玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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京都国立近代美術館〈若きポーランド〉-色彩と魂の詩うた 1890-1918

  • 行ってきた

www.momak.go.jp

 ポーランドの国民的作曲家フリデリク・ショパンが、祖国を離れた後、最終的にパリで生涯を過ごすことになったのは、1830年にワルシャワでおこった十一月蜂起と、翌年のその失敗が遠因でした。1795年にポーランドは、国土をロシア、プロイセン、オーストリアに分割占領され、世界地図からその姿を消すことになります。これ以後、祖国の独立を求める蜂起や反乱が繰り返されますが、その実現は1918年の第一次世界大戦終結を待たなければなりませんでした。この123年間、国を失った人々が自らのアイデンティティの拠り所としたのが、文学や音楽そして絵画などの芸術であり、言語や宗教を含む広義の文化でした。そしてその中心地として重要な役割を果たしたのが、古都クラクフです。
(後略)


上記公式サイトで、展示品についての詳細もPDFで載っている。

  • ポーランド知識はない

 どれくらい、具体的に僕がポーランドについて知らないのかというと、
富野由悠季著の小説とアニメ「リーンの翼」で異世界バイストン・ウェルに召喚されてリーンの翼に選ばれた勇者、聖戦士になってさらにホウジョウ国建国の王となった元日本軍特攻機桜花の搭乗特攻隊員、迫水真次郎王が、戦後日本に異世界から軍事侵攻する計画を立案する際に、東京オリンピック(1回目)当時にバイストン・ウェルに転移してきたポーランド人から戦後の情報を聞いたことがある、ということくらいしかポーランドについて知らない。


 アニメの見過ぎで現実が見えていないッ!(多分、ポーランド共和国の方が世界的にはリーンの翼のホウジョウ国よりも知名度は高いと思う)


 うー。バルト三国とかスカンジナビア三国とかは世界史や地理のテストに出やすいので覚えてたけど、中欧の微妙な小国はあんまりテストに出ないので知らんかった…。場所も知らない。戦争が起きるまで、ウクライナの位置も割とわかってなかった。ガンダムのオタクの割にオデーサの場所も知らんかったしな。ジョージアはフィギュアスケーターのエレーネ・ゲデバニシビリさんのファンだった時期にちょっと調べた。
(酷い話だ)


 一応ショパンはピアノ作家の中では好きな方だけど。あと、ヒトラー政権のドイツに攻められたとかは世界史の教科書で、ちょっと知ってる。
 国旗は日本に近い配色で分かりやすいと思う。


 アニメでも活躍しているワルシャワ国立フィルハーモニー管弦楽団ってポーランドだったのかって今知ったレベル。社会人として糞過ぎるな。なんかオーストリアかと誤解していた。本当に外国人の雑知識ですみませんね。

  • ちょっと調べた

 まあ、その、基本的な地形が平原で、北はバルト海、西にドイツ、南にチェコとスロバキア、東南にウクライナ、東にベラルーシ、北にロシアの飛び地とバルト三国に囲まれていて、
「あー、これは人の往来が激しい上に侵略を受けやすい土地」という感じだ。実際そういう歴史だったらしい。
物語 ポーランドの歴史 東欧の「大国」の苦難と再生 (中公新書)


 ポーランドという国の成立は10世紀くらいらしいので、そんなに若い国というわけではないのだが、今回の展示のタイトルになっている「若きポーランド」というのは、近代的独立を勝ち取るまでの抑圧されていた123年間のポーランド美術についての形容のようだ。
 まあ、第一次世界大戦で独立を勝ち取ったものの、第二次世界大戦のしょっぱなにナチスドイツとソ連に攻め込まれて世界大戦が始まってしまって、そのあともソ連の衛星国になって苦労したらしい。酷いなあ。
 ナチスの反省とベルリンの壁とかで、ここ30年くらいのドイツは真面目っぽい感じに振舞っているけど、基本的にプロイセンとかの頃から軍事大国でしたからね。ロシア(一時ソビエト連邦)も昔も今も無茶苦茶しているし。モンゴルも荒ぶっていた頃がある。


 間の小国はすっごく迷惑!


 んで、よく考えたら僕らの日本国もロシア・中国・朝鮮半島に対峙する西太平洋の国で太平洋を挟んだアメリカ合衆国から盾みたいな扱いをされているわけで。ポーランドは他人ごとではないんだな。


 一応、第二次世界大戦の後、日本は平和憲法を作ったり、極東に対峙するアメリカの同盟国として軍事的経済的な援助を受けて、なんとなく経済大国ですよー、みたいな雰囲気をしているけど。
 朝鮮戦争の戦線がちょっと南下していたら、普通に九州はロシアに占領されてた可能性もあるわけで。
 朝鮮半島は半島国家なので中国と日本の間の通路という感じで割とひどい目に遭っているけど、日本がそうならなかったのは、偶然の産物かもしれない。
 あと、日本から東に船出しても、アメリカ合衆国が安定するまでは、ハワイとポリネシアくらいしか受け皿がなく、通過国にはならず、シルクロードの終点扱いになっていた。多分、太平洋に船出した人は大体、ポイント・ネモで溺死した人が多いんじゃないかな。
(弓の伝来のルートを見ると、南米の原住民の使う弓の形は北海道や樺太のアイヌやアラスカから北米に伝来したタイプと言うよりは、日本や東アジアのタイプに似ているので、太平洋を横断して南米にたどり着いた人の弓、という説もある。しかし、剣と弓と槍は世界中の人類に使われててすごいな)


 そう考えると、日本も今は経済大国とか世界第三位の軍事大国(でも憲法には載ってない)とか言ってるけど、大国の間で挟まれているという点ではポーランドに似たところはあるかもしれない。島国なのであんまり、直接、侵略や占領をされた経験は少ないんだけど。(北海道や沖縄から見るとヤマトやアメリカが占領したとも見えるのかもしれない)


 富野由悠季著のリーンの翼やバイストン・ウェルシリーズは日本人を中心にした戦後の振り返りや考察を異世界の力でするみたいな面もあり(なんでそこに異世界?)、混血児や在日朝鮮人の差別などの問題意識もあったので、バイストン・ウェルのホウジョウ国にポーランド人が呼ばれたのは、そういう意図があったのかもしれない。(まあ、リーンの翼のポーランド人の描写は(アニメでは)サコミズ王のセリフ一言だけだけど)
リーンの翼 3 (角川書店単行本)


※追記
リーンの翼の新装第3巻のホウジョウ国建国編ではポーランド人とかが登場したらしい。
自分で忘れた富野作品の情報についてググったら自分のブログが出てくるのはどうかと思う!
nuryouguda.hatenablog.com




 というわけで、ポーランドのことを全然知らんけど、リーンの翼にちょっとポーランド人描写があるという程度の興味で見に行ったのだ!グダちんの興味は基本的に富野由悠季きっかけだな!


 まあ、クソアニメばかり見て糞みたいなアクセス稼ぎブログばっかり書いてないで、本物の芸術も定期的に鑑賞しないと感性が腐って死ぬので。


 基本的に鬱病なので、美しいものを見ている時と、汚いことをしている時以外は死にたくなる。


  • ポーランドの歴史的文脈

 まあ、ポーランドのことはリーンの翼にちょっと出て、ナチスに攻められたことが第二次世界大戦の発端になったらしい、くらいの知識しかなかったけど、近所で開催しているので。京都に住んでると定期的に国宝とか海外の文化財を見せてもらえるので都人ムーブができる。
 奈良の正倉院展にも行くべきだろうか…。七支刀には興味があるけど、見るだけでは振り心地がよく分からないな。


 でも、ポーランドのことは全然知らんかったけど、こういう絵とか工芸品の展示をきっかけに他の国のことを勉強するのもいい機会である。
 ちょっとWikiを読んだけどポーランドの戦争を描いた映画も結構あるらしく、富野由悠季監督なら見ている気がする。






 先に言っておくと、美術展には珍しく、ほぼ全部撮影OKというイベントだった。作品は一級品だと感じたのだが。
 でも、全部の絵を撮影するのは京都人として野暮なのでしなかった。気に入ったのを3枚くらい撮影して、ポストカードを買った。ポストカードを数枚買ったら図録も買える値段になるけど、図録は…「読むぞ!」って気分にならないと読まないけど、ポストカードは適当に季節ごとにデスクトップの壁に張り替えて日常的に楽しめるので…。割と定期的にポスター(主にアイマスやガンダム)とかも季節ごとに張り替えるべきだが、まあ、やる気があればね。プラモデル用のマスキングテープも便利だけど味気ないので、ポーランド図案のマステも購入。
 僕はケチなのでインターネットには名画の作品自体は転載しないけどな。でも、学芸員スタッフの人に確認して、文章はブログに載せてもいいらしいとの許可を取った。撮影と転載はまた別の許可がいるからね。
 一応、京都国際マンガミュージアムで研究者のライセンスを取ったし。
nuryouguda.hatenablog.com


 それに、なんかポーランドの今回の展示は大国の戦争に翻弄されて占領されていたポーランドの歴史をウクライナやガザで戦争(というか虐殺)をしまくっている昨今の事情下でやっているので、政治的なメッセージ性があると思った。それをこんな場末のブログでも発信することで多少は役に立てないかどうかと思ったのだ。
(でも怒られたら消します)


bijutsutecho.com



 美術館にも政治性はあるよ。スミソニアン博物館には迫水王が乗っていた特攻兵器の桜花を「Baka Bomb」というリーンの翼の冒頭で書いてあったアメリカ軍から見た特攻兵器の蔑称の表記で展示してあるらしいし。参政党の人はアメリカに抗議する度胸があるかな?
(スミソニアン博物館の桜花の表記については諸説あります。僕は飛行機が苦手なのでアメリカには行かないけど)
blog.goo.ne.jp





 19世紀末のポーランドの絵画も、占領下の自国のことを同時代のヨーロッパ諸国にアピールする狙いや、自国の民族性を奮起させる目的で描かれたものもあったようだ。


 なので、芸術にも政治的なアピールはあるし、国立博物館に収蔵されるレベルや国立の芸術団体になると、当然そういう国家的な意図はある。同時に、それを利用して自分の作品を目立たせたい人もいるだろうし、批判的な芸術もあるだろう。


  • ポーランドの芸術と多文化


 ポーランドのクラクフ国立博物館にはレオナルド・ダ・ヴィンチの「白猫を抱く貴婦人」が収蔵されているらしい。日本人はついつい、アジア人のくせにG7のメンバーだからとか言って大国っぽい自己認識をしがちだけど、ヨーロッパのいろんな国も大小の規模があるけど、文化的にがんばっている。それは色んな展示を見に行って自分で勉強していくべきだな。ハリウッド映画ばかり見ていてもアレだし。


 まあ、日本も極東の黄色人種の国のくせにヨーロッパの名画とか民俗の遺産とかを譲ってもらって収蔵しているので。
 バブル経済時期に日本人が調子こいて高値で買ったゴッホのひまわりは今、どこにあるんだっけ?まあ、ゴッホはいくつか向日葵を描いているけど。僕のレベルでは全部の向日葵は覚えていない。まあ、モビルスーツのバリエーションを覚えているようなオタクの神経をそっちに向けたらゴッホの向日葵とかダ・ヴィンチのモナ・リザのバリエーションを覚えられるのかもしれないが。





 理想の女性を追い求めて妖怪に憑り殺されるのは、僕の好きな生き方だ。






 僕も近眼で貧乏なので印象派とかゴッホは好きなのだが、ポーランドにも葛飾北斎やら歌川広重の浮世絵などの影響があるらしい。というか、ポーランドの博物館にも浮世絵が収蔵されているらしく、いくつか展示されていた。




 まあ、北斎漫画と現在の日本のコミック文化としての漫画は違うと言えば違うのだが。鳥獣戯画から続いているという説もあるっちゃあるけど。
 当時から漫画マニアのポーランド人芸術家はいたらしい。


 日本の漫画が世界的に評価されているからと言って、クールジャパンとか言って威張るのは、僕は好きじゃないけど。素晴らしいのは作品であって、日本人全体ではないので。そういうナショナリズムは嫌いだな。(僕は祖父が戦争犯罪逃れだったり、祖母が戦後に妾をしていた関係でつながっている親戚の借金問題が今まさに処理中だったりして、家族、日本軍、そしてそれに連なる日本国家もあんまり好きじゃない)


 そう、僕は「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」というテレビバラエティが嫌いなのである。


 特に、シーボルトが浮世絵を密輸したって回で、「なんでだよ!日本のものだろ、返せよ!」とサンドウィッチマン両名が叫んだのが下品で嫌いだと思った。(僕はテレビはアニメと、あとは景色を淡々と映している番組くらいしか見たくないけど、死んでない方の親がお笑いを見たがるので)


 博士ちゃんという子供がテレビ出て、はしゃいでいるのを大人が嘲笑するような感じも好きになれない。


 まあ、サンドウィッチマンが芸人なので本心からそういうことを言っているわけではなく、番組を盛り上げるための発言だということは分かるんだけど、そういう発言を喜ぶ日本文化を誇るナショナリストの大衆を僕が嫌っているんだな。
 あと、端的に乱暴な言葉遣いが好きではない。


 そのくせ、ルーブル美術館に浮世絵がコレクションされているというのが紹介されると「世界に誇る日本文化!白人に認められた芸術!」みたいに喜ぶ様も不快だったな。


 いや、国内外の美術品とかは、そういうコレクターとか学芸員の国際的なネットワークとかでな…。別に大国に認められたとか日本がすごいとかじゃなくて。
(それに浮世絵は版画なので基本的にコピー品だし…。今回のポーランドのクラクフ国立博物館から出展された浮世絵もちょっと版がズレていたものがあったので、安く売られたか失敗作だった可能性があるけど、まあ、浮世絵の精度の標準値については僕は知らんけどな)


 僕はいろんな国の色んなものが平和的に見られるという現代社会のそういう文化を好いている。


 いや、僕もポーランドのことを全然知らんかったのでクラクフ国立博物館が割とすごいということを初めて知って、小国だと侮っていたことを反省した。



 軍事大国とか経済大国とかニュースによく出る国じゃなくても、やっぱりそこには歴史と住んでいる人があり、そこの人はその国なりに、色々やっている。(雑な言い方)
 ウクライナと同じく平地が多い農業国であるポーランドは軍事大国に侵略されがちだったけど、でも軍人さんも農業がないと死ぬのでな。


 そういう知見を広めるという点では今回のポーランド展を見てよかったなあと思う。

  • ポーランドの民族文化と世界



 いろんな国の風土ごとに色んな生活様式や文化がある。じゃあ、併記しているのは英語ではなくポーランド語であるべきでは?とも思ったけど、まあ、ポーランド語は読めないし、大英帝国とアメリカがいろいろと酷いことをした歴史的侵略や植民地の影響だとしても、現代社会ではだいたい英語の方が通りがいいので、って言う惰性の所はある。



 まあ、英語が広まった歴史的背景には戦争とか侵略があるけど、それはそれとして、そういう共通語的な扱いのもので日本とポーランドも連絡して、国立とか大きめの博物館同士が責任を持って美術品を世界中でやり取りして、僕みたいなフラフラしている無職のオタクでも名品を見せてもらえる。
 


 そういうわけで、やはり戦争には反対だ。僕が安く世界中の珍しい物や美しい物を地元で楽しめるためには、世界的に美術品を平和的にやり取りするネットワークと相互信頼が大事なので。戦争とか思想統制が行われたら僕がいろんなアートを楽しめないから僕は反対ですね。
 僕の楽しみのためだよ!


 僕は日本政府の全てを信じているわけではないけど、それでもまあ、そこら辺のヤクザとか芸能事務所とかエウリアンとか芸術ゴロに比べたら国立博物館や国立美術館など、公的機関の芸術組織は信頼性が高いと思う。いや、京都には個人経営の骨董屋とか画廊もたくさんあるんだけど、僕みたいなボンクラがうっかり三条寺町とかの魔窟の芸術道楽の沼にハマったら普通に破産するので、アニメイトとからしんばんとかに逃げている。本当に京都の芸術界隈とか花街とか、独自の文化やしきたりや価格設定があり、うっかり入ると死ぬ場合もあるからなぁ。
 逆にプラモデルとかオタクグッズの方がまだ安全性がある。


 で、今回の展示に協力してくれたらしい、クラクフ国立博物館ってやっぱり「国立博物館」という名称だと「ポーランドの国がバックをやってるんだな」と日本人の僕でもわかる。反面、京都市国立美術館が京セラ美術館に改名したのは、わかりにくさがアップした気がする。改装して小ぎれいにはなったけどね。京セラの製品展示だと誤解しがちな気がする…。海外ではなんて呼称されているんだろう?(というか、京セラの製品の展示もそれはそれで日本の工業技術の歴史的に価値があるので見たい気がする)


 あ、京セラ美術館のモネ展、見逃したな。なんかいつでも行けるからって雑になってる。まあ、前にも印象派展は何回か見たし…。


www.kyocera.co.jp

 ていうか、京セラギャラリーって京セラが運営している美術館も伏見の方にあるしな。2019年より以前はこっちが京セラ美術館だったらしい。ややこしいな。でも展示物は京セラ製品ではないらしい。


  • 余談のジョジョの奇妙な冒険

 排外主義がよくないのは、そういう意味で外国人から信頼を失ったりして外国の芸術が楽しめなくなるからだよ。
 TOUGHの鬼龍やジョジョの奇妙な冒険の岸辺露伴のような芸術を愛好する日本のマンガ・キャラクターがルーブル美術館に行った時に「黄色い猿に芸術がわかるわけねーだろ」って言われたり殴られたり騙されたり唾を吐かれたり入国拒否されたら、と、日本人が外国で排外主義に会うことを考えたら簡単なことだ。
 そんなことをしたら鬼龍や岸辺露伴にフランス人の方がぶちのめされるに決まってるだろ。(鬼龍が「大人1枚お願いします」とか受付で言うのを想像するとかわいいね)
岸辺露伴 ルーヴルへ行く


 いや、それは冗談だけど。クルド人とか中国人とか不良外国人とか不法移民とか言われるけど、クルド人にもユダヤ人にもアラブにも中国にも文化芸術はあるに決まってるだろ。クールジャパンとか言って自国だけをすごいって言うのはダメだと思うなあ。浮世絵とかウクライナのプラモデルとか相互に影響を与え合って、平和的に発展していく方が楽しいやん、うれしいやん!


 それとはあんまり関係ないけど、美術館には照明の加減とか、距離とか、配置されている高さとかがあって、自然とレッグランジやスクワットや立木のポーズやジョジョ立ちのように頭の位置を調節するために体全体を使うよね。混んでる時には合気道の足さばきがかなり有効だし。
 芸術は武術に通じるっ!


 いや、冗談だけど。でも、目で作品を見ているだけだと体が退屈するので、顎に手を当てて見たり、人差し指を動かしてみたり、腕を頭の後ろで組んでみたり、芸術を感じる時に体でリアクションするのが楽しいタイプ。いや、暴れないけど。戦争がよくないのは美術品を壊すからだし、美術館では大人しくしますよ。でも同じ姿勢で作品を見続けるのも背骨によくないので、ちょっとストレッチするくらい…。


 まあ、国内で犯罪をする外国人に対しては、警察が真面目に英語とかアラブ語とかを覚えて、真面目に取り締まりなさい。言葉が通じる日本人にめんどくさくて細かい取り調べや交通違反規制をして時間を潰しているんじゃあないッ。


 京都に住んでたらもう、外国人観光客も世界中からいて、もう慣れた。むしろ、外国人が悪いことをしているというより、日本のローカルルールがわかりにくいというのも見てて感じる所ではある。まあ、最近はスマホの翻訳アプリとかでバスの運転手や駅員さんも多言語対応しているのを見かけるんだが。それに外国人観光客が来ない僻地の神社は歴史があっても儲からないから廃墟になっているのを、山歩きの途中に見かけて、「そういう地元の神社を廃れさせている日本の商業主義的な観光開発の神社仏閣事業もどうかと思うね」とか感じる。


 それに、最近は普通に日本人が東南アジアとかで国際詐欺犯罪をしているらしいし、ウクライナやロシアで従軍している日本人傭兵もいる。日本人も普通に外国に迷惑をかけているから…。


 みんな、仲良く、仲良くな…(シグルイのように)。

  • 仲良くしたらヤル気がなくなる


 今回の展示で集中的に扱われたのは第一次世界大戦前のポーランドの分割統治時代の民族のアイデンティティを維持するための作品とかそういう時代の物が中心である。



 「失われた祖国のアイデンティティ」という主題がなくなると、国威発揚、民族独立運動という芸術の役割がなくなってしまう、というポーランド芸術史の自己認識のシビアさに、複雑な気持ちになってしまった。


 皆が仲良くして平和な世界だと、日本に住んでる僕みたいなボンクラでも気軽に世界中の美術品を見せてもらったり、植物園にも珍しい外国の種を譲ってもらったり、パンダが来たり帰ったりする。(日本で生まれたパンダには日本国籍はないのか)


 でも、平和な世界だと、「占領されてムカつくから、気持ちを芸術にぶつける!」というアートの機運ややる気が減ってしまう、というのもあるらしい。


 まあ、ゴールデンカムイとかも抑圧されたアイヌとか民族や貧乏人の抵抗とかだし、クールジャンパンというのもやっぱりアメリカの属国になっている日本のささやかな抵抗という面もある。
 カムイ外伝とかアシュラとか学生運動が盛んだった時代には階級闘争的な主題を扱った漫画もたくさんヒットしたし、オタク文化の抑圧と承認とか、ロックンロールとか、抑圧が産む文化というのは確かに今もある。


 でも、抑圧自体はよくない。暴力なので。うーん。

  • 問題は常設している

 というわけで、時間は足りなかったけど、常設展も冷やかしてきた。


 日本は戦後に男女平等になったけど、やっぱり女性が抑圧されていた、という問題が常設展にあった。


 そして、今はフェミニズムやジェンダー平等が政治的に正しいっぽい風潮になっているけど、キモくて金のないオッサンを見下して上島竜兵が自殺したりする風に男性が抑圧される場合も発生している。ネット広告で脱毛しろとか禿を直せとかチンポをでかくしろとか投資して転職しろとかめっちゃ表示されるけど。
 僕はチンポのでかい短髪のオッサンだけど、世捨て人になったら見た目とかは割とどうでもいい…。筋トレはあくまで機能性の向上だ。


 なので、問題を解決したら芸術的な衝動を産むフラストレーションは減るけど、でも、世の中から全ての問題や抑圧が解決されるということも、短期的には期待できないんだろうなあと思う。


 公平さや正確さを期待されていた人工知能も政治的な扇動や大企業の宣伝やコストカットに使われたりするし、人類の文明は道半ばだが。資源が枯渇しないで欲しいなあ。
 太陽電池もめんどくさい燃え方をするし。


 うーん。美しいものを見たら気分がいいけど、そういうものが存在する世界は全てが美しいわけではないので、なかなか難しい。


 でも、美しいものを大事にしたい気持ちは古代から哲学の中心にあったし、虚無主義的な仏教でも偶像崇拝を禁じるイスラム教でも独自の建築芸術があるし、ねー。人間ってのは、まあ、色々やるわけだよ。


 僕は仏陀とかではないので、特に世界を良くするとかの結論は出ない。そういう感想でした。


 でも、ポーランドのことをほとんど知らない状態で展示を見に来たけど、割といいものが見れたと感じたのは事実なので、他の知らない国のことや文化にも興味と敬意をもって人生のレコンギスタ活動をしていこうと思うんだ。


 結局、富野由悠季じゃねえか!(一応、オチをつけたつもり)

  • ほしい物リスト。

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匿名で住所を伏せてプレゼントを送るための、つかいかた
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