今回はウィングガンダムフェニーチェとスタービルドストライクガンダムの一騎打ちが見どころという事で、いつもよりブッピガンマシマシでブッピガン!
第12話、先週、先々週で、ボーナスステージ回、アイアンリーガー野球回、サイバーフォーミュラレース回と、やりたいことは分かるけどパロディネタに引きずられていたり、ホビーアニメのわりに試合の外でのリアルファイトで地味な怪我をしたりして、若干私の評価が低かった。詳細はガンダムビルドファイターズ感想目次 - 玖足手帖-アニメ&創作-
でも、今週は少年漫画的王道な展開で熱くなりやすいように作ってあって良かったです。ブッピガンはサンライズの王道。
お邪魔虫のマシタ会長とのリアルファイトやメインキャラの決勝進出段取りは序盤でさらっと(しかしそれらしく)流して、きちんとリカルド・フェリーニとイオリ・セイ&レイジ組の一騎打ちという見せ場が盛り上がるように作ってあって高評価。
あ、アメリカンニンジャは笑いどころのネタとして面白かったです。アイサツ!
- 王道決闘バトル
闘うセイの集中、レイの仲間意識、リカルドの過去、で決闘者の覚悟とか心意気とかを描いて、それを取り巻く女たちの見方と、さまざまなライバルファイターの立場からの評価で決闘を盛り上げる感じで、ホビーデュエルアニメとして盛り上がって良かった。
決闘と言うテーマも新機動戦記ガンダムWっぽくて燃える。
決闘だからガンダムWらしくした、というパロディネタじゃなくて、ちゃんと決闘デュエルバトルアニメとして熱く盛り上がる王道展開にしててよかった。
アニメをネタにしたメタアニメという事で、ここ数回、漫画家マンガであるバクマン。のテーマである王道と邪道、アニメとパロディという観点から感想を描いていたが、今回はガンダムネタも入れつつ、ちゃんと王道少年漫画バトルアニメに成っていて良かった。
(ガチに殺し合う王道バトルではなく、爽やかな王道少年漫画バトルというのがポイント。王道バトルは、血みどろのナウシカ萬画版…)
決闘の内容も地形利用、師弟対決、協力プレイ、連続部位破壊、相棒(マシン)との語り合い、男ってわからず屋、大張正巳メカの赤い瞳、こんな状態でアレを使った限界突破機動、覚悟!相討ち!拍手!和解!とか燃える要素の連続で熱い!少年漫画の王道ですなー。友情、努力、勝利!
マシンの特性も活きてる。長距離ビーム狙撃型のウィングガンダムとビーム粒子を吸収するスタービルドストライクだが、射撃戦から、トリッキーな武器利用や部位破壊でそれぞれが武器やマシンの手足を失っていきながら、ガチンコの殴り合いに移行するのがどの段階も燃えて良い。
ガンダムの様式の中では部位破壊の限界に近い、ファーストガンダムのラストシューティング状態に両方が成るのは燃えるし、拳の打ち合いでダブルノックアウトと言うのはGガンダムっぽくて、いろんなガンダムがシナジー効果を起こしている。
ガンダムにおいて頭と片腕が取れるラストシューティング状態と言うのは特別なものだが、2台のガンダムが同時にその状態に成るというのはなかなかないのでパロディであると同時にオリジナリティと新しさがあって珍しきが花という感じ。ナイス。
ビームサーベルのつばぜり合いからの相討ちはガンダム0083のGP-01Fb対GP-02の相討ちを意識してますねー。
ビームサーベルキャンセルとか腰だめビームサーベル再使用とか、いい。
いろんなガンダムのベストバウトの要所要所を引用して盛り上げている。でも、元ネタを知らなくても多分熱く感じられると思う。ガンダム演出も歌舞伎や武道と同じく「型」の組み合わせで構成する伝統芸能になってきたのかもしれん。
(まあ、アニメ演出ってそういう所あるけどね。出崎統入射光とか、3回パンとか、赤青グラデ効果とか)
- 王道人間ドラマ
あと、バトルシーンだけでなく、人間ドラマとしても熱く盛り上げている。特に人間ドラマ性が分かりやすいのが女性の眼差しなんですが。
女性との絡みは第10話「開幕!世界大会」での「ときめくお名前です」とのフェリーニの発言から伏線が張ってあって、それがこの決闘を見守る3人の女性の眼差し。男の決闘を見守る女性と言うのは西部劇の時代から王道な盛り上げ演出ですが。それぞれの女性の眼差しが三者三様で、しかも非言語的な眼差しだけで男たちの戦いを女がそれぞれに台詞ではなく表情で理解した、と言う感じで実にアニメらしい面白みを醸し出していてナイス。
バトルも王道だけど、ラブストーリーも王道だからなー。
で、「何で漢たちって戦うの?」というレイン・ミカムラ系の女子疑問について、今回の3人のヒロインは言葉に出さず表情で納得してるんだけど、それを見て「?」と納得してない様子が分析大好き少年博士のニルス・ニールセン君と言うのが、またうまい。
「なんで戦うの?」といちいち口に出して言う役をヒロインではなく理屈っぽい少年ライバルにさせるのが一工夫ですね。
ヒロインのリアクションだけでなくライバルのショタも拾っていこうという前向きなスタンスは評価できる。
名もなきモブの拍手でバトルを評価する、って言うのはアイカツ!システムにも似ている。
で、モブの拍手から、ニルスのリアクションで、覚悟を改めるマオ、不敵なメイジン・カワグチというつなぎで決勝トーナメントへのワクワク感を持続させようというのもいいカット割りだと思う。
- ガンダムネタ
ガンダムネタをサンライズが自己パロディしちゃうのは、少年漫画の王道に対しては邪道な面もあるとこれまでのブログでも書いた。
だが、今回に散りばめられたガンダムネタは、ネタを視聴者に見せるというメタ的な媚びではなく、ビルドファイターズ作品世界の中での登場人物の必然的な行動で、結果的にオリジナルのガンダムと同じような演出になった、と言う風にも見えるように本歌取りした巧さがある。
ウィングガンダムのOP風のフェニーチェの顔アップは単なるネタではなく、リカルド・フェニーチェが「機体の破壊をいとわずに戦う」というヒイロ・ユイの戦い方に結果的に似ているから、同じような顔アップになる、と言う風にも見える。あと、右の角が常に折れているウィングガンダムフェニーチェ自体がガンダムWのOPのラストの「初っ端から破損してるウィングガンダムらしさ」をリスペクトしてるし。(本家は左角が折れるんだけどね)ガンダムWの美学は破損と決闘の美学。Gガンダムの最終回で放送開始前に撃墜されるというウィングガンダムの傷物らしさを出してる。
有り余るガンダム知識のセイが逆シャアのアムロのワイヤーバズーカをパクったわけだが、これも邪道パロディギリギリだが、頭脳派のセイの存在価値を底上げするために寄与している。メカニックキャラであるセイはともすれば、「ガンプラを作り終わったら試合にはいなくていいだろ」という空気主人公になる可能性があるんだが、反射神経で戦うガンダム素人のレイジを補佐してガンダム知識で戦うという面を見せてセイのポイントを上げてる。また、セイがガンダム知識でアムロさんの戦い方をパクったが、それも単なるパロディではない。これも、セイが逆シャアのアムロと同じく、どんなことをしても勝ちに行く、精神状態に成ったから同じような行動をしたんだ、と言う風にも見える本歌取りだ。また、アムロがνガンダムを降りて自分の体でしたワイヤートラップを、ガンダムでやるという事で応用している。そのゲリラ戦法を解説するのがゲリラ屋のラルさんと言うのもガンダムファンには憎いポイント。
ライフルが誘爆するから捨てるってのもアムロさんっぽいねー。
セイはガンダムネタをパロディにしてるんじゃなくて、反射的にアムロさんみたいな行動ができるくらいガンダムで戦い方を学んだ、と言う感じ。セイはアニメオタクなんだがアニメオタク過ぎて逆に戦士になっているという見せ方。アニメオタクのセイを見せ方を工夫して、主人公力をアップさせていてナイス。
オタク主人公ののび太くんが劇場版でパワーアップするのと同じようなメソッドで、少年漫画の王道と言えよう。(まあ、藤子・F・不二雄先生が王道系萬画家かと言うのは微妙なラインだが、アニメのドラえもんはメジャー作品と言えるでしょう。BFのアラン役の木村昴さんも新ジャイアンで出てますし)
別の国から来たレイジってのも、ドラえもんの劇場版のゲストキャラっぽいよなー。(ドラえもんは何かというと、もちろんガンダムです。あとザンダクロス)
- ガンダムSEED補完計画
実は私は機動戦士ガンダムSEEDと機動戦士ガンダムSEED DESTINYは放送中に実況して見ただけで大して何度も見るようなファンではないのですが。サイレント・ランと手つなぎ回とクルーゼ隊長の思想以外はあまり好きではないというのが正直なアレなんですが。まあ、熱狂的なファンも多い種ガンダムですが。(空の境界カップルは良いよね)
ただ、ガンダムSEEDのメカで惜しいなーって思う所があって、ストライクガンダム系のガンダムは共通フレームって言う設定があんまり劇中で活きなかったところですね。ガンダムSEEDは設定は共通フレームとかリアル系のメカ設定があった割にMSの進化が早すぎてフリーダムなメカが多くてあんまり共通フレームという設定が活きなかった。
あと、ストライクフリーダムガンダムとインフィニットジャスティスガンダムのフレームが金属光沢、って言うのも派手な割に劇中では大した意味が無かったので惜しかった。
そんなストライクガンダムをモチーフにしたビルドストライクガンダムですが。
フレームごと発光してパワーアップと言うのはガンダムらしいサイコフレーム(むしろ全身フレームは逆襲のシャアではなくUC)にも似つつ、ガンプラのフレームをかっこよくアニメ表現にしてて上手い。
VガンダムのVフレームとかあったなー・・・。あれ、組みやすいけど塗装できなくて賛否両論ですぐに廃れたんですよね…。
黒田洋介さん脚本のガンダム00もデュナメスとエクシアが共通フレームだったりというわけでそういう流れもあるか…。
あと、パワーアップしてパンチ、って言うのは今年10周年のSDガンダムフォースのキャプテンガンダムのキャプテンパンチの流れでもありまして。
ガンダムは富野ガンダム以外にも、プラモデルの流れとかアナザーガンダムやSDなどのいろんな要素を積み重ねてきているねえ。
でも、スタービルドストライクがフレーム発光キャプテンパンチという大技を繰り出してきているのに、ビームマントをとっさに拳に巻き付けて対抗するというフェリーニ兄貴のベテラン先輩ファイター経験もなかなか!
そんで、大技を毎回出してくるスタービルドストライクだが、今回出した粒子を機体の内部パーツ強化に利用する「RGシステム(ラジアル・ゼネラル・パーパス・システム)」はダメージがデカい状態での不完全な発動だったので、本調子の時に出したらもっとすごいだろうなー、と言う風に引きも作っててパワーアップが重要なホビーアニメとしては上手いフックだと思う。
- ガンプラ描写
そういうガンダムのフレームとガンプラのフレームの歴史の両方を感じさせる今回でしたが。
私はガンプラも一応、完全塗装とセミスクラッチくらいできるし、ガンダムのアニメも一応全部見てる30代独身男性。
そう言うわけで、1話では「ガンプラの作画がプラモデルではなく、ロボットに見えるからプラスチックの質感が表現されていない!」などとドラえもんのスネ吉の「超リアル・ジオラマ作戦」の逆のような老害丸出しのアニメオタク感想を書いたんだが。
今回のガンプラ作画は良かったねー!
7話以来の大張正巳作画監督!あの、設定を無視してメカの質感を独自にアレンジしまくることで評判の大張正巳さんが・・・あえてプラモデルっぽさを表現したとは・・・感動したよ・・・
ボールジョイントパーツの再現!
あえてメカパーツを描きこまない、くるぶしのプラ板っぽさ!
破損パーツの断面の金属ではなく、プラモデルっぽいギザギザ感!
(まあ、ほんと言うとガンプラは塗膜とサーフェサーとプラスチックが階層に成ってるから、ムクではないんだが。そこまで描きこむとくどくなるからなあ・・・)
超合金で出来たモビルスーツというロボットではなく、「動くおもちゃ」というガンプラらしさを作画で表現している!
ガンプラらしいなー。と、同時にバトルはちゃんと格闘戦してて熱気はあるし、プラモデルらしさを強調した絵と、格闘メカっぽく格好よさを強調した動画を組み合わせて総合的にビルドファイターズらしさを出してて、いいと思う。
- 半パン魂(スピリット)
先週から来た新ED。半ズボン時代を回想するって言うテーマの歌詞ですけど。
「何十年同じものを食べてるんだろう」「好きなものは好き」「子どもも大人も関係ない」「終わらないチャイルドフッド」って言うわけですが。
半ズボンをはいてガンプラで遊んでいた小学生時代を回想する年代はやっぱり中高生くらいだと思うんで、僕みたいな30代男性よりは10代男性のちょっとプラモデルが一人で塗装できるようになったくらいの若者がターゲットなのかなーって感じですね。
さすがに僕はもう半ズボンの感触は忘れましたから。キッズアニメの半歩先ですかね。
バンダイはキッズは戦隊ものとかあるしなー。そこからカードバトルもやってるし。手広く商売してる。
(2001年のスターチャイルドに影響された幼年期の終わり系成長譚SFとしてのガンダムの系譜において、モラトリアムの趣味性を肯定するってのは、富野ガンダムではなかなか出てこない感性ですし、結構重要な所である。でも、大人になっても右肩上がりの成長を続けるのではなく、循環型社会で子供と同じような趣味を続けるという、高度成長期からバブル崩壊後、震災後の21世紀型の停滞気味の社会でのライフモデルの変化は割と批評的ですね。まあ、成長し過ぎのニュータイプの挫折はカミーユがやってるんですけど。そして、木星じいさんとエンジェル・ハイロゥの銀河旅行からのブレンパワード、出戻り宇宙人の∀ガンダムとか、あるんですが、BFとはあんまり関係ない。Gレコはよ!)
でもビルドファイターズに触発されてプラモデル作例ブログをしてる成人男性(子持ち)も結構ネットで見かけるからなー。色々ですね。
親子でアイカツ!してるアイカツ!おばさんもいるし。 万代不変だなー。
- 個人的感想
しかし、ガンダムビルドファイターズは褒める回と貶す回と大して感想が思い浮かばない普通の回が激しすぎると思う。まあ、僕も熱しやすく冷めやすいんだが。
感想ブログは書いてないけど、今期のアニメは割と見てますけど。Twitterで呟いたりしてます。
一押しはスペース☆ダンディですね。スペースダンディは推しておかないと自然消滅しそうなアレなので、あえて押しておく。
あと、年末一挙放送からアイカツ!にドはまりしたり。
今期であと、録画を残してるのは普通に世界征服〜謀略のズヴィズダー〜と、いなり、こんこん、恋いろは。ですね。坂本真綾さんだからですね。わかります。
同世代の女子高生アイドル声優だったのに、シンガーソングライターとして色んなラブソングを僕たちに提供しつつ、今では人妻の色かを漂わせるようになって、良いですね。ファンです。アルバム全部持ってます。私も三十路にして人妻属性に芽生えそうですね。
鈴村健一さんも十二国記から好きで、空の境界劇場版も見に行ったので、末永く幸せになって欲しいですね。
ガンダムSEED デスティニーも今度イベントをやるそうで良かったですね。
豪華ゲストが勢揃い!「SEED PARTY 2014 ~運命の集い~ FINAL PHASE」2014年2月21日開催決定! | GUNDAM.INFO | 公式ガンダム情報ポータルサイト
でも、幸せになってほしいけど、人妻と言うのもいいですよね。
来週は三石琴乃イオリ・リン子ママとパパが出ます。人妻なー。
母親が自殺して、いまだに毎晩うなされて精神が壊れたので、家族とか親というのはアニメで見るのも苦手ですけど・・・。
でも、アイカツ!の能登麻美子ママと子安パパも良いよな…。
人妻な…。
っていうか、モテない30代男性無職キモヲタをやってると、基本同年代の女子は人妻か腐女子になりますよね。自然の摂理を感じますね。
- 今回最バリ
https://twitter.com/G1_BARI/status/425197327213539330
月面ならもっとバリってたかもしれん!
大張正巳さんは若いころから今まで現役でバリっててすごいなー