テレビで結婚式場が1階にあるビルの8階には風俗があると紹介されていた。
カメラがエレベーターに乗って8階に行くと、そのフロアーの中に十数個のコンテナがありそのなかでプレイというか性行為をするんだという。
どうやら、ここは風俗のターミナルステーションのようなもので客と風俗嬢を入れたコンテナは次々とクレーンに釣られてビルの中の立体駐車場のようなスペースに格納されていった。全部でどれくらいの人間の性欲を満たせる容量があるのかは見当もつかないが、このフロアーには百人弱くらいの客と十数人のスタッフ、そして商売女がぞろぞろと居た。
僕は桜昌(おうしょう?)という源氏名の女といたす事になったのだが、中国人なのか、ビミョウに会話が成り立ちにくい。
とにかく僕は値段が知りたかったのだ。2,3分話すと桜昌さんが壁を指差したので、そこにファーストフードの様にオプションと値段が並んでいた。それを見ると、基本料金が150円(!)で数十種類のオプションも一つ数十円レベルで、一番高いおもちかえりコースでも3000円にしかならない。これでは全部やっても2万円を越す事も無かろうと安心した。
そこで、契約する事をスタッフに告げると桜昌さんがコンテナとその中の道具の準備をするので少々待つようにと僕に言って去っていった。
そこで、フロアーの中の人間を観察しながら待つ事にした。しかし、風俗に来るような男どもというのはなぜこうも視線が泳いでいるのだろう。どこを見ているのだろう?死んだ魚のような、という印象も通俗的過ぎるか・・・。
とにかく、そのだらしの無い目、だらしのない表情、だらしの無い体つき、だらしのない服装、だらしのない声、だらしのない雰囲気、だらしのない精神が不愉快になってきた。
4,5人のグループで女を買いにきたと思しき男たち。お互いに目を合わせるのかあわせないのかという曖昧な視線で、体がゆらゆらと揺れながら下卑た会話で笑っている。
ほとんど白く脱色したジーンズからよれたシャツが半分だけはみ出している。
肥満したあごからは無精ひげが生えている。
ボーダーのTシャツの肩にはフケとも垢ともつかない粉が乗っている。
そういう男たちが女を買うのだ。
もう少し、清潔にしてこようというデリカシーも無いのかね?いや、所詮商売女か・・・。
しかし、僕自身も傍から見たらあのような表情をしているのかもしれない。
と、そこへ桜昌が戻ってくるのが20メートルくらい先に見えた。
チャンネルを変えた。
NHKアーカイブスでは「60年代アメリカの風力発電の問題」についてやっていたので、それを見た。
60年代、アメリカでは次々と風力発電所が設置されていきました。
しかし、ある密度以上の間隔で風車を設置すると、それが発生する磁場でお互いが引き合い、中心に向かって倒壊するという現象が多発しました。
(ここで、ビルや道路をなぎ倒して倒れる風車が10基くらい映る)
そこで、直線状に風車を配置し、かつコストダウンを測るために大型の吊橋の柱の先端に風車を設置するという計画が持ち上がりました。
これは、当時のハイウェー建設計画に組み込まれ・・・