玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

機動戦士ガンダム THE ORIGIN TV第8話ジオン公国独立

 前回、謎のコスプレを披露したキシリア・ザビ少将閣下であるが、今回、グラナダで秘密交渉をするためだったと明かされた。
 これ、前回のコスプレの場面をこっちの8話に持ってくることができなかったの?前回から引っ張るほどのネタでもないし、変なコスプレをしたっていうアホっぽさのほうが印象に残ってしまう。グラナダで秘密交渉をする緊迫感をやるんだったら一つにまとめてほしかったなあ。結局交渉も決裂したし。何だったんだ。
 どうも多数のエピソードをこなすために編集が全体的に甘くなってる気がするなあ。


 元は月刊連載マンガで、上映式OVAでやって、それをテレビ用に短くし直してるわけだけど、どうもドラマの導線がぶつ切りで乗れないのよねえ。

 コロニー落としに使われたアイランド・イフィッシュの中の恋する青年のエピソードは珍しくORIGINの過去編で僕が面白いと思ったエピソードというか、綺麗にまとまっているんだけど。TV版の今回は終盤にポッと出て来週に引っ張って分割されちゃう。





 いいのかなあ・・・。キャラクターとエピソードが印象に残らなくなっちゃいそう。


 もう機動戦士ガンダムとの整合性とか、オタクっぽく突くのは不毛だからやらないけどさ。作品としても1話のTVアニメとしても直前の進撃の巨人のほうが心を揺さぶらされたし、人の命について考えさせられた。国や家族の因縁としても今週の進撃の巨人はよかった。ラストにエレンに場面を返すのがいいよなあ・・・。



 アムロテム・レイの資料を盗み見るのはいいとしても、サイド7の狭い世間の学校でフラウとハヤトだけでなく留年しているカイ・シデンと交流があるのも、まあいい。


 でも、無理にサイド7の軍事工事エリアに行くエピソード、大したものが見れてないし、必要だったの?アムロの孤立感を表現するにしてもちょっと足りなかった気がする。



 あと、コロニー落としに関してランバ・ラルが軍を辞めちゃうの、ORIGINのマンガ版との整合性も取れなくない?どうやって復帰したんだっけ?原作もだいぶ前に読んだきりなので忘れたのだが、ランバ・ラルはドズルに信頼されていてガルマの仇討ち部隊に抜擢されたのでは?まあ、パラレルだから関係ないけど。ランバ・ラルを善人に描きすぎのような気がしなくもない。




 というか、ORIGINって安彦良和の画が動く!が売り文句の一つだけど、塗りの質感もちがうし、作画監督はことぶきつかささんなので安彦画が動くっていうのも嘘なんだよね。

いけ!いけ!ぼくらのVガンダム!! (電撃コミックス)

 ことぶきつかささんが似せようとして頑張っているのはわかるんだけど、細かいところで筆の安彦良和先生とペンのことぶきつかささん(アニメーターとしては鉛筆か)の筆致が違うというか・・・。


 安彦良和先生の萬画も顔芸マンガだけど、モブキャラが割りとやる気がない感じのアニメの作画で顔芸をしていて、カイ・シデンが現在ビビビのねずみ男を演じている古川登志夫さんなので、ガンダムというよりゲゲゲの鬼太郎を見ているようだった。ドズル・ザビもバカゴリラでバカみたいに感電するギャグがあって、あんまり有能な武人に見えなかった。というかコミカルなマンガっぽい。


 一年戦争開始もいつの間にか文字テロップ先行で始まっちゃったし、年明けとともにカウントダウンして急襲するという兵士たちの緊迫感がなくて残念だったなー。戦争ドラマというより、やっぱり安彦良和さんは歴史の人だからドキュメンタリーフィルムみたいになっちゃうのかしらん。
 でも架空の宇宙戦争で引きの絵が多いCGの戦艦で開戦だ!ってやられてもどうも絵の力が弱い気が。レイアウトとリズムの問題?


 ここでもいろんなエピソードをパタパタしてる感じで一つ一つの重みが足りなくて、しかもそれぞれが繋がって無くて、印象が薄いって感じなんだよなあ。


 キャスバルが推進剤を切らしかけて奮戦する、というのも、アイディアとしては良かった戦いの描写だけど、印象としてはあまりインパクトがなかったし。敵の戦闘機も弱かったし。ララァを入れることでサイコ感は出たけど、真剣に戦っている緊迫感はなかったんだよなあ。モビルスーツの強さ!というハッタリも弱かったし。まあ、モビルスーツの動きに関しては見慣れたいつものロボットアニメって言う感じで、悪くはなかったのかもしれないのだが。
 宇宙戦闘機と戦艦しかなかった地球連邦軍を蹂躙するモビルスーツの新技術!というほどびっくり感覚がなかったようなー。殺陣の面白さは富野由悠季が突出しすぎていて、なかなかそのレベルで演る人は少ないのかなあ。


 やっぱりTVの尺っていうのが問題なのかなあ。でもどうせ天下のNHKで放送するんなら、そこを言い訳にしてほしくはない。


(この記事が良いと思ったら読者登録お願いします!)