玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ガンダムビルドファイターズ邪道なレース第14話 暗号名(コードネーム)C

アニメのガンダムのプラモで遊ぶパロディアニメという時点でもかなり邪道なんだが、同時に王道の少年試合アニメでもあるというビルドファイターズですが。
今回は前回の野球回に引き続いてレース回。これはこれでルール無用の邪道っぽいんだが、バラエティに富んでいて面白いとも思える。
今回はレースバトルなので、高速変形ガンプラがたくさん出てきて面白かったです。

1/100 デナンゾン (機動戦士ガンダムF91)

1/100 デナンゾン (機動戦士ガンダムF91)

でも、暗号名Cが邪魔した。
沢山出てくる高速モビルスーツの工夫を見せてくれるだけでもかなり面白くなったと思うんだけど、肝心のレースが場外のオッサンのよくわからない陰謀で邪魔された。ガンプラバトルだけでも面白いと思うんだけど、ガンプラバトルの外でのリアル喧嘩で主人公たちが邪魔される、って言う邪道要素はちょっと意外性の面白さと言うよりは、爽快感が邪魔される感じがあって、難しいなー。
ガンプラバトルとか、色んなルールの中での面白い試合を見るだけでも面白くなると思うんだけど。試合の外でめんどくさいことになるのが、微妙に爽快じゃなくなってて困る。
ヤサカ・マオくんの勝利とか、見どころが省略されてるんだけど。
まあ、脇役の活躍を省略した分、主人公たちのレースに時間を振る、っていう尺の配分は工夫だと思うし評価できるけど、増えた尺を変な会社の会長の変な陰謀とラルさん35歳の地味な喧嘩に使うのは、僕的には興を削がれた。
まあ、メカの変形シーンとか高速移動はアニメーションとして作画が大変そうなので、アクションシーンは減らしたいという事情は分かるんだけど。マオ君のガンダムX魔王とGファルコンは見たかったなー。(レース開始の時の一斉変形シーンをカットして、ラストのバクゥタンクの変形にアニメートの労力を振った演出判断はナイス)
でも、暗号名Cのオッサンはあんまりおもしろくなかったので、水中ジオングが邪魔するシーンはあと30秒削って、それをレースバトルに振った方が王道の面白さは増したと思いますね。Cの邪魔に主人公たちがあんまり自分の力で勝った感じが無いってのも、少年漫画の王道的には爽快感が薄い。
ラルさんがもうちょっと早く助けてやると、ラルさんが子供を守る、っていう王道な面白さがあったんだけど、遅かったし、地味に弱いオッサンの悲哀を見せられるのは爽快感が無く邪道。っていうかCはノイタミナのCではなく、クランプなんだから、そっちのランバ・ラルネタで笑いを取りに行った方が地味な喧嘩より面白いだろ。ちょっとネタのスピード感が欠けてた。
会長の邪魔は2回目だし、試合の外のリアルファイトで怪我、っていう展開も2回目なので、邪道展開はインパクト勝負なのに複数使われると、ちょっと面白くない。
邪道と王道の配分はほんと難しい。邪道ネタもスパイスとして使えば面白いんだが、それに依存してマンネリ化すると逆に弱く見える。
カブトボーグは邪道に邪道を積み重ねて駆け抜けたので、それはそれでスタイルを作り上げたんだが、ビルドファイターズは人造昆虫カブトボーグV×Vほどスラップスティックではないんだよなー。


ガンプラレース自体はすごく面白かった。アイディアも、出てくるガンプラのチョイスも面白かったし。普通のレース回ってだけでも面白くなっただろうに、邪魔が入って残念。


ただし、邪道ネタでも面白い所はあって、主人公のイオリ・セイ、レイジのチームが全勝しなくて1敗してピンチ、っていう展開は邪道っぽいけど、でも危機感が出る展開なので面白い。
マシタ会長にレイジがキレてカチコミをかけるのも引きの意外性があって面白い。
ここでうえだゆうじ兄弟がクローズアップされるって言うのも、今後にうえだゆうじがライバルとして出てきそうな伏線になってて、展開が単調にならないように気を付けてるっぽくて良い。貝木おじさんのリベンジをしてほしいね。


しかし、王道のメカアクションの面白さだけでも、アニメーターが楽しそうに描いてて面白いんだが、邪道な要素を入れるのは、ガンプラだけで楽しませることへの自信の低さのように見えて、ちょっと困る。
でも、どこからどこまでがサービスで、どこからが不必要な邪道なのか、っていう線引きは難しい。特に、このアニメ自体がパロディネタ満載だしもともとガンダムのスピンオフのパロディ作品でサービス精神でネタをたくさん盛っていくスタイルだから。だけど、本筋にうまく合致してるネタと、少し外れたネタがあって、バランスのとり方が難しいかなーって。
失われた何か メタサンライズアニメとしての「ガンダムビルドファイターズ」13話
メタネタはインパクトがあって面白いんだが、バランスのとり方が難しいです。あと、試合の外で勝負をするかどうかって言うのも。


ジャンプ萬画の自家製パロディのバクマン。もメタ構造だし、王道と邪道がテーマだったけど。

バクマン。 20 (ジャンプコミックス)

バクマン。 20 (ジャンプコミックス)

無謀キャプテン 1 (リュウコミックス)

無謀キャプテン 1 (リュウコミックス)

試合よりも試合の外でネタを盛る、って言うのは島本和彦の熱血パロディスポーツ萬画でもあった。そこからGガンダムへ流れたりもしたんだが。
そういう流れにあるガンダムビルドファイターズも、よく考えてほしい。


新OPは王道なカッコ良さだけど、EDのボカロのふりをしたヒャダインさんはちょい邪道かなー。