玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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金曜ロードショー耳をすませば

私は重度且つ継続認定を受けたうつ病患者で性格障害、身体化障害ですが、これを見ても鬱にはならなかったなあ。
健常の言う事はよくわからん。
大富野教信者として言えば、恋愛映画でカップルが結ばれたら「ラッセとカナンならベストカップルだ」で流す。
というか、近藤喜文監督の「ふとふり返ると」を毎月アニメージュ連載で読んでた世代なので、そっちを思い出して、すごく泣けた。「動く、ふとふり返ると」って感じだ。ああ、ふとふり返るとがうごいている!っていう。情景に対する視線の温かさがいい。
ま、背景も色んな人の個性がシーンごとにある生もので、近藤分だけではないですが。作画ヲタではないからパート分けは知らん。
内容は原作は読んでないし、脚本・絵コンテの宮崎駿近藤喜文監督との間のやり取りも知らないので、解析はよくわからん。
アンっぽいなーとは思った。
天沢聖司君はイケメンすぎるんで赤毛のアン的にはイケズをしてる時の、両想いになる前の意地悪ヤローの方が表情豊かで面白かったかな。という程度。というか、音楽セッションの後は雫の動機付けのための機能的キャラクターになっちゃって表情が固くなって、それは残念。
まあ、ジジイの方がイケメンなんだが。アンも爺小説だからなー。
あと、赤毛のアン好きと言うかビクトリア朝好きとしては、膨らんだ袖と翻るスカァトの婦人が登場して、中学生のスカートも近年のハレンチなアニメーションと違って、ちゃんとプリキュアも膝下丈の制服スカートをはいていたのがうれしかったです。しゃがむ時にスカートをふくらはぎで挟む所とかねー。
雫の友達もアンっぽいし、読書クラブ…。
高山みなみがよかった。キュアブラックも。室井滋はオフセリフの方が上手い。立花隆文士劇そのものだが、父親が文士なのでまあ、良いか。
宮崎駿監督からは屈折したガジェット抜きに夢が描かれて、高畑勲監督からはシニカルさが抜けて生活感を受け継いだ感じで、素直に美しい絵を美しく書いたようなスタジオジブリ作品で良いと思います。
彼氏彼女が成立するわけですが、中学生の恋愛や思い込みはこんなものと言う感覚もあったので、やっぱり「リア充だから鬱」っていう風にはならないなあ。
むしろ、アパートのものすごいゴチャゴチャした生活感が、デカイ家に住んでばかりいる実写の連ドラ(これはカメラの都合もあるが)よりはよっぽどリアルが貧弱で頑張ってるじゃないの、と。
僕なんか高校三年生の時に授業中にペン入れしてたんだからもっとひどいよ。それでも成績は良かったから文句を言われずに調子に乗って国立に入ってダラダラして、このざまで、職を失っても、いまだに小説を書きたがっているんだから、僕の方が困ったものです。ずーっと中学生レベル。大学の教授に読ませた所「病気なら、なおのこと魯迅の様に書け」と無茶苦茶を言われて調子に乗ってるなあ。魯迅て。
しかし、脳内妹がそれなりにネットで知られてしまえば、馴れ初めくらいは書いておかないとなあ。


雫と聖司のその後と同じく、彼らの作品の完成形が明示されないのも、若さだな、と思いました。爺さんはなんか決着した感じだが。

耳をすませば (集英社文庫―コミック版)

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ふとふり返ると―近藤喜文画文集

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