玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


          Sponsored Link Google AdSense 広告

謎の彼女X 1話 原作厨的にも出崎統ファン的にも美味!

こんなにおもしろかったかなあ?!この萬画って!僕はブログに昔から植芝理一の本の広告を(売れてないのに)載せ続けていた原作厨だったのだが、改めてアニメを見たらすごく良かった!
うおおお!植芝理一の絵が!動いている!CGになっている!音が!声が!時間演出が!感激!

謎の彼女X(1) (アフタヌーンKC)

謎の彼女X(1) (アフタヌーンKC)


おれは、おれはよぉ・・・、糞サブカル大学生の頃、アフタヌーンIKKIを読んでてよぉ…夢使いの虹の卵編の「女子中学生の性欲の塊なのよ!」という台詞で一発で植芝理一のファンになってよぉ…ディスコミュニケーションも全部買ってCGイロハのイも持ってるのよ・・・。植芝理一ファンなのよぉ…。(ディスコミのドラマCDは持ってないが、単行本未収録3話は持ってる)
そんな原作厨がよぉ…、夢使いのアニメは正直原作からかけ離れている上に脚本の小林靖子さんも「あれはだめだった」って言うほどの出来で、、、
まあ、夢使いのアニメは歌は良かったし、小林靖子さんのリベンジ小説版は面白かったから、それはいいんだ・・・。いいんだけどさあ、、、


謎の彼女Xはそれ以上に本格派植芝理一アニメと言えるのではないでしょうか!!!


だいたい、単行本は2,3回読んで、最初の方は読みかえしてなかったけど、読み切り(アニメ版1話、単行本1巻収録)は夢使い以降、久しぶりの植芝萬画と言う事で切り抜いて今も保存して数十回読んでるんだが。改めて読み返したくなったな!


というか、原作の隅っこの小さな一つの書き込みから、椿の花と蝶のイマジネーションをアニメーション1話のモティーフにするのは、とても原作信者としても嬉しい演出だったと言えるのではないでしょうか?!いえ、言います!


ていうか、出崎統っぽい演出もすごかった!
具体的に言うと、全体的な雰囲気が出崎!
監督、演出の渡辺歩さんって、こんなに出崎系だったかなー?むしろ、ドラえもんの人だと思ってたのに、すごく出崎統だった!そして、俺も出崎統ファンなので、二度美味しいいい!
(まあ、ドラえもん出崎統ジャングル黒べえで繋がってるんだが)
ここらへんは出崎統の人である id:mattune さんに語ってもらいたい。


いやー、原作を読んでた時にはここまで出崎要素が強くなるとは思ってなかった。
たしかに、光る涎や光るゲロは出崎統だよな!うん!納得!
夢の絆とか、CLANNADやGenjiだしな!
卜部のバックに蝶が飛んでる所の横パンの切り返しが出崎臭かったし、
出崎水面、出崎電車、出崎透過光、出崎映り込み、出崎街の灯り、出崎主人公の過剰なナレーション、出崎欲情シーンで瞳が光る、出崎時間の流れの速さがシーンによって違う、出崎同ポジションバンク回想の3回繰り返しによる擬似的3回パン、出崎ヒロインの男を魅了する天然っぽい所が神尾観鈴や古川渚に似てるんじゃねーか?などなど、
出崎統っぽい演出技法が、出崎パロディとは思われないギリギリのラインで、むしろ「原作に忠実」なストーリーラインであるにもかかわらず、盛り込まれていて、スゴイ!


あと、卜部美琴役の吉谷彩子さんの演技がすごかった!
アニメにおいて、こういう、ハッキリしない声は「モブキャラ」や「ガヤ」の脇役の声として使われる事が多いが、サブカルチャー映画に出演してる女優っぽい声質の質感が「謎の彼女」感を出していて、とても謎だった!サブカルっぽいよーッ!主題歌も歌う!しかも歌が上手い!
っていうか、卜部美琴って、こういう声だったんだ。もっと、綾波レイ系の無口系ヒロインだと思って序盤は読んでたんだけど。でも、最近の連載だと結構活発な一面もあるんだよな。だから、卜部の声はこういう「印象が定まらない感じ」で良いのか?
というか、「椿君、また明日ね!」って言う所、原作ではすっごく小さいコマなんだけど、アニメ版では結構な大きなコマでテンポがゆっくりで、じっくり見せるシーンになってる。(まあ、アニメはコマの大きさが変わらないんだけど)
その、「椿君、また明日ね!」「明日も、明後日も!」の言い方が原作では感じ取れなかったような明るい演技で、これはむしろ「卜部の声はこういう声なんだ」という役者論より、「卜部の演技プランをこういう演出で行くのか」という作劇論の観点での感覚を刺激されたな。
ここで、卜部に明るいトーンの声を出させるって、なかなかだぜ?
萬画だともっと淡々と進むシーンだったのに。(まあ、ハサミ発動必殺技シーンがアニメ1話では大胆にカットされてアニメ2話に持ちこしだから、テンポ調整もあるんだろうけど)
こう、卜部の声は萬画の中の想定では基本的にもっと淡々としてて、突発的に大声を出す、って感じだと思ってたんだけど、こういうさらっとした挨拶の所で、卜部が元気な声を出す、という演出意図を明確に打ち出してるのは、演出家の本気のオーラを感じて、単なるアニメライズにとどまらない熱意として認めることとなった。
この「メディアの違いを意識せよ!」というアニメーション作家の矜持が、結果的に出崎統っぽい道筋のアニメになっているという事かもしれん。出崎統の世界の模倣子は受け継がれているぜ…。統よ・・・。

アニメーション監督 出崎統の世界 ---「人間」を描き続けた映像の魔術師

アニメーション監督 出崎統の世界 ---「人間」を描き続けた映像の魔術師


あと、主人公の椿明くんの部屋に貼ってある植芝理一らしい背景書き込みのポスターからの、映画研究部に在籍しているサブカル高校生っぽいオーラが、マンガ版よりも格段に増大している!(映画研究会設定は連載が進んでるうちに発生したものだから、原作読みきりでは少なかったのかな)
っていうか、R・ドロシー・ウェインライトが炸裂しすぎだろう!ビッグオー・アクション!

卜部美琴が首を傾げる所のシャフト角度は原作でも在ったけど、椿の部屋の小道具の描き込みがシャフトっぽくてアニメとしても人気が出そうで俺は嬉しい。

figma THE ビッグオー R・ドロシー・ウェインライト

figma THE ビッグオー R・ドロシー・ウェインライト

そしてエンディングのイラストがフェティシズムと窃視欲求の発露と爽やかな歌声で大林宣彦イズムに溢れているな!
あと、アニメになったことでよだれのチュパ音がエロアニメ的にすごい。


今期の糞サブカルをこじらせたおたく処女厨童貞リビドー炸裂青春学園アニメーション枠はこれで決定だな!ポスト輪るピングドラム


原作:植芝理一講談社月刊アフタヌーン」連載)

監督:渡辺歩

シリーズ構成・脚本:赤尾でこ

キャラクターデザイン:小西賢一

総作画監督:金子志津枝

美術監督池田繁美ダンバインとかの人)

音響監督:三間雅文

アニメーション制作:フッズエンタテインメント

製作:風見台高校2年A組

DVD買うかもしれん!
ユーザーが買い支えないとね!

DVD付き 謎の彼女X(9)限定版 (アフタヌーンKC)

DVD付き 謎の彼女X(9)限定版 (アフタヌーンKC)

ブクマコメントへレス
id:fellows 卜部役の人はアニメ声じゃないけど20代女優声としてはスタンダード。
渡辺監督はドラえもん映画で俳優声優起用慣れてる。ちゃんと狙いを付けて女優を起用してます。ジブリみたいな知名度への寄生でもなさそうだから、演出意図を見守りたい。
あと、ジブリアニメ出身の入野自由さんや梶さんたちで脇を固めてるから芝居の配役バランスとしては良いかと。


id:kaitoster 細かく抑揚の演技指導を付けてるので棒じゃないですよ。笑い声とか。
教室で爆笑する時の卜部の「フヒヒ」って感じが生々しくて楽しかった。


ちなみに原作読者として、「アニメから入った人」にネタバレ。


今回、伏線っぽく提示された謎は、原作でも全く解決してないので、安心して見たらいい。