玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第8節

サブタイトル[ラスベガスと王の心] 
前節
創作幻視小説版「夢兄妹寝物語」 2003年11月 第11話 第7節 - 玖足手帖-アニメ&創作-


0「絨毯爆撃の密度が増えてきた」
2「監視網が弱体化した状態で侵入者を発見するのではなく、侵入自体を不可能にする物量作戦だ。核爆発事件に現地軍人も反応しているのだろう」
5「在庫一掃と言う奴か」
0「エリア7、次の死角はどこか」

 並の人間なら連続爆風で疲労困憊、むしろ死亡しているであろう大爆撃の中であるが、宇宙人たちは超時空通信で冷静に会議をしながら行動している。
7「無い。
 南方からの無人機部隊だけでなく、西のグルーム・レイク空軍基地からも武装有人機の編隊が発進した。この先300mには遮蔽物もない。
 宇宙的擬態能力を使用しないなら、あと3分で発見される」
0「予期した事項である。突破する」
2「静的遮蔽物はないが、動的にはこの爆煙が隠れ蓑に成る。そこを進攻しよう」

 と、ハーレーバイクロンが岩陰を飛び出した。バイクは巧妙に爆炎や舞い上がるサボテンの破片の混じった砂塵の濃い部分を通り、次々に発生しては消える陰に回り込んで進む。
 噴煙を突っ切るので防弾素材のレイの黒いコートを爆弾や破裂した岩の小破片が霰の如く撃つ。ハーレー・バイクロンも風防とカウルはとっくに粉砕された。走行に必要な部分だけは宇宙人の強化処理で守って形を保っているが、骨格とエンジンを残してボロボロのバイクだ。爆撃で震動する岩山の表面が削られ、なだれ落ちる砂礫となってバイクの姿勢が維持できなくなる。転倒した。
2「いかん。物理運動としては限界がある」
5の4、5の5「まかせろ」
 宇宙人奴隷諸国の中で一番小型のビー玉とピンポン玉を租界にしているビー玉ゴーストがレイのポケットから飛び出した。宇宙人の小型のボールは、爆撃で吹き上がる破片にまぎれ、降下中の爆弾を足がかりに駆けのぼり、一機のグレートオウルのジェットエンジンに吸い込まれた。一拍あり、無人爆撃機は腹の中の爆弾と燃料を爆発させ四散した。
ドガーン!

 内部からビー玉ゴーストが破壊したのだ。それだけではない。ビー玉ゴーストに宿る宇宙人のうち、特殊部隊が最初の獲物の破片に乗り移り、200mと1kmに離れた距離を飛行していた無人爆撃機2機に襲いかかった。小破片が宇宙人に操縦されて次の獲物に接触すると、また宇宙人が内部に侵入し爆発させた。それが連鎖すれば20km圏内を飛行していた無人機を一掃する事になった。 
  バシュッーッザザザザーッ
 ボボボ!ドガーーーーッドッ!

5の4、5の5「エリア7、回収を依頼する」
7「了解した」
 分散したエリア5の住人は、空気分子を租界とするエリア7のセブンセンサーの施設に収容されたが、彼らの租界であるボールは粉々になってしまった。
0「エリア5に対し宇宙的技術の濫用を指摘」
2「しかし、爆撃と偵察が止んだ」
7「エリア5の被監視可能性はエリア0よりは低い」

0「たしかに無人機ならこうして事故に見せかけて破壊できるが、人間を破壊するわけにはいかぬ。有人機に接触する前に到着すべし」
 バイクのタイヤが再び砂塵を上げて登坂する。
  
  
 が、人間が爆撃機の連鎖爆発を事故として解釈するわけがない。

  • クリーチ空軍基地、無人機部隊フライトセンター

ジェイムズ少佐「何だ!一気に6機の通信途絶だと!どこで落ちた!」
兵「S4から東に30キロの地点です!」 
 指揮官席の少佐に対して、操縦ブースから、撃墜された機体のパイロットが声を上げた。声を聞くと、落とされた者のブースへ少佐は素早く移動しつつ問いただす。
ジェイムズ少佐「落ちる前の情報を確認しろっ」
兵「ハッ。しかし、、、映像には何の異常もなく、レーダーの記録もありませんで」
ジェイムズ少佐「バカッ!単なる事故で6機の最新鋭機が落ちるかっ!」
 自分が遠隔操縦していた機が撃墜されても何の痛みも感じない兵に、少佐は語気を荒げた。
グレーン大尉「グルーム・レイクの有人機部隊へ集結するように連絡しましょう」
ジェイムズ少佐「ああ、エリア51への通信は大尉がやってくれ。
 警戒を厳に!」
  
  
 そのやり取りから数分後にレイの周辺には、爆装したA-10攻撃機やらアパッチ戦闘ヘリなど重武装機が群がった。最初にレイを見つけたのは、先行していたF-16だ。
F-16パイロット「人がいます!バイクに乗った、人間です!」
 弾幕の内側のグルーム・レイク空軍基地側で修理出来た埋設中継光ファイバー装置が繋がったのでクリーチ側も通信を受けたが、電送で送られてきた空撮画像には、ボロボロのハーレー・ダビッドソンにモトクロスのような立ち乗りしたレイが映っていた。
ジェイムズ少佐「何であの爆撃を抜けて人間が居るんだ!エリア51の秘密実験なのか?」
それを背中で聞き流すグレーン大尉は、所属するグルーム・レイク空軍基地との開いた通信で指示を仰いだ。
グレーン大尉「はい。侵入者射殺の原則には変更なし。了解です。
 ジェイムズ少佐、無人機撃墜の原因調査より侵入者殲滅を優先せよ。との事です」
ジェイムズ少佐「全くどういう事だ!」

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