第二話「ガンダム破壊命令」です。ガンダム(の残ってる予備の部品)を破壊する命令が敵ではなく、パオロ艦長から出てるのが面白い。ドズル中将はガンダムとかの部品はできれば手に入れろってシャアに言う。
- 戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ
前回は機動戦士ガンダム全体のテーマや視聴者へのメッセージとして、「若さ故の過ちとは?」「子ども向けアニメでは良いものとされがちな『若さ』をあえて危険な要素だとした意味は?」などと長文を書いたが。
今回は…。あの、普通?
いや、戦いで相手の出方や事態の進行を予測してやるのは当たり前では?マジンガーZのあしゅら男爵ですら複数の機械獣を日本各地に派遣してマジンガーZを混乱させるとかそういう作戦は普通にしているので。
別に機動戦士ガンダムが画期的なリアルロボットだからシャアが二手三手先のことを考えているというわけでもない。普通そうだろ。そもそも地球と月の間の宇宙空間なんだから常に船の空間移動とかも考えてないといけないし。まあ、サイド7の近くのラグランジュ・ポイントなので重力的には比較的安定しているかもしれないけどルナツーの基地のことも考えておくべきだし…。
そういうわけで前回の「若さ故の過ち」に比べると、そこまで特筆すべき名言という感じはしないのだが。
- シャアの異常性
ただ、問題は敵の出方を伺う、というのは普通なのだが、将棋のようにターン制が決まってないというのがシャア・アズナブルの変なところ。
自分の一手の次に敵の一手がある、というルールを破っている。
具体的には、このセリフを言ってるのはシャアが仕事を増やしているところ。ドズル中将に連絡して「V作戦を掴んだので、ザク3機の補給をください」と言っているのだが、その交渉が終わった後、シャアは「スレンダーが脱出できたので逆も可能」と言って、モビルスーツではなく自分を中心にした人間の突撃部隊でサイド7に潜入すると宣言して、副長のドレンに「補給艦を待つのではないのですか?」と驚かれた時に「戦いとは、いつも二手三手先を考えて行うものだ」と言っている。
普通のターン制だと、ムサイはミサイルが尽きて補給待ち、サイド7の方も人員が損耗しているし、ガンダム関係の部品を積み込んだりナパームで焼いたり、生存者を探したり、という風に、双方、戦闘ではなく休みをするターンなのだが。
むしろシャアはその休むべきターンに突撃作戦を行うというわけで、二手三手先を考えると言うより、二手三手、手数を増やしている。
普通の1話につき1台の敵ロボットを出してくるアニメの敵指揮官だと「機械獣が復活するまではこちらも手が出せんかぐぬぬ」とかになりそうだが。(まあ、あしゅら男爵やブロッケン伯爵は歩兵部隊も持っているけど。ザンボット3のガイゾックも中盤から歩兵で侵略して難民を集めて人間爆弾を仕込んだりしていた)
シャア、「モビールスーツが整ってなくて暇な時間があったら、自分たちで突撃していって少しでも写真を撮ったり情報を集める」だから。ロボットアニメなのにロボットがないならないで戦闘行為は続ける。
1979年ころにどれだけカードゲームとかTRPGが普及していたのか、知識がないが。遊戯王やバトルスピリッツでも、強いカードを出すこと以上に、カードを引く回数を増やすっていうのが勝ちパターンだったりする。なので、シャアは仕事を増やす。
俺のターン!ドロー!ずっと俺のターン!みたいな。
最新作のGのレコンギスタのモビルスーツ戦闘でも「敵が1回動作入力している間に、3回動作したら勝つ」っていう、格ゲーみたいなスピード勝負で手数が多いほうが勝つ、みたいなところがあるし。
うーん。ガンダムでは結構、「パイロットは休むのも仕事のうち」と言われるのだが、シャアは補給を待つ間に歩兵を動かすのか。まあ、自分が率先して行くのはちょっと偉いけど。まあ、前回はデニムに任せていたらジーンが暴走したので自分が先に行って自分で写真を取りに行ったほうが早いし分かりやすいっていう自己中心的な面もある。クワトロ大尉もZの1話でやってたし。(関係なくカミーユは暴走していたしジェリドは事故っていたけど)
あと、スレンダーは右手を怪我しているけど、サイド7から脱出して経路を覚えているのは彼だけなので、休ませずに先導役をさせる。うーん。
今回は、割と当たり前のセリフだし短く書いたつもりだが、やはりシャアはどこか異常な指揮官だということがわかってしまった。
まあ、そもそもこのサイド7遭遇戦もシャアが
「ゲリラ掃討作戦の帰りに」
↓
「連邦軍の新型戦艦のホワイトベースを偶然見かけたので」
↓
「あれはきっと連邦軍のモビルスーツ開発のV作戦に関係しているはず」と、二手三手先をニュータイプ的な直感で高速推理して
↓
「ドズル中将に作戦成功の晩餐パーティーを用意してもらってたけどドタキャンして」
↓
「3機のザクを偵察に送り込んで戦闘が勃発」
だからなあ…。偶然ホワイトベースを見かけただけで二手三手先を考えて即実行している。
普通の指揮官だと、遠くからホワイトベースの写真を撮って、ルナツーの近くのサイド7に入港するコースだって報告して、ドズル中将のパーティーにちゃんと間に合うように帰る、という一手くらいの行動が当たり前の態度だと思うけど。シャアは勝手に三手くらいの作戦を始めちゃうし、そこでザクが撃破されたらされたで、補給を待たずに二手三手増やす。
シャアはやっぱり復讐のためにスピード出世を狙ってるので手柄を立てるために異常な速攻と多い手数で行動する。通常の三倍。部下はよくついていけるなあ?いや、シャアの下に配属された部下はわりとすぐ死ぬので、意外とスタミナ管理は考えなくてもいいのか?鬼畜だ。
しかし、まあ、ルナツーは地球周回軌道の位置としては月の裏側のジオン公国やソロモンとは地球を挟んで正反対の場所にあるんだけど。ルナツーはたしかに地球連邦軍の前線基地がある連邦側最大の小惑星だけど。僻地だし、作りかけのサイド7しかないし。あの、掃討されたゲリラってどこにいたの?ガンダムセンチュリーとかに載ってるのかなあ?
地球連邦軍のゲリラ部隊というけど、宇宙でのゲリラってあんまり想像つかない。隠れる場所が少なそうだし。(コロニー潰しにあった空域はデブリが多いだろうけど、ルナツーの近くは何にもないので)ルナツーの領域からソロモンまで行くのも遠い気がするし。ドズルも別の場所にいたのだろうか。割とそこらへん、ふわっとしている謎だな。
そこら辺は多少のご都合主義かもしれないけど、ゲリラ掃討作戦というのも後付設定のような。本編では「作戦が終わっての帰り道」としか言ってないので。
一応、サンライズによるガンダム年表とか公式サイトにも載っているのでゲリラ掃討作戦は公式設定なんですが。うーん。ムーン・ムーンみたいな小型コロニーが浮遊していて、そこにゲリラのたまり場があった、みたいなやつなのかなあ。
それか、他のサイドのコロニーでゲリラ掃討作戦をした後、スイングバイ飛行で加速するために、あえて月方向に向かわずにルナツーの方をグルっと回っていこうとしていたのだろうか。ルナツーの危険度認定低いな。
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