玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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#ある魔女が死ぬまで アニメ版最終回 榊原良子を継ぐ青山吉能

第12話「私の愛した人たち」

  • 前回までのあらすじ

 この世界とは違う歴史の世界、魔法が科学よりも普及した世界の英語圏のどこかにあるラピスという町に住む青山吉能さんが演じる魔女見習のメグ・ラズベリーは17歳の誕生日に、師匠で、世界に名高い魔導士七賢人であり、榊原良子さんが演じる1000年の時を生きる『永年の魔女』ファウストから
「お前、あと1年で死ぬよ」
 と、呪いにかかっていることを告げられた。


www.youtube.com


ぼっち・ざ・ろっく!と機動戦士Zガンダムや風の谷のナウシカやWake up Girls!や機動警察パトレイバーのファンも必見!
榊原良子さんはすごく気づかいの人だなあ。


 呪いを解くためにメグ・ラズベリーはシュガシュガルーン的な感じで1年間で千粒の嬉し涙(というか嬉し涙的なものを出した時の人の感情の結晶)を集めないといけないのだッ!


 嬉し涙を集める中で人助けをしたり、自分の行動に悩んだり、悩んでいる他の人に寄り添ったり、他の七賢人の魔女や魔導士と交流するなかで、メグ・ラズベリーは「ラピスの魔女」という町内を代表する二つ名を得た。魔女にとって二つ名は人に認められた証であり、魔法が普及した世界ではとても大事なのだ。


 しかし、「ラピスの魔女」として街を守る中で、メグ・ラズベリーは既存の魔法理論を凌駕する大魔法を行使して、世界的に知られる魔女になってしまう。


 世界的な魔女に成長したメグ・ラズベリーはラピスの街を出て魔力災害の犠牲者の治療の研究に参加することなどを請われる。そして、メグは水の都アクアマリンを訪れ、「生命の賢者」ジャックと共にアクアマリンの危機を救ったり自分の悲しき過去…、そして育ての親であるファウストとの出会いについて少しずつ思い出していく…。


  • 最終回

 死の期限まで半年を切ったころ、メグは赤ん坊の頃の夢を見てうなされ続ける夜が続いた。同時に、環境汚染などで世界の魔力バランスが壊れ、魔力災害の規模が世界レベルになってしまったので師匠のファウストはメグが死ぬとか死なないとかよりも、地球の核に干渉するレベルの世界的な大魔法プロジェクトで多忙となる。メグも夢に疲れながらもファウストのお使いでラピスの町で忙しい日々を送る。
 メグがうなされる夢の中には、とあるパーティーで一度だけ会ったことのある『災厄の魔女』という二つ名を持つ黒づくめの服を着た妖艶な魔女、エルドラの姿があった。
 そして、夢で疲れていたメグはある日、街のベンチで眠ってしまっていたところ、現実でエルドラと邂逅する。エルドラはメグと同じファウストに育てられた姉弟子だった。地球の核に干渉する魔術の執行役を務めるのがエルドラとなることで、数年はそのプロジェクトにかかりきりになるはずなので、ファウストはそのギリギリのタイミングで、エルドラにも最後に自分が育った町、ラピスを見せ、妹弟子のメグと会わせようと思い、エルドラをラピスに呼んだのだった。


 しかし、運命は非情!


 メグが孤児になった原因になった魔力災害は『災厄の魔女』エルドラが引き起こした戦争だったのだ!
 エルドラは語る。
「許せなかった!自分の家族を殺したオルロフの国が!」


 軍事大国オルロフは魔法が科学を凌駕する過程で自らの地位が脅かされると感じ、第三次世界大戦を勃発させようとし、同時に魔法協会と対立、魔法使いを殺害するなどの暴挙に出た。


 エルドラはその復讐のため、オルロフ全土を魔力汚染で滅ぼし、メグはその数少ない生き残りであった。メグが見ていた夢は自分の母親が乳飲み子であった自分をかばいながら絶命し、それを上空から見下しているエルドラの姿であった。
 メグはとあるきっかけでその記憶を思い出し、エルドラと対峙する。


 ファウストは「姉妹弟子、仲良く手を取り合ってほしかった……」と語るが、エルドラは不敵に「ククク……。師匠も生ぬるくなったものだ……。メグ、私が過ちを犯したと思うなら、いつでも私を殺しにこいッ!」と言い捨てて去る。
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 そして、メグは残された半年で、自分の生まれ故郷であるオルロフ国が魔力汚染から徐々に回復し、何とか人間が立ち入ることができる状態になったので、出生の秘密や浄化の研究のため、オルロフに向かうことを決意するが……。


 そして、汚染された地での最後の戦いで、蓋世不抜の超人、魔女を超えた魔女、メグ・ラズベリーは絶命した……。


『ある魔女が死ぬまで 第一部 無明逆流れ編・完』

  • いや死んでないけど

 ククク…魔女が死ぬわけないだろう……。


 というわけでだいたいTOUGHだった。


 というのは冗談だけど。


 久しぶりに王道のちゃんとしたアニメを見たなあという感じだ。もちろん、作画はすごく予算が低い感じなのは最終回でも変わらなかったし、背景のCGも一部ガタついていた。


 作画のデッサンとかが一部、プリキュアの日常シーンなどの繋ぎの場面の微妙なカットやカブトボーグくらい曖昧だったり、握手するのを作画するのがめんどいので他のキャラクターの背後で握手するなどの省力をしていたり、あんまりアニメーションとして作画がすごいという作品ではないんだが。というかむしろ下手な方。


 でも、作画カロリーが少なくても、キャラクターデザインがそこまで凝ってなくても、芝居の意図とか、絵としてのメッセージは伝わる感じで、そこら辺が堅実でよかったな。
 ファウスト師匠の指とか。
 

 榊原良子さんから「メグはびっくりするほど汚い言葉を言う」と言われていたが。(榊原良子さんはZガンダムのハマーン・カーンについて「俗物などと人に言うハマーン自身が俗物だし、そんな悪役に人気が出てしまって申し訳ない」と言うほどの人格者)


 上記のYouTubeによると榊原良子さんは悪役をすることが多い声質にコンプレックスがあったらしいのだが、今回の師匠のファウスト師匠はマスター・アジアよりも裏がないちゃんとした指導者で世界的権威の人格者だった。
 同時に、メグとの日常シーンでは気楽な冗談を交える所もあり、榊原良子さんのファンとしては面白かった。


 メグの話に戻すと、メグはびっくりするほど汚い言葉を言うし、同時に金や権力や美少年や美少女への欲望を垂れ流す。めっちゃセクハラ発言するし。
 百合展開か?みたいなところもあるし美女、美少女も5人くらいは出る。でも、そんなに美少女フィギュアとかグッズで売るような作風でもなさそう。
arumajo-anime.com


 なんか、おしゃれなアクセサリーとかを出している。商業的にどうなんだって言う所はある。


dengekibunko.jp


 でも、僕は漫画とか本を積んでいるのであんまりライトノベルを読んでないけど、(アニメは髭を剃ったり筋トレしたりゲームのレベリングをしながらでも見れるけど、本は手と頭を固定して読まないといけないので時間が捻出しにくい)
「ある魔女が死ぬまで」は電撃の新文芸の「熱い師弟関係・大賞」なので、本が売れていて、アニメはそのきっかけ作りというタイプの企画なのかも。


 ただ、僕は富野由悠季や出崎統のオタクなので、潤沢な予算とキャラクターグッズや話題性で売る作品より、予算が少ないなりに絵コンテ演出、そして芝居で工夫する70年代くらいのアニメが好みなんだな。

  • アニメ化がちゃんとしていた

 なんか鋼の錬金術師みたいな終わり方をしたけど。


 原作はweb小説発らしく、出版とweb版ではどこまで進んでいるのかわからんけど、まあ、アニメはそのキリのいい所で終わった感じ?


 でもまあ、さっぱりした終わり方だったと思う。そもそも、余命1年と言われてもメグはそこまで自分が生き延びることに執着していないというか、それよりももっとこう、単純にやりたいことをやるって言う主人公タイプだった。そして、やりたい事がだいたい人助けという善人であり、それを積み重ねていくうちに友人、近所、街、魔法学会、そして世界へ……と行動範囲や人格も成長していって、毎回着実に成長していってスケールアップしていくのが見ていて楽しかった。


 最初は「100日で死ぬワニ」みたいなSNSバズりを狙ったネタ作品かと思っていたのだが。「ある魔女が死ぬまで」はかなり、TOUGHシリーズくらいヒューマン・ドラマをしていた。


 人助けは安っぽい感動といえばそれまでなんだけど、でも、そういう王道も僕は好きですね。僕は自分がひねくれているので、「アホだけど根はいい奴ががんばる」という話が結構好きなんだよ。プリキュアとかも好きだし。


 それで、なろう小説アニメ的といえばそうなんだが、着実にメグが成長して、その認められる範囲がどんどん広がっていくのもわかりやすくてよかった。
 

 一応、メグは天性の才能を持ってはいるんだけど、魔法の基礎レベルは見習いレベルなので、それで無双するとか他のキャラクターを蹴落とすとかハーレム展開になるとかでもなく。魔法は見習いレベルだけど、窮地では、根性と知恵と勇気と善性で他の人が思いもよらない解決法を出していくので主人公っぽさがすごいあった。


 でも、メグは基本的に下品で欲深い馬鹿なので、色んな人から親しみを持たれても尊敬はそれほどされていないって言う塩梅がチート主人公タイプとは違って楽しかった。まあ、欲深で馬鹿だけど基本的にはいい奴だし、土壇場では頼りになるって言う割と王道な主人公というか。落語の与太郎というか。


 それで、メグは魔法の才能が開花して、使える魔法も大規模になっていくし、世界トップレベルの七賢人のメンバーとも親しくなり、ステップアップしていくんだけど、同時に襲ってくる危機とかも、漠然と「1年後に死ぬ」というのから、「街の人が死ぬ」とか「街が滅びかける」とか「魔法を巡って戦争が起きてた」とか「今後、魔力バランスが崩れて世界が崩壊するかもしれない」とかハチャメチャに試練もレベルアップしていくので、そこら辺は王道展開でわくわくしたなあ。


 かといって、試練を通じてライバルを倒すというバトル展開ではなく、むしろ癒しの力で人の心を励ましたり、仲間を増やすというハートフルな感じだ。
 人の悩みを解決するっていう話は、時に露悪的な社会の汚い部分を描きがちであるし、この作品でもそういう悩みはいくつかあったんだが、メグの性格がさっぱりしているからか、メグを支えるファウスト師匠がしっかりしているからか、全体的な作品の世界観的な倫理観が善の方向で、見てて嫌な気分にはあんまりならなかった。社会の嫌な部分も少女の成長の糧にするという前向きさとして描かれていたというか。


 それで、まあ、アニメはここで終わるけど、メグの冒険は続くので本を買ってね、って言うアニメ化の企画としては良かったと思います。
ある魔女が死ぬまで3 -はてしない物語の幕が上がる- (電撃の新文芸)


 青山吉能さんが主演をした「ぼっち・ざ・ろっく!」も総集編映画を挟んでアニメ2期が発表になったらしいけど、ぼざろでアニメ化した部分は原作漫画の最初の方らしいので。まあ、メディアミックスアニメとしてはこういう感じでいいんじゃないっすかね。


 あ、なんかサントラには青山吉能さんとソフィ・ヘイター役の羊宮妃那さんのキャラソンも収録されているみたいです。
arumajo-anime.com


 いいよね、謎キャラソン……。ソフィは魔法パレードのエンターティナーだけど、メグって本格的に歌うシーンあったっけ?
 でも、サントラの謎キャラソンは日本アニメの文化だから…。ハートキャッチプリキュア!のキャラソンも大好きだし。


 というわけで、面白かったんだけど、本当に面白いアニメだとそんなに文句を長文で書く必要もなく。
「うむ。キチンとできていたな!そうそう、こういうのがいいんだよ」
 ってアイドルマスターのプロデューサーやゴローちゃんみたいなリアクションになってしまう。


 考察もなー。いや、普通に本編を見たらだいたいわかるように作ってあるから、見ればいいじゃん。っていう感じの作品です。


 興味と「時間」があれば原作を手にとってもいいかもしれません。僕はブギーポップシリーズを20冊は積んでるけど。ラブクラフト全集…ニーチェ全集…カント…ウィトゲンシュタイン…ルドルフ・シュタイナー……新選組始末記…陰謀論…ユダヤ教…進化心理学…知人が書いた同人誌…知人に薦められた漫画…京都国際マンガミュージアムも障碍者手帳で無料なので、理論的には無料で数十万冊読める…。
 Fate/GrandOrderの文字数は公式では500万文字超えらしいけど、僕は一晩で3万文字書けるタイプのブロガーなので、がんばったら半年くらいで奏章に追いつけるはずなんだが!微妙に、素材周回とかな?
 まあ、レベル100の宝具4~5の巌窟王、英雄王、ヘラクレスとスカスカでゴリ押ししたら何とかなるやろ。
 でもグラブルもしているんだ。
 だが、崩壊スターレイルはポイ活が終わったらやめたので!


 世の中にはいろんな物語や現実があるんだがなあ。



 まあ、ぼちぼち!筋トレやゲームも並行しながら、中途半端にやって、その途中で僕は死ぬと思う!
 全知全能になるのは無理だけど、まあ少しずつ自分の知見や行動領域を広げるのは、魔女のメグほど派手ではないけど、「近所の見えてる山は全部登った」とか、「とりあえず富野由悠季著の本はイデオン・ライナーノート以外は全部買った」くらいのところから徐々に進めていきたい……。途中で死ぬんだろうけど、でも43歳でも酒をやめたらダイエットに成功したし、痩せて体が貧相になったので筋トレしたら筋肉も発達してきたし、まだまだ余地はあると思う。いろいろやりたいな。 


 まあ、そういうポジティブな気分になれるアニメだったと思うよ。ある魔女が死ぬまで。死ぬまでは終わらないよ!

  • ほしい物リスト。

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匿名で住所を伏せてプレゼントを送るための、つかいかた
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