玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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怪人による #仮面ライダークウガ 第44,45,46話 感想 人類善

 ゴ集団最強でありグロンギの最後の一人のプレイヤーの未確認生命体第46号カブトムシ種怪人ゴ・ガドル・バとの戦いは今までの2話完結ドラマとは違って3話に渡って繰り広げられた。
 番組の終盤になって、豪華な時間の使い方だ。ちょうど先週の2話ではなんとなくドラマが解決してない感じで感想を書きあぐねていたので、まとめて書いてしまう。


 しかし、バトルよりも人間ドラマの方が重点的に描かれていたと思う。
Episode44”危機”45”強敵”46”不屈”


  • とりあえずバトルから

 重点はバトルではないのだが、一応、ダグバに次ぐ最強怪人と戦う話なので。

SHODO-O 仮面ライダー3 [1.ゴ・ガドル・バ](単品)

 金の力を手にして超変身も自由自在に操るようになったゴ・ガドル・バ。
 クウガのほぼ全フォームに押し勝つ。タイタンフォームの鎧もズバズバと切り裂くし、クウガが怪人の武器を奪っているのの逆で、タイタンソードをガドルが自分の剣に変化したりする。
 しかし、クウガがライジングじゃないカラミティタイタンをするのは無駄撃ち感はある。(ライジングフォームは今回強化されるまでは30秒しか変身できないのだけど)


 ゴ・ガドル・バは自分の体を強化するために発電所に忍び込んで特に誰も殺さずに電気を大量に何回か盗んだ。五代雄介はメ・ギノガ・デのときと今回と2回とも心臓の電気ショックで金の力を強化した。
 電力量が違いすぎないか?と思うんだが、サイヤ人理論だと、心臓停止状態で死にかけている時に電気ショックを受けた五代雄介の方が、良好な健康状態で電流を自分に流したゴ・ガドル・バより超回復しやすいとか?


 しかし、なぜゴ・ガドル・バはクウガを一度は金の電撃キック(ゼンゲビ・ビブブ)でグロウイングフォームにまで追い込んだのに、殺害しなかったのだろうか?ゴ・ジャーザ・ギも白のクウガまで追い込んだのに殺さんかったし。
 ハチ種怪人メ・バヂス・バやバッタ種怪人ゴ・バダー・バはクウガもゲームのカウントに入れていたけど。
 警察官をゴ・ガドル・バは狙っていたけど、戦うリントにクウガは含まれないのだろうか?というか、クウガは殺せる時に殺さないと対策して怪人を再戦で殺しに来るというのが最後の一人になってもまだ学習できてないのか???
 まあ、クウガはグロンギ怪人と違って自爆装置がついてないので、爆発しないのだが。(ゴウラムにはクウガが究極の闇をもたらす存在になった時に(地球全部を破壊して回る戦車にならないために)砂になる自壊装置がついてる)
 ゴ・ガドル・バは変身が解除された五代雄介の首を刎ねるとか、そういうのはしたくなかったんかなー?霊石を破壊しなくても脳を破壊したらクウガも死ぬだろ。(第0号に殺害された怪人は体内の魔石ゲブロンを破壊されてなくても死んでるし)
 本当にグロンギの舐めプ文化は致命的に駄目。


 まあ、カウンター(バグンダダ)が破壊されたラ・ドルド・グが気になったのかもしれないし、金の力に慣れてなかったのかもしれない。でもやっぱりガドルはクウガにとどめを刺さないのが本当に駄目だった。


 ラ・ドルド・グも自分にマーキング弾を撃ち込んでバグンダダをも破壊した一条薫警部補を鉄塔から突き落とそうとしたけど、速攻逃げて、一条に止めを刺さなかった。いや、まあ、怪人にまともに胴体を突き飛ばされた(普通の人はこの時点で内臓破裂で死んでるけど、一条さんは頑丈なので)上に、鉄塔から落ちたのに、手すりをなんとか掴んで自力で足場まで登った一条さんは異常。杉田さんが引き上げてくれるかと思ったら、普通に自分で登るし。



 ゲゲルを台無しにしたラ・ドルド・グに責任を取らせるために、ゴ・ガドル・バと戦うことになる。終盤に幹部怪人同士が内紛を起こすのも、割と特撮らしいのだが。責任をとって自害するのではなく、あくまで殺し合いで決着をつけようとするのがグロンギらしい。


 バラのタトゥの女と同じ「ラ集団」(一節にはプラチナ集団とも)のコンドル種怪人ラ・ドルド・グは人間態のファッションセンスも独特でかっこよかったのだが、他の怪人が基本的にフンドシなのに対して、ドルドの怪人態は割と白衣を着込んでいてかっこいい。顔はなんか人間態とは違ってすごくタレ目だったけど。
 ゴ・ガドル・バとも互角の戦いをして、ゴ・ブウロ・グのように翼を千切られてもある程度飛行できるという強さ。
 ラ集団は一説にはゲリザギバス・ゲゲルを成功させたけどダグバに挑むザギバスゲゲルをやらないで運営側に回る選択をした怪人とのこと。なので、ゴより格上かもしれん。ガドルは金の力を手に入れたので互角だったけど。


 神経断裂弾に対する耐性はガドルの方が上だった気がするけど、単に打ち込まれた弾丸の数がドルドの方が多かったので死んだのかも。一条薫はバラのタトゥの女も警戒していたので残弾を残していたのかもしれないけど、杉田刑事と桜井刑事はコルトパイソンで二人がかりでドルドに一斉射撃したので。
 人間というか警察が作った兵器で怪人が死ぬっていうのも特撮の終盤感がある。しかし、怪人の再生能力を奪うために、再生命令を出す神経組織を破壊するために、体内で連続爆発する弾丸とか、えげつないものを作るなあ。ダムダム弾より非人道的。まあ、相手は怪人なので。
(というか、そこまでやるんなら6連リボルバーのコルトパイソンより、フルオート機関銃とかのほうが良かった気がするが、弾丸の製造数も白バイで急いで運ぶくらいだし、ギリギリだったのかもしれん)(クウガは世界観的に自衛隊は出さない方針だったので。ダグバに対しては流石に自衛隊も出たかもしれんけど)


 しかし、杉田刑事と桜井刑事も仮面ライダークウガを重体に追い込んだ怪人と、それと互角の戦いをする怪人に対して、全然ビビらないで戦いを挑んでて、ヤベーなコイツら。桜井刑事も飛んで逃げるドルドにぶつかって転倒したけど、ほとんどダメージなかったし。


 で、ゴ・ガドル・バは一条薫に神経断裂弾を打ち込まれて一度は停止したけど、金の力で神経を繋ぎ直したのか、復活して襲いかかる。そこに、戦場になっているセントラルアリーナの運動場にバイクで突撃してくる五代雄介!大型施設内でもバイク!やべーーーー!
 電気ショックの力で最初からライジングマイティに変身してるぞ。


 そして、アメイジング・マイティフォームの黒の金の力で、必殺キックのぶつけ合いでゴ・ガドル・バを打倒するのは、割と時代劇っぽかった。あと、夜でライダーの体の色も黒くなっているところで、目が赤く光るのもかっこいい特撮。


 かくしてグロンギの組織は崩壊したが、それで第0号による究極の闇が開始されるのだった…。


  • 人間ドラマ

 前回のゴ・バベル・ダ戦の回では人間が人間を狙う事件を起こし、それに対処する一条と、それを目撃する夏目実加が描かれた。
 その前のゴ・ジャーザ・ギの回では、人間にひどいことを言われて暴力衝動を覚えた朝比奈奈々の悩みと解決が描かれた。


 このブログで、序盤で最初にドラゴンフォームになる時は桜子さんの、ペガサスフォームになる時は夏目実加の、タイタンフォームになる時は五代みのりの葛藤が描かれていたと書いた。
 仮面ライダーという男の子の戦い番組に対して、「ついていけない」と感じる女性たちのドラマが序盤にあった。なので、終盤の最強3怪人は最強なんだけど、むしろバトルではなく序盤にあった女性たちの悩みをもう一度終盤でやる、という構成になっているのではないかと思った。
 で、今回は3回かけて、マーキング弾や神経断裂弾という科警研の必殺兵器を開発した科学者の榎田ひかりの、母親として小学生の息子の授業参観に行けなくて悩むという人間ドラマが重点的に描かれている。


 なにしろ、ゴ集団最強のゴ・ガドル・バを倒した後も話が終わらず、8分くらい時間が余って、授業参観に榎田ひかりが来なかったことで学校を休んですねた息子の冴(さゆる)くんに対して母親の榎田ひかりが謝って説得して和解する人間ドラマに尺を割いている。


 やっぱり仮面ライダーはキッズ番組という自覚が製作者側にあって、単純なバトルのインフレだけでなく、「子供を守る」とか「親と和解する」とか、そっちのほうが大事、という方向性なのかもしれない。
 視聴者の子供は人の死があまり良くわからないけど、親にかまってもらえなくて悲しいとかはわかるので。そういうのを勝ち負けのバトルよりも大事にしたいなあという気持ち?
(しかし、榎田ひかりが科警研をやめたら「経済的に厳しい」っていうのがまた妙にリアルだなあ)


 で、五代雄介が自分について「俺はただ、俺ができるだけの無理をしている。それだけだよ」と言って、電気ショックを受けに行ったし、桜子さんも毎日徹夜でクウガの古代文字を調べて、みんな無理している。過労死推奨な気もするけど「できるだけの無理」という微妙なライン。


 それで、五代雄介のその言葉をジャンが榎田ひかりに伝えて、「人のために研究を頑張れる榎田さんなら、冴くんのためにももう少しだけ無理をして笑顔を見せてあげて欲しい」という、善意の連鎖みたいなのがある。
 第44話の冒頭でも合同捜査本部の会議に参加した五代雄介がサムズアップで警察職員を励ましたり、そういう温かみの伝え合いみたいなのがある。
 あと、五代雄介は自分が大学での友人の桜子さんやジャンたちに名刺を渡したときのことを克明に覚えていて、本当に人への思いやりがある青年なんだなって、改めて感心する。


 それで、榎田ひかりと今回対話するジャンは、自分も親にかまってもらえなかった少年だったので、最初は仕事のために息子にかまっていない榎田ひかりに対して、最初の印象は悪かった。榎田ひかりもジャンから息子と遊ぶようにとペーパークラフトを渡されてもちょっと鬱陶しそうだった。
 なので、あまり最初の印象は互いに良くなかったのだが。


 何ヶ月もかけてジャンと榎田ひかりもゴウラムの合同研究という仕事上の付き合いにしろ、少しずつ和解していった。今回はジャンも自分の生い立ちからちゃんと話し合って、励ましたり元気を分け与えたり温かみをリレーしたりする、っていう人間の善意が描かれていたと思う。グロンギは個人主義でコミュニケーションせず殺すだけだが、人間は第一印象が悪くても関係を修復できる力がある。


 これはやっぱり思いやりや集団行動が怪人と人間の違いだ、って言うふうに見せていきたい気持ちが強くあったんだろうなあ。
 まあ、同族意識は排他性に繋がり、集団行動は戦争の大規模化につながっているので、人間のそういう特性が完全に善ではないのだが。


 おやっさんがポレポレに来た妊婦さんをもてなしたり。おやっさんと五代雄介の父の関係がみのりから語られたり。
 戦死した戦場カメラマンだった父が半月に一度必ず手紙で「いつかみんなが笑顔になる日のために」と書いていたのだが。この番組が終わって9ヶ月後にアメリカで同時多発テロが起きて21世紀初頭から戦争が激化した。悲しい。


 で、最強3怪人に合わせて朝比奈奈々、夏目実加、榎田ひかりっていう女性たちの成長とかドラマ上の決着がついた。
 次回は五代雄介がついにラスボスの未確認第0号ン・ダグバ・ゼバと戦うのだが、その戦いに出る前の別れ、特にみのりと桜子さんとの別れが重点的に描かれるんだったよなあ。


 特撮の仮面ライダーだし、ヒーロー番組として五代雄介や一条薫の活躍が目立つのだが、要所要所でバトル番組としての戦いとは別の価値観を持っている女性の悩みなども丁寧に描写されている。
 単にイケメン俳優が多く出た、という以上にそういう日常パートの心情の描写の拾い方も、仮面ライダークウガが女性人気を獲得した一因かもしれない。

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