玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。旧玖足手帖から記事・ブクマを引き継ぎました。


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∀ガンダム第8話ローラの牛

脚本・高橋哲子 絵コンテ・横田和 演出・渡邊哲哉 作画監督・鈴木藤雄


http://www.geocities.co.jp/AnimeComic-Pastel/3829/words08_TurnA.html


停戦中なので、今回の敵は牛です。
Gガンダムでは牛ガンダムと戦いましたが、今回はリアル牛対ガンダムです。なんだよそれ。ふざけてるの?


しかし、そうではない。
かなりまじめだし計算されてる印象。
今回はロラン・セアックがムーンレイスだと明かす話。
劇場版ではスルーされたり、その後のテレビ版の展開でもあまり大きく扱われなかった(らしい)エピソードですが、一応やっておかないといけない話ではある。
そう言う必要条件な話なんだけど、同時にムーンレィスの民間人、地球の農民、ムーンレイスに土地を譲った領主、ディアナカウンターの兵隊、親衛隊のハリー、ミリシャ、降下検体3人組の立場の違いで物語を膨らませたり、物語事件に対するそれぞれの立場での必然的な反応の話でもある。
あと、前回、暴漢を取り逃がしたホワイトドールが牛や豚を相手に手先の器用さを修行するというロボット訓練の話でもある。
ここら辺のロボット特訓は機動戦士ガンダムコアファイタードッキング訓練とかククルス・ドアンの島みたいな感じで好きです。
ターンAガンダムはそこらへんが牛とか豚って言う牧歌的風景に偽装してるけど、ロボットマニピュレーターは大事だぞう。
そういうロボット性能のアピールが、パトレイバーの爆弾処理とかじゃなくて、牛と戯れるガンダムっていうユーモアにもなってる多重性はうまいなあ。


そーいう多重性は富野アニメっぽくて好きなんだが。富野監督自身は「ローラの牛やアニス・パワーは自分としてはあまりチェックしてないのだが、一般的には好きだという人が多かった。ただ、一般の人はグッズを買わないから・・・・・・」という風におっしゃってた。エッセイで。
そこら辺は高橋哲子さんのセンスなのかなー?あんまり女性ならでは、っていう言い方はしたくないんだが。
むしろ、高橋哲子さんって言う四六時中トミノ監督にセクハラをされた人がトミノ思考を自分なりに解釈したっていう感じ?トミノっぽさもある。それでいて、富野監督の価値観とはちょと違う。

あんまり他のアニメでこういう複雑に混乱しつつさりげなくユーモラスって言う話も少ないし。富野アニメならスタッフも実験ができるっていうところはあるのかもなー。
撮影所とか、模倣子コピーやオープンソース


で、ロランがムーンレィスだとばらすって言うフラグは大事なんだが、登場人物たちはムーンレイスとか黒歴史の真実とかモビルスーツの仕組みとか、ターンエーガンダムの謎とか、SF的なところには興味がないみたいです。
視聴者的にはそこら辺が本放送時は歯がゆくてわけがわからなかったです。
そもそも、異世界ファンタジーなのか、コードギアスみたいなパラレルワールドなのか、過去の話なのか、未来の話なのか、宇宙世紀なのか全然わからんからなー。GガンダムとかガンダムXはまだガンダムファイト宇宙戦争って言う設定を最初に言ってるけど、ターンAは投げっぱなし。
一応終盤になってから怒涛の超設定が描かれるんだが、序盤からかなりSFとしても異常な話をやっているのに、それは全然表に上がってこないので、放送当時は理解を超えていたなあー。
(そんな僕も成人してからガンダムシリーズを通してみたりすることで、ダンバインリーンの翼ブレンパワードも初見で余裕でした)


むしろ、SFだと思ってるのは視聴者だけで、そういう説明をほしがるのも視聴者だけで、中の人にはそういう都合は関係なくて、とりあえず武器は使えたりいいし、敵の素性がわからなくてもとりあえずつっかかるし、とりあえず明日のご飯のほうが大事という。
そういうリアル。
ですよねー。
どんな異常な時代でも人間、っていうか生物はこうですよーっていう生活観がいいですね。


でも、そこら辺が、オタク批判とかでもない。
イスラエルパレスチナ問題とか、為政者の都合に振り回される人とか、脱サラして田舎で農業をしようとしたおじさんが現実に困る、って言う要素はあるものの、コードギアス 反逆のルルーシュR2とかガンダム00の竹田プロデューサーアニメみたいな、物語を風刺に使ったり、高い位置からキャラクターを操作するって言う戯画的な感じも受けない。
(まー、竹田アニメは大状況とは区別されたところできゃら萌えって言うのも大事なんだがな)
風刺的意味合いキャラ付けよりもキャラクター個人の都合がストーリーを作る。
「このキャラクターの意見が正しくて、こいつは間違ってる」っていう価値観やテーマがなくて「こいつの位置ではこう言うし、あいつの位置ではああ言うから、こうなる」って提示するだけ。
ヤーニ軍曹はかなり人を殺してんだけどな。でも、ヤーニなら仕方ねえよなーって。
これは巧妙なだけかもしれないけど、富野監督自身が「キエルさんのスカートに頭を突っ込みたい!」って萌え狂ってるおじいちゃんだからなーあ。
どうかと思う。

  • 突っ込み

ムーンレイスなんか飢え死にしろ!といいながらしっかり赤ちゃんをあやしてるソシエがお人よしでかわいい。お嬢様だから家政学はやってるのかなあ?
怒鳴りながらだからうまくはあやせてないけど。



キースとフランが地球で着々と出世するサクセスストーリーっていうのも、ターンエーガンダムの機能拡張とあわせてわくわく。
ディアナカウンターの軍票はお金としてどれくらい使えるんでしょうかねえ?


フランの新聞記事は「THROVGH LOURA〜」って、ローラを通して、ならTHROUGHだと思うんだが。活字ミス?古語でもない気がするしー。
あとローラ・ローラは片目を眼帯で覆ってたのだが、今回のローラは両目が写真に写ってるしハリーにも見られた。
いいのかな。
あと、今回のロランの軍服を見て女と思うハリーはどうかと思う。とっさに声色を使うロランもだけど。
っていうか、その後に「僕はムーンレイスなんですよー!」
だからなー。無謀だ。
ハリーって本当にだまされてるの?
ハリーがいきなりかっこいい車で乗り付けるのもちょっとむりやりだが。
まあ、ハリーはナイト様だからいきなり来ていいのだ。


フランの好きな人って誰よ?キースとローラにはできたっていう話か?






そーいう突っ込みどころはありつつ、ただ、今回はローラの嘘を軸に色んな人の主張がぶつかり合って、それがカミングアウトに収束するって言うのは、きっちりとうまい構成だなーって思った。
「はは、あの子は一つの秘密を隠す為に、他の事には正直であろうとしています。だから、とてつもなくいい奴なんです 」
って、キエルさん以上に影から主人公の秘密を理解しているイケメン振りを発揮する御曹司。これはポイントが高い。
ロランが女の子で普通の少女漫画だったらよかったのにねえ。
SF漫画みたいに性転換できたらよかったのにねえ。
ロランは女好きなんだよー。