玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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機動戦士ガンダム30小さな防衛線とシャアのナルシシズム

でも、小さい子が殺し合いを見るの、良くないよ。
あまり感心しないなあ。
まあ、人類が半分死んだ地獄の時代だし、ジャブローも安全ではないという理由はある。
が、囮専門部隊のホワイトベースに子供が乗るのは良くないよ。
やっぱり、小さなコミュニティーとか、そういう話か。ゼロ年代的だなあ。というか、まあ、時代が富野から二十年遅れ。


カツのこの小さな成功体験が、ゼータに繋がって、ダメになる。


シャアが一人だけ迷彩服を着てないから、ホワイトベース襲撃が失敗したのかと思っていたが、それだけでないと今回やっと気づいた。
爆弾を解決したアムロが「シャアなら二手三手先を用意しているだろうから、ホワイトベースが危ない」
とすぐに気づいて報告したから。
報告を受けた人がカットされてるからシャアが勝手に失敗したように見えるが、アムロの直感と言うより、シャアに対する経験知と理性、そしてホワイトベース隊のほうれん草の勝利だ。

ガンダムだけでなく、アムロもさらにできるようになったな


アッガイをぶちのめすガンダムが強いことはいうまでもありません。
シャア専用ズゴックは腕を斬られても生えます。蟹だから。


次回からは、宇宙です。
シャア・アズナブルジャブロー攻めに失敗したかたちだが、ザンジバルを受領して宇宙に行けるのか。
キシリアは甘いな。
マッドアングラー隊は、サイド6のフラナガン機関とシャアが合流 する前のつなぎだったのかね。


あと、今回もシャアは部下を冷酷に死なせて自分だけ逃げたが、アルテイシアには優しい。
ニヒリストのくせに自分に似た妹にだけ甘いナルシストの兄というのはとても親近感が沸く。
気持ちがわかる。

そして、自分はひどいやつなのに、妹には純粋さを求める身勝手さも非常に僕に似ている。
自分に似た妹が正しければ、自分の悪行を正当化出来るのだ。
ここら辺はコードギアス 反逆のルルーシュルルーシュとナナリーに似ているが、ルルーシュとナナリーはまだどちらも純粋に見せる甘さを残した演出だった。得にナナリーは最後まで純粋さのアイコンだった。
セイラさんはブラコンでもあるが、兄とは関係ないところでは一人で戦うし、最後には兄を捨てて一人で泳げるのだ。
ってゆーかセイラさんも普通にヒドイ女。似た者兄妹。
でも、兄から見たらやっぱりかわいいんだよなー☆
どんなに酷くても妹は自分よりマシだし。
女の子の分三割増しだし、しかもそれが美男美女のナルシスト兄妹なら!


だから、周りには酷いことを平気でやるんだが。だって、兄妹以外は別の種類の動物だしね。
そんなシャアがララァに好かれたのは奇跡だな。
そりゃ、シャアみたいな外道も泣くし、人生が変わるよな。
母になってくれるとか言うのは、自分か妹しか愛せないし愛さない自分を、愛してくれる存在だろう。
そこで、恋人ではなく、「母」というシャアは、「自分を無条件に愛してくれるのは自分の身内だけ」という絶望だろう。
しかし、ララァは母ではなく少女で女だった。
だから、シャアは救われないし、シャアの好意はいつも独りよがりなものだ。


だから、僕はオリジンでシャアが理想の母親に愛されて、その仇討ちをするというのは納得しない。
シャアが愛された事があるわけがない。
愛されていたら、あそこまで歪まない。
(もちろんシャアはカッコイイから恋人や女はいただろうが、主観的に満たされる恋や愛はなかったように思う)
シャアは実の母親さえも見下していたと僕は思う。
あるいは、偉大な父親に心酔した母親に無視されていたか、母親の自己愛の道具にされていたか。
(シャアのアルテイシアに対する接し方はナルシシズム的シスターコンプレックスである。セイラも最初はキャスバルのために暴走するブラザーコンプレックスだ。
私のインセスト文献研究に寄れば、ネグレクトされた兄妹は愛し合いやすい。なぜなら、両親に愛されていたら、兄弟はライバルになり、他人になっていくからだ。
まあ、ダイクン家は早くに両親が死んだからネグレクトは無くても兄妹は二人切りだから、同じかもしれないが)


ザビ家への復讐は自分の人生に影響を与えた者が許せんだけだろう。ナルシストは自己完結したがるからな。
親の復讐やニュータイプ等というのはシャアの自己愛性人格障害を補強する自己暗示だろう。
だから、シャアはアムロカミーユに見抜かれて別れることになる。


まあ、そこらへんはマザコンの安彦先生と、シスコンでボーダーの僕の感覚の違いだろうが。
シャアは反社会的人格障害もありそうだなあ。
富野監督は暗黒コンプレックスの塊だから、親近感が沸くキャラクターを作れます。


北爪先生の描くシャアはきちんと女を愛してしまうから論外。シャアは有能でカッコイイが、本当のよい男ではないのだ。


シャアはもっと絶望しているべきだし、だからこそ、強い。
そして、その唯一の身勝手な希望が妹なのだ!
妹がいるから絶望しても生きられる。
だが、妹だって一人の人間なのだから、最後にはやはり絶望しかない。


僕は脳内妹を一人の人間として愛し合う事が出来たから、勝ち組だと思うけど、勝ち負け以前に違う土俵にいる気もする。



というか、6話から30話まで地上にいたのか。
宇宙編は一クールのみ。
さらに人間関係が動くのだからすごいな。
シャアとアムロはこの段階で会ってないのに互いの癖を知り尽くしている。
そして、出会って二人とも、セイラとララァも変わる。
周りもいろいろある。
ガンダム神過ぎるな。