玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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怪人による仮面ライダークウガ 第23、24話 感想

Episode23”不安” 24”強化”


 前回はメ・ガルメ・レが語ったグロンギのゲーム文化について長々と述べたのだが。
nuryouguda.hatenablog.com


 なので、今回も長々とした感想を書くために時間を割かれると困るなあと思い、先にグランブルーファンタジーのイベントシナリオとかFGOのメインシナリオとかデレステとかをしていたのですが。


 なんというか、普通に面白かったな。

  • 円熟

 今回からクウガの基本4フォームが、初登場とは逆の順番でライジングフォームにパワーアップしていきます。
 仮面ライダークウガは人間ドラマが濃厚なのですが、パワーアップという課題を規則的にこなしているので、他の平成ライダーに比べるとどの話数でどの怪人に対して何をしたのかが圧倒的に覚えやすい。
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 そういう規則性もあるし、仮面ライダークウガは全49話なので、今回あたりでだいたい折り返し地点になったということで、スタッフもキャストもいい意味で現場慣れしていると言うか、役者はキャラクターをつかんでいたりスタッフは段取りを分かっていたり、視聴者も見方が飲み込めている頃。


 具体的に一番顕著なのは、オダギリジョーさんの演技がうまくなった。(偉そう)



 仮面ライダークウガ以前ではオダギリジョーさんは1999年の映画の金融腐蝕列島[呪縛]の記者役に出たくらいで、あまり芸歴は深くない。
 五代雄介というキャラクターも「親が死んでる」「グロンギを殺すたびに精神的に傷ついている」「でも自分より周りの人の気分を優先して、笑顔を見せる」という割と特異な人物なのだが。
 そういう五代雄介らしさみたいなものをオダギリジョーさんが演じていても不自然さが減ってきている。演じ方をつかめたと言うか。
 もっと具体的には、一条さんと未確認生命体の対策について話し合っているときと、桜子さんを励ますときと、怪人と対峙するときでは明確にオダギリジョーさんの演技の雰囲気が違っている。(明確に違っている、という割には僕も雰囲気という感覚でしか語れないのだが)


 また、他のキャラクターが五代雄介のサムズアップを真似ていてもあまりわざとらしさを感じなくなったと言うか。クウガってこういう番組だよねって言うことが視聴者もスタッフ・キャストも了承してきたと言うか。


 そういうわけで、割と安定感がある。


 今回からグロンギのゲームに規則が加わって、警察の捜査の描写も増えるのだが、子供向け番組で警察の真似事をしている、というのではなく刑事物としても普通に見られる。
(しかし、被害者の遺族の涙とか、遺留品のランドセルとかは重い)


 アクションもメ・ガリマ・バの鎌とタイタンソードの剣戟の殺陣も安定感のある東映らしさが出ていた。もちろん、仮面ライダーなので超人同士の戦いということで、簡単にコンクリートの柱が切断されたりという豪快な描写もあるのだが。
 メ・ガリマ・バに対してタイタンフォームのクウガが剣を振りかぶりながら、互いに間合いを探るのをロングショットで映してカメラの前にフェンスを置くことで奥行きを出すという演出は時代劇のようでもあり、円熟した殺陣のカメラワークを感じる。


 これまでのクウガの最大火力だったトライゴウラムアタックの封印エネルギーをメ・ガリマ・バが気力で散らして生き残ったが、新フォームのライジングカラミティタイタンはさらにもっと強くて、やっつける、ということでわかりやすい強さを表現している。もちろんカッコいい。


 また、メ・ガリマ・バの鎌の半分をクウガが折って奪って自分のタイタンソードに変化させるのは、いつものようにトライチェイサーの右ハンドルを武器にしたら、タイタンフォームのままトライゴウラムアタックができない、という極めて論理的な課題から逆算してのご都合主義ではあるのだが、敵の武器を奪ってチャンバラをするのはカッコいいので許せる。


 というわけで、安定感があるかっこいい闘いで、長文ブロガーもあまり小難しいことを考えずに楽しく見れた。


 怪人の側もゴ集団が着々と集まってきていて、もう一人のラ集団のラ・ドルト・グも登場し、メ集団最後の生き残りのメ・ガリマ・バの必死さみたいなのもドラマチックだった。怪人ももっと強くなる予感がある。プリキュアとか他の平成ライダーでも、各話完結だと敵の強さのインフレーションがあんまり分からないときもあるのだが、仮面ライダークウガは敵が武器を使うようになるとかルールを設けるとか爆発の大きさの違いで表現していて上手い。


 しかし、ツッコミを入れると、メ・ガリマ・バが同じ電車の車両に乗っていた人を、再び探し出して各所で18時間で288人の首を鎌で切断して殺すっていう、ノルマに対して効率が悪い殺人方法だな。
 ていうか、白昼堂々刃渡り1メートルくらいの大双鎌を持って人間の姿のまま獲物を探しているのに、職務質問には引っかかってないし、未確認生命体対策本部の警察官も足取りをつかめていなかった。なんで?
 まあ、カマキリ種怪人ということだし、カメラが回ってないところでは飛行して移動していたのかもしれないが…。ゴ集団の怪人はクウガと同じく物質を変化させる能力があるので、人間の姿の時は武器を小さくしているけど、メ・ガリマ・バは超能力が低いのか、武器はそのままの大きさで持ち歩いている……。


 という野暮なツッコミを、「振り向くな!」というガリマの悪の美学で納得させるという演出でもある。


 また、五代雄介がライジングタイタンフォームを会得するのに、単にギノガ戦で電気ショックを受けたから、と言うだけでなく、科警研のプラズマ実験室(普段は何に使うんだ?)で榎田ひかりに協力してもらって、汗だくになって変身のコツをつかむ、というのも昭和ライダーの特訓をアレンジしたみたいでもある。五代雄介は汗だくになっても汗臭くはないという、平成らしい爽やかな青年だが。まあ、雄介なりにがんばっているんだということ。でも、汗だくになっても頑張ったことを目立たせないのが雄介。


 あと、今回は五代雄介と友人関係であるけど男女でもあるという沢渡桜子さんが古代文字の解読で悩んだり、怪人に狙われる、というわりと昭和っぽいと言うかわかりやすいヒロインポジションなのだが。
 桜子さんが夏らしい薄青色のノースリーブのトップスに合わせて、シルバーっぽいネイルをしてるのがおしゃれだし、本をめくったりキーボードを叩くところの指のアップでネイルが強調されてていいなって思った。


 桜子さんにアプローチする椿秀一医師はちょっと……。だが。まあ、井上敏樹らしさはある。
 

 あと、桜子さんも図書館でゴツい本(解読のための辞書か資料の本)を3冊くらい借りてるのにカバンに入れてなくて裸で持ってるのも、ちょっとどうかと思ったが。まあ、本を借りたという記号的なメッセージを見せる芝居なんだろうけど。でも、女性キャラのバッグ描写は割と大事だったりする。


 んで、今回の怪人であるメ・ガリマ・バは怪人で殺人者だけど人気が高いし美女。だけど、やっぱり18時間で288人を人間の姿のまま探し出して殺害するには、あのロングスカートは走りにくそう・・・。雰囲気はあるし、それが20年後の現在までの人気につながっているんだろうけど。野暮なツッコミかな。


 とりあえず、クウガがかっこよくパワーアップしたので良かったです。

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 怪人なので属性は「中立・悪」ですけど、利己的なのでアマゾンというシステムを利用して人間から物をもらうことは好き。


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