おもしろかった。
このアニメに対するこれまでのブログ感想の態度に問題があったと認めて陳謝するほかない。
私なんか所詮単なるガノタをこじらせた30代無職男性のくせに、ビルドファイターズに対して、「富野ファンの私から見ると」「ガンダムを全部見た私から見ると」「映像の原則的に言うと」「作画は80年代OVAや90年代後半ガオガイガーやエスカフローネの方が」「バーニアの角度と動きが」「輪郭線と墨入れモールド線の区別が」「カット割りが」などと上から目線で批判してドヤ顔しようと言う汚い根性で見ていた部分があったという事を自省する他ありませんね。
このアニメを作ってるサンライズやバンダイの人の方が、僕なんかよりもよっぽどガンダムを愛してるんだという事がわかりました。
そうでなければ、ポケットの中の戦争の「嘘」をテーマにしたり、ガーベラテトラの裏切り要素をメタファーとして巧みに入れ込んだガンダムアニメは作れるはずがない。
反省した。やっぱりちゃんと作品を作ってる人は偉いな…。
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また、3話まで謎だったガンプラバトルの強さの基準について、ビームライフルの銃身に金属を使ったり、シールドにプラバンを積層したら強くなるという説明があってよかった。何となくあっさりできた感じのビルドストライクガンダムだったが、こういう細かい描写で主人公のイオリ・セイの強さと陰の努力が示されているのは最強厨の僕から見ても納得できる。
キララさんがプラモデルを溶接するところの描写もちゃんとしててよかった。
また、マラサイ組を見るに、セコンドが付いている複数プレイヤーでのガンプラバトルが主人公だけのものではなく、ちゃんとルールで認められているとわかってよかった。
- バトルアクションシーンも今回は素直に良いと思えた。
カット割りと視線誘導の流れもスムーズだったし、21世紀の市街地の電線や住宅とモビルスーツの夢の競演というパトレイバー的な楽しさもあった。また、ガンプラの関節部分の傷の描写で「巨大に見えるけどガンプラ」というドラえもん的な楽しさもあった。
また、「12番のスロット!」って言うだけで操作方法が伝わるって操縦方法も面白かった。体の周りに展開されたホログラフィックアイコンをクリックしてリモコンでプラモを操縦するというのは、割と面白い。iPhoneのアプリみたいな感じの操作性。従来のガンダムの戦闘機的なコックピットとは違って、ホビーバトルとしてのバーチャルっぽさを感じさせつつ未来感や新しさを提示していこうというのは上手いな、と4話にして感じた。コックピット周りのインターフェースに工夫のあるガンダムはよいガンダム。
僕はVガンダムのシリンダー操縦桿が好きですね。
まー、ホログラフィックアイコンはGガンダムだけでなく機動戦艦ナデシコでもあったような気がしないでもないが。黒田洋介さん脚本のおねティやあの夏のの宇宙マシン操作っぽくもある。
- ガンプラアイドルキララのネタ性とドラマ性
悠木碧ちゃんの演じるキララさんがガンプラアイドルを無理して演じているけど、裏切りのガーベラテトラ使いでネオネパール代表キラル・メキレルみたいな暗殺ファイターというネタがおもしろかった。
サブリミナル的にマンダラガンダムも出てきたし。小ネタが上手い。
こういう濃いネタキャラが出てくるのはホビーアニメの良さだよね。カブトボーグ的な。
人造昆虫カブトボーグV×Vスキなので、こういう外道ファイターは好きです。
でも、ガンプラアイドルとか下剤を飲ませて「うんここで待ってるね」っていうネタ要素だけではなく、脚本の完成度も高い。
ホビーバトルアニメでどういう風に主人公が勝つか、って言うのが玩具の魅力をアピールするポイントであり、アクションの盛り上がりなんだが。
今回、キララは少年を色仕掛けで惑わせて下剤を飲ませて、トイレに行っている間に彼のガンプラに卑怯な工作を仕組んで勝とうとして主人公をピンチに追い込むが、もしセイが下剤でトイレに行かなければバックパックの仕掛けをペラペラしゃべっていたはずなので、キララが勝つ可能性があった。キララは化粧を落としたミホシとして普通にセイと仲良くなっていればビルドストライクの武装を知った上で順当に勝てたかもしれないが、卑怯な手段で会話の途中でトイレに行かせたので秘密武装の情報を知ることができず、負けたのだ。
やっぱり卑怯な手段はよくないよね!
という事が説明セリフではなくドラマの流れとして描かれているのが少年向けホビーアニメとして爽やかでいいと思います。
また、トイレに行った後に委員長が来なければ、やっぱりセイはガンダムの話がしたくてたまらないガノタなのでバックパックの秘密を喋ってたと思うので、眼鏡っ娘委員長のセイへのラブが意図せずしてセイを守ったという二重構造にもなっていて、ラブストーリーとしても機動武闘伝Gガンダムのレイン・ミカムラ的でよい。こういうふうに、ドラマ部分の微妙な会話の流れがバトル部分での勝敗のカギになるって言うのはロボットアクションアニメとしてもバトルアニメとしてもよくできた脚本だと思うなー。しかも勝敗だけの問題じゃなくてセイと委員長の無自覚な恋の序盤のドラマとしても思春期っぽくていいし、1クールアニメにはないゆったりとした感情の流れの構成だと思うし、良い。
あと別に他人に作らせたガンプラを使ってもいいというのは主人公が示してるので別にキララさんは悪くないよね…。ポケ戦の話がスラスラ出てきてるし、興味が無いって言っててもガンダムを見たらガンダムを知らず知らずのうちに好きになってたんじゃ?ガーベラテトラって言う付き人のチョイスも彼女の汚さを分かってやってるだろうし。
興味のない女子でもガンダムを見たらガンダムの良さや知識が自然に身に着く、って言うガンダムのおもしろさの底力を雰囲気でアピールしてるからいいと思う。
アキバ系で無理してる売れないアイドルって言うのも、地味に生活感があるし、ガンプラって言う趣味の微妙な地味さにマッチしていていい。ティッシュ配りのお姉さんには寺山修司的な哀愁があるよね。
アキバ系アイドルとして売り出してる事務所に双海真美やアイドルマスターゼノグラシアのポスターがあったというのもサンライズとバンダイナムコだからこそできる渾身の小ネタと言う感じで非常に奥深く笑えた。
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- アランのピングドラム
と、まあ、ルールも大体説明されて、世界大会って言う目標もできて、ネタファイターも出てきて、毎週バトルショーをこなしていくのかなー、というルーチンを予想させてから、ラストに輪るピングドラムの主役の木村昴さん(ガンプラバトルのシステム音声も担当)が演じるアランの登場!
「師匠が倒れた」って生徒会長に言って「お前の名前を捨ててもらう」とか思いドラマ性を暗示させて来週に続く!おお、これは楽しみですなあ!
セイのガンプラを分析してた謎の組織もいるし、ホビーアニメらしく世界観が段ボールとかイナズマイレブン的にインフレしていくんだろうか。
父親が第二回の準優勝ってのも、その上が残されている逆境ナインって感じで楽しみですね。親父超えが目標ってのは、カブトボーグとかマッハGoGoGo(っていうかガッチャマンのレッドインパルス?)的でいいですね。普遍的でいいですね。
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レイジにもいろいろと謎があるしなー。ネタ回以外にも燃える話や泣かせる話も期待できる。
- そういうわけで素直に楽しみましょう
やっぱり富野アニメと比べたらまあ、色々と好みの問題もあるんですが。3話まではこのアニメの世界観やガンプラバトルのルールも楽しみ方もよくわかってなかったんですが。
軌道に乗ってきたら楽しいですね。ガノタとして色々と小ネタをネットとか友達と言うのも楽しいし。
そういうわけで、クドイ富野ガンダムファンの私ですが熱い手のひら返しをしようと思う。
やっぱりアニメは自分の評論的楽しさの理屈で見るより楽しくボケーって見た方が楽しいしな。
っていうか、ガンダムはどの作品も最初は賛否両論でだんだん楽しみ方が分かってくると楽しめる、って言う作品が多いので、それでいいと思う。Gガンダムとか、ガンダムWとかガンダムXとか、富野ガンダムでもどれも個別に独自のチューニングとか面白がり方が違っているし、序盤は作り手も大抵毎回迷走してるしな。
ZZのクワトロクイズとか。ほぼ毎回拷問される腐女子狙いのドモンとか。腐女子狙いなのに自爆するヒイロとか。
そういう迷走から軸を見つけて楽しむのがガンダムだよなー。
うん。実にガンダムだ。
これからもガンダム要素と笑い要素とドラマ要素と淡い中学生ラブ要素と変態ビルダー要素をうまく構成して楽しませてほしい。
エンディングのコスプレ鎧ガンダムとか、ネタ要素も濃いけど、カブトボーグほど狂ってない、でも、クラッシュギアくらいには狂うかもしれない、バトルスピリッツブレイヴのような濃い話になるかどうかは未定、というホビーアニメの懐の広さに期待ですね。
なにしろ、ホビーアニメだと神に成ったり世界を崩壊させたりタイムワープとか異世界とか割と日常茶飯事だし。