Episode38”変転”39”強魔”
- お仕事怪人退治
未確認生命体第42号ゴ・ジャラジ・ダを憎しみに任せて殺害してアルティメットフォームの幻影を見た五代雄介だが。その次の未確認生命体第43号ゴ・ザザル・バのゲームと、同時に発生した第3号ズ・ゴオマ・グの暴走に対処する作戦においては、警察との連携を深め、感情ではなくクウガとしての使命を果たすため、人々の笑顔を守るため、冷静に効率的に動いているような印象を受けた。
杉田や桜井など、一条薫の同僚の未確認生命体合同捜査本部の警察官からも「五代くん」と呼ばれ、変身していても人間の組織の一部としてクールに作戦行動を行う。
ゴ・ザザル・バはパンクファッションで口調も乱暴な女怪人だが、五代雄介は怪人とコミュニケーションをしない。ザザルのゲームの法則性を、怪人に近い思考回路になっているからか、経験からか、五代雄介は素早く推理する。
ザザルのゲームが実行不可能になるように行政に通達して、怪人をおびき出す。
怪人の強酸性の体液を科警研制作の特殊弾丸で中和したり、怪人を爆殺しても被害の少ない追い込みポイントにクウガがバイクで運搬。そこでライジングブラストペガサスの連射弾丸を撃ち込み、ゴ・ザザル・バの「なめんじゃねえ!死ぬもんか!」という断末魔を聞きもせず、バイクを高速でUターンさせて去る。
もはや怪人とヒーローの一対一の戦いと言うより、警察機構と連携したお仕事モードでの「有害鳥獣駆除」という風になっている。
それをバラのタトゥの女は「リントは本当に変わったな」「今度のクウガはやがてダグバと等しくなるだろう」と評する。
人間の武力が高まっているのだなあ。
今回は複数の怪人に対してSATも出動したり、所轄の警官部隊がバリケードを張ったり、一条薫の覆面パトカーがサイレンを出したりして、警察車両がかなりたくさん出てきて、西部警察的な見どころもある。
怪人の爆発も派手で、爆発を地下で抑え込んで、その爆風に追いつかれる前にクウガがバイクで閉まりかけのシャッターに飛び込んだり。そういうアクション的な面白さはある。
- 異常な一条さん
バラのタトゥの女の花びらの嵐攻撃で気絶して病院に運び込まれ、椿秀一医師の処置を受ける全治3週間程度らしい。でもすぐに起き上がって第43号事件の指揮と第3号対策の機械の受領のために病院を飛び出す。親友の椿秀一もそういう一条のことをわかって、「睡眠剤」と偽って、スタミナ増強剤を投与したらしい…。
五代雄介はクールに怪人の駆除を行っているが、一方で一条さんは五代雄介を戦わせていることに心を痛めている。やはり一条さんは殉職した父親のこともあり、警察官は一般人とは違う、という公僕としての意識が高い。五代雄介も杉田たち警察官も一条薫の現場復帰で士気が高まった様子だが。
で、バラのタトゥの女に攻撃された時点で割と体調は悪いのだが。(バラのタトゥの女は無駄な殺人をしないタイプだが)
一条はそんな体で第3号ズ・ゴオマ・グ究極体と戦うクウガを援護して、本庁から持ち出した超音波発生機で怪人にダメージを与える。しかし、ダグバのベルトの破片の力で究極体になっているゴオマに一条さんは殴り飛ばされ、木の枝を何本か折って地面に叩きつけられた。普通の警察官は怪人に1回殴られただけでだいたい死ぬのだが、一条さんはありえないくらいの頑丈さ。
クウガもゴオマに負けるが、ゴオマはクウガにとどめを刺さず、自分を殺そうとしているダグバとの決戦に向かい、返り討ちにあう。
ゴオマを殺害するときに第0号のダグバは第1話で見せたような派手な放電現象を見せ、一条と五代雄介は互いに傷ついた体を支え合いながら、夜の山中を0号を探して歩く。
いや、一条薫も五代雄介もタフすぎるというか、自分の体をもっといたわって!怪人にやられたあとに夜中の山を懐中電灯一本で捜索するとか、むちゃくちゃするなあ・・・。
まー、所轄の警察官に任せてまた殺されるのも嫌だろうし、この二人は使命感も強いんだろうけど。でも、傷ついた状態でダグバと遭遇していたら五代雄介も一条も打つ手なく殺されていただろう・・・。
第2話で登場し、五代雄介の最初の正式な変身の相手になったゴオマが第3クールのラストに死亡する。色々と狂言回しとか怪人グループの中でのいじめられっ子という役割をしていたが、ゴオマがダグバの闇の力の片鱗を見せてから退場し、本格的に終盤の究極の闇に向かう。弱い怪人もダグバに虐殺され、もはやグロンギの怪人はラ・バルバ・デ、ラ・ドルド・グ、ヌ・ザジオ・レ、ゴ・ジャーザ・ギ、ゴ・バベル・ダ、ゴ・ガドル・バ、そしてン・ダグバ・ゼバの7人しか残っていないのだ。
- おやっさんと神崎先生
五代雄介が連戦に追われ、本来は住み込みバイトであるのに、おやっさんの喫茶店のポレポレを全然手伝っていない。そんな五代雄介不在の時に、恩師の神崎先生がやってくる。
小学校低学年のときの五代雄介は泣き虫だけど弱虫ではなかったという過去が語られる。妹をいじめた相手に抗議して泣いてしまったが、雄介は相手が折れるまで踏ん張ったという。それは最終回の戦いの伏線にもなっているのだろう。デビルマンクライベイビー…。
そんなふうに幼少期から立派な心がけだった雄介だが。おやっさんは雄介の雇用主であるにも関わらず、「8ヶ月も冒険旅行に行ってないのがおかしい」「あいつには冒険をして欲しい」と、クウガであることを知らないのに心配している。
五代雄介が社会秩序維持装置である警察と連携して怪人を有害鳥獣駆除のようにクールに抹殺するのは、ある意味では高度な社会適応なのだが。
ゆる〜い元冒険家のおやっさんは五代雄介に対して、親代わりとか雇用主とか、そういう社会的なかっちりした関係ではなく、損得ではなく「冒険してる雄介でいて欲しい」と思っている。ポレポレは未確認生命体事件で東京の人通りが少なくなってもそこそこ客がいるのだが。警察は社会秩序なのだが、ポレポレは街の喫茶店という、そこまで堅い場所でもない。(街の喫茶店であり、秩序維持装置なのが仮面ライダー響鬼だが)
クウガが警察に認められて連携作戦をできるようになったのはいいことでもあるし、警官たちとの交流もいいことなのだが。
やはり、雄介の本質は公僕ではなく冒険家、という微妙な居場所や価値観のラインがある。それが逆にクウガは警察に認められたけど、雄介は自分らしさを封印して戦う装置になってしまったかもしれない、というニュアンスを醸し出して、終盤の雄介の戦いに哀愁を漂わせている。
警察の側である一条薫も、やはりバディだから、おやっさんと同じレベルで五代雄介の内面を感じているのか、「五代雄介には冒険だけして欲しい」「あいつが俺と別れられる日が早く来て欲しい」と苦悩する。
しかし、悪の怪人がいる限り、正義のヒーローは苦しくても立ち上がり戦い続けるしかないのだ。つ、つらい。
警察官は特に明確な異種族の怪人がいなくても普通に社会で発生する犯罪や災害に対応し続けないといけないのだ。うーん。
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富野由悠季の世界展に行ったりして、ちょっと金銭感覚がガバガバになって、いったん半分まで減った借金が割と増えました。ぴえん。
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