玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

電波女と青春男のアニメ一発目

うーん。

電波女と青春男 (電撃文庫)

電波女と青春男 (電撃文庫)

なんつーか、ライトノベルとか、オタクのアニメや萬画のお約束とか、2ちゃんねる用語とか、リアクションのノリツッコミの仕方とか、そーいうのを視聴者が理解してないと分からないネタが多いので、オタク向けなのかなー。俺が歳をとったからかなー。若者は若者言葉とか同世代にこもる表現形態が好きだからなー。ヤッパライトノベルは若者向けだよなー。
女の子の作画や撮影効果のきらきら感や、フェティッシュな感じのトリミングやレイアウトはオタク知識が関係なくても綺麗だったけど。オタク向けを強調され過ぎてる感じがして、ちょっとそこは冷めたかな。
つーか、オタクのキャラクターが出るのは良いんだけど、作品世界に出てる人のほぼ全員が特に何の前ふりや必然性もなくオタクネタをやるのはよーわからん。そのキャラクターの言葉として生きていると言うよりは、その作品の地の作者の世界観がキャラクターを洗脳している感じがしてかわいそうだ。もちろん僕は虚構主義者なので、作者よりもキャラクターを尊ぶ。
いや、でも、つかこうへいの芝居とかも特に前ふりもなく共産主義や歴史情勢などについて長々と語りだしたりするので、結局は演出の技量の問題なのかなー。
ガンダムもオタク向けなんだけど、って言うかガンダムはオタクを作るアニメなんだけど、ガンダム自体はオタク知識を知らなくても楽しめるので、そう言うのが好きです。むしろオタク知識を持ってたらガンダムはコロニーの自転のトルクが打ち消されてないとかミラーの遠心力が酷い事になってるとか、ビームでシールドになるわけないとか、そもそも大地に立った瞬間に股関節がぶっ飛ぶだろ。とかダメダメです。でも面白いのです。
やっぱり、僕の趣味としては、視聴者を限定して、その視聴者や読者の好みに合わせて作ってあるタイプのオタク向け作品はちょっと生命力と普遍性に欠けると思うので好きではないのかもしれない。
富野由悠季とか夢野久作は明らかに狂ってるし独自の世界観で読者を置いてきぼりにするけど、読者がどんなタイプの知識の人であっても「ああ、こいつはこういう人なんだ・・・」ってある意味分かりやすい。何が書いてあるかは分からないけど、何を書こうとしたい人なのかは分かる。(まあ、富野ガンダム小説はファーストガンダム以降は特に説明もなく人型ロボットに乗ってるので、ガンダムの知名度に頼ってると言う狡さは多少感じる。リーンの翼オーラバトラー開発史は良かった)
オタク的な狭い業界のお約束が嫌いなのかなー。僕は。
で、普遍性としての最低限の常識を重視したい。(社会不安障害の癖にね)
つまり、やはり電波女の布団を引っぺがしたいと言うのが普通の人なら一番最初に出るわけで、叔母さんと軽妙洒脱なライトノベル的会話をする前に布団を引っぺがすとか怒るとか、普通の人らしいリアクションを摂ってくれない主人公が気持ち悪かったです。
まあ、ラストに布団から出てくる美少女が綺麗、って言うのを見せたかったんだろうけど。その狙いに引っ張られ過ぎて他の描写や行動がおざなりになってしまったのは残念。というか、むしろ、布団から出そうとする主人公と抵抗して暴れる美少女という、カットされたシーンの方が絶対エロいと思うので、そこを見たかったです。(性欲)
やっぱり性欲は普遍的だからねー。30億年くらいねー。(遠い眼)
そういう共感はオタク文化やネタよりも強固にあると思うのよねー。電青は普遍性やコモンセンスよりもライトノベル界隈にターゲットを限定してる感じで、まあ、ニッチマーケティングとしては正しいんで僕はとやかく言わないけど。
電波女と青春男 1(完全生産限定版) [Blu-ray]

電波女と青春男 1(完全生産限定版) [Blu-ray]


ま、この普遍性と言うものは結構難しくて、富野由悠季が講演会で「物語に一番必要なのが普遍性だ」って言ったので、僕は「スタジオワークを監督は評価するが、薄いスタッフが表層的にブレストをしても船頭が多くなるだけではないか。結局、多数のアイディアをまとめるのは監督、あなたなのですよ。では、普遍性と言う人類の共通無意識的な物を物語として具現化する際に、集団からアプローチするか、それとも個人の内面を突き詰めてアプローチするか、という手法があると思うのだが。あなたはスタジオワークをやりつつも小説を書くと言うのはそう言う二面性が分かっているんでしょう」とか言って、監督に「いや、僕はもう小説は書けないっす。才能ないです」って言われて、僕がキレて「僕が面白いと思った小説を卑下するとは、作者であっても僕に対する冒涜だぞ」とか、(もうちょっと穏便な言葉遣いで)押し問答になった挙句、数年後に富野がリーンの翼の小説版を書いて1万円で売ったり、ガンダムの家族論で「個人の内面に没入するのは病気であって、芸術的価値ではない」とか書いてたりして、そこら辺は僕と監督の間で微妙な冷戦状態が続いています。(監督は僕の事は覚えてないと思うけど)

「ガンダム」の家族論 (ワニブックスPLUS新書)

「ガンダム」の家族論 (ワニブックスPLUS新書)

いや、定価で本は買ったけどね。


物凄く話が逸れたけど、ヒロイン藤和エリオ(CV:大亀あすか)の声が釘宮の若返りって感じで可愛いんじゃないでしょうか。
電波女の位置エネルギーを物語中で突出させるには、やはり基底状態の常識はキチンと描いて、主人公の青春男にはオタクっぽい掛け合いをさせない普通人とした方が、構造的には僕の好みだなあ。ま、突っ込み役はツッコミ役で、下手糞な演出でツッコミが軽妙すぎると、それはそれで普通の人のリアクションではなくてお笑い芸人っぽい作られた性格に見えてしまうので、芝居は難しいのだ。
まー、青春男は青春男で青春ポイントという謎の信念を持っているっぽいので、そこを電波とは別の軸として、色んな価値観が並列してぶつかり合うってのも面白いとは思うので、まあ、面白くしてください。