玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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∀ガンダム月の風を読んだ

ターンエーガンダム外伝ロランの日月の風という長いタイトルだったのが短く。っていうか外伝ではなく正史に認められたようだ。
読後感はVガンダム外伝に近い感動があった。
企画段階で富野監督や河口プロデューサーの助言があったようなので設定的にこれまでの小説版などとの齟齬があったとしてもよいと思う。
アニメの設定はまだ見直してないので忘れた。

ターンエーガンダム 月の風

ターンエーガンダム 月の風

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発売前に、月の風が売れたらいいと思って、めちゃめちゃほめた。
で、買ったのだが、ほめるばかりではいかんと思ったので、今度は辛口の意見を書いてやろうと思って付箋をつけながら読んだ。
そしたら、けなすべきところがほとんどなくてまいった。
付箋は面白いところに貼った。
97ページのハリーのキックが効果音で隠れているのでヘルメットが割れたかどうかわからないくらい。
効果音の入れ方は難しい。
だが、ディアナ様が目覚められるところの効果音が集中線をかねているところはとてもすばらしかった。
スーパーアイキの効果音も強そう。
ペンタッチがころころ変わるのが、あたりさわりのない漫画に慣れたのには新鮮だった。絵の上手さよりは全体的な絵柄の統一感を気にするのが最近の主流だと思うが、絵柄がころころ変わりながらもキャラの同一性を保っているし、表情の豊かさが出ているところもあり、個性的だ。
1話では長官が横書きでしゃべってたのが漫画の文法としては珍しいと思った。
あとはロランが「モビルスーツ隊形」と一人なのに言ってるところは馬鹿だなあと思った。体形だろ。ジェリドよりはましだが。
ガンダムSEEDフェアよりもひげのプラモがあたるといいと思った。
ディアナ様のぼうしがくじらっぽくてかわいかた。
ディアナカウンターのヘルメットは顔が見えずらいのが修正されていてよかった。
カウダータがたまねぎ頭である意味はわからないが、空気抵抗とかかなあ。かわいい。
マゴさんはあんましわからなかったけどトゥイさんはわかった。
書下ろしはあんましわからなかったけどグレイはかっこよかった。
最後にグレイと話しているロランのTシャツ姿のガタイがよくてちょっと成長した感じがあってよかった。
シャルル・グレイというのは、ロゴ・ダウの異星人のような名字と名前なのか。
ハリー・オード19歳という公式設定は今まで信じていなかったのだが、ハリーがBLOOD+のハジのような少年ボディーガードとしてディアナ様にかわいがられてるのを見ると、ハリーは19歳でもすごいやつで超カッコいんだと信じられてよかった。一子相伝
ロランの親父は超カッコいい。ブレンパワードを見ていると、親の主人公に対する影響とかを考えるのだが、やっぱり良い親父がいたほうが主人公のメンタリティーが安定するということだろうか?
シーブックとか。
でも、母親はいないんだよねー。口うるさいからか?叔父さんが母親の弟ならリアルだと思う。
父親が音信不通で叔父さんに引き取られて叔父さんが死んでて運河人に育てられたというのはほかの設定ともぎりぎり整合性がある絶妙なラインだな。
最後に手紙が来てよかったよかった。地球に行った後、親父さんのことをまったく気にしないがな。
読んでたら朴璐美さん、高橋理恵子さん、稲田徹さん、ジュンジュンの声でセリフが聞こえてきたし、他のキャラのセリフも活き活きとしてたのが良かったです。


ところで、みなさんはakimanさんはどんな人だと思っていますか?
ストリートファイターシリーズの人でしょうか?ターンエーガンダムキャラクターデザイナー
キングゲイナーコードギアスメカデザイナー?さまざまな媒体で活躍するイラストレーターでしょうか?
僕にとってあきまんさんはとてもおたくだとおもいます。
富野監督が「安田君はオタクの王様だから」と仰ってたのの受け売りです。
どれくらいのオタクなのかというと「オタクはアニメを作るな!」というトミノ監督があきまんさんにはアニメを作らせるくらい。
あきまんさんのオタク文化に対する思考の深さはすばらしいのです。
それでいて、オタクなだけでないのは本書の解説で福井晴敏氏や氷川竜介氏があきまんさんの文化や情報を取り込む貪欲さについて語っているのにも現われている。
僕もあきまんさんはとても賢いと思うし、おたくごころをわかっていると思う。
そんなあきまん安田朗)先生が満を持して萬画家デビューしました。
デビュー作にはその作家のすべてが詰め込まれているという。
月の風は、
ガンダムシリーズであり、スペースオペラであり、ロボットものであり、SFであり、フィロソフィー・フィクションであり、政治物であり、階級闘争ものであり、ギャング物であり、サスペンスであり、ホラーであり、オカルトであり、ドタバタであり、ギャグあり、小ネタあり、お色気あり、恋愛あり、萌えあり、燃えあり、親子の情があり、スポーツものであり、格闘ものであり、学園ものであり、青春ものであり、第三野球部っぽくもあり、少年漫画であり、少女漫画っぽくもあり、手塚漫画であり、竹宮惠子っぽくもあり、美麗イラストでもあり、かわいい絵本でもあり、アイドルまで出てきて、ロランがかわいくて、ガンダムだ。
これほどの内容がたった1冊にまとまっているという事実があきまん安田朗)先生の萬画家としての実力をしめしているのであり、超面白かった。
びびる。
伏線の使い方や情の流れも王道で上手い。王道といってもテンプレではなく、いろんな要素がテンション高く混合しているので予想をする暇もなく引き込まれる。
おもしろいなあ。
というわけで、安田ファンやガンダムファンだけがこの漫画を読むのはもったいないと思う。
ガンダムXターンAガンダムガンダムシリーズとしてではなく、ひとつの作品としての価値を見出してほしいというメッセージがあったと思うのだが、本書も漫画としてのパワーがあるので面白漫画だよー。
絵柄もかわいいし、筋もわかりやすいし、ストーリーにさりげなく「正義って何だろう」「本当に強いとは何だろう」という少年漫画の王道のテーマが示してあるので小学生にもおすすめ。ためになるとおもう。
ロランみたいになればいいと思う。
いいご本ですよー。


ラストのハリーとディアナ様の書き下ろしイラストで幸せ〜
あきまんこと安田朗ウルトラマンコスモス