同質の存在というのは石ノ森章太郎の仮面ライダーのテーマの一つだが。クウガも結局アルティメットフォームになってしまうし。


 ライジングフォームの予感の電流の描写が「ツヅク」の場面でも印象的だが、「ゴ集団」の潜伏している屋敷に向かうバラのタトゥの女の雰囲気も不気味で、バトルが更に過酷になる予感。(次回はメ・ガルメ・レがゴのルールを真似た殺人をしたり、ゴ・バダー・バが登場したり、次の展開に発展していく)というか、ゴ集団はどういう感じであんなデカイ屋敷を占拠したのか…。怖いなあ。
 しかし、ライジングフォームは雑誌バレしてたかもしれないけど、放送を見てるだけだとなんでクウガの足やツヅクの場面でスパークが出たのかわからんし不気味だった。第20話の演出の雰囲気が全体的に明るいし、怪人も知性がなくて大したことなかったけど、(まあ、警官は何人か死んでるけど)、なんかモヤッとする後味を出して「ツヅク」。


 仮面ライダークウガは責任感の強いちゃんとした大人が多いし、五代雄介も好青年だけど、サスペンス・ホラーな部分もあるんだよなあ。というか怪人が連続猟奇殺人を文化にしている理解不能の古代民族だし、ウルトラマンティガと同じくちょっとクトゥルフ神話に近い感じもある。

  • ほしい物リスト。

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 借金30万円を後10ヶ月で返済するので、食料品が一番節約になる。嗜好品は我慢しますが、食料はないと死ぬので。
 おかゆとスープはるさめの在庫がなくなりました。人の金で食っていきたいんじゃあああ。
 コロナウィルスは日本人には割と手加減していた致死率でしたが、変異して冬にロックダウンが起きるかもしれないので保存食を集めていきたいですね。


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