玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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#Gレコ のキャラクターデザインの子ども向けアニメっぽさ

 なんかぼんやりしていたら前回の更新から一週間くらい経ってしまった。最後にGのレコンギスタ劇場版を見てからも一週間くらい経ってしまった。しかし、まあ、なんやかんややることがあった気がする。


 それはそれとして、ちょっと今日は軽い見た目について書く。
 Gのレコンギスタの第四部と第五部を見て外見について思ったことは、
「うわー、このアニメってすごく鼻を描きこんでいるなー」ということです。すごく単純な印象論ですけど。

 主にキア隊長ですけど。

  • たいていの日本アニメの鼻

 日本のヒットしているアニメの大半が萌え系になり、また、ソーシャルゲームも稼ぎ頭は美少女ゲームが多い。萌え系ではなく、美少女を主題にしていない冒険ものなどでも、やはりヒロインが萌えもえきゅんしているとグッズとか売れるし、そういう絵柄が多い。SAOとか。鼻がはっきりしているのは巨漢とか不細工な奴、みたいな感じが多い。
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 そういう作品ではたいてい鼻はほとんど点で描かれている。まあ、かくいう僕もアイドルマスターのアーケードからのPだし、アイマスのアイドルもほとんど鼻が点だということは認識している。別にそれが悪いとかいうつもりはない。
 アイドルマスターシンデレラガールズの200人近いアイドルのなかで鼻筋がはっきり描かれているアイドルは西川保奈美(オペラの人)だけだということは皆さんもご存じの通りでしょう。(俺はアイマスアイドルのすべての眉毛の太さやまつ毛の本数をほぼ記憶している)
THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS STARLIGHT MASTER R/LOCK ON! 08 ラビューダ♡トライアングル


 アイドルマスター関連の何かのインタビューで(錦織監督かな?)、「アイドルマスターのアイドルの鼻は点だけど点の置き方も表情のニュアンスとかで変わってくるので単なる点というわけではない」という話もあり、僕は別にキャラクターの鼻が点の萌え絵は手抜きだからダメとか、そういうことを言いたいわけではない。
(二次元美少女の大きな目の形とかは中原淳一、高橋真琴先生あたりの少女画から派生して少女漫画を経てアニメに云々とかで、割と好みだし、写実的でない絵は劣っているとも思わない。そもそも、人間を二次元のアニメや萬画で描く時点でどうしても記号化の工程はある)
 美少女フィギュアとかも80年代のガレージキットからもかなり洗練されているし、それを反映しているのか、ゲームの美少女の3DCGも正面からは鼻が点だけど、横顔ではそれなりに整って高い鼻のような三角錐があったりする。
 ミリシタの4周年記念画像で逆にキャラクターの鼻が点ではなく「く」の字になっていて、クールな印象を前面に出していて割と意外だった。アイマスって鼻を点にする画風の最前線みたいなところがあったので。(まあ、他のカードとか3Dモデルの鼻のデザインは変わってないんだが。今は謎のヤンデレイベントをしてるし)
THE IDOLM@STER MILLION THE@TER SEASON 夢にかけるRainbow


 最近めっちゃ売れてる新海誠監督とか細田守監督のアニメも萌え系では無くて一般向けなんだけど、やっぱり鼻は省略されている。まあ、点の萌えキャラよりもちょっとした一本線と鼻の穴の点くらいの絵柄なんだけど。それでも鼻は実際の人間よりかなり省略されている。
天気の子


 劇場版Gのレコンギスタと同時公開になった劇場版輪るピングドラム後編は2011年に放送されたテレビアニメの再編集版なんだけど、11年前のアニメってまだそこまで鼻が点ではなく、「く」の字のような感じで意外と鼻が高かったんだなあと思った。まあ、輪るピングドラムはちょっとBLっぽいところとか耽美要素もあって、それはちょっと鼻がシャープに高いジャンルだったりするんだけど。
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 まあ、90年代のアニメの鼻を「く」の字にしている風潮も割とひねくれた10代のオタクだった当時はしゃらくさい感じがしてたんですけど。まあ、当時めっちゃハマっていたエヴァンゲリオンとか士郎正宗マンガもかなり鼻は簡略化してたけど。
雨、逃げ出した後


 なんか、余談に余談を重ねているようだが。まあ、とりあえず最近の(日本の)アニメやマンガはキャラクターデザインで鼻がすごい省略される傾向で、それは年々強まっている。
 

 先日、最新アニメのリコリス・リコイルを見て「周りで褒められてるほどそんなに面白くないなあ」とツイートした。(僕が最近面白いと思っている番組は鎌倉殿の13人とメイドインアビスと暴太郎戦隊ドンブラザーズとタローマンなので、僕の面白ポイントは「唐突な死」のようです。まあ、その趣味も偏っているんだけど。)
 リコリス・リコイルについて「かわいくないモブは簡単に死んでもいい、という美少女優先の演出はちょっと殺人としては楽しくないなあ」とツイートしたら、ファンの人に「かわいくないモブが死ぬのは第五話なので、それを見てほしい」と言われたんだけど、どうやら僕が言ったのは「かわいくない男性でサングラスをして無個性化されている犯罪者のモブが簡単に死ぬのが面白くない」という意味で、ファンの人が言っている「かわいくないモブ」とは「そばかすや三白眼などの、かわいくない記号を付けられた女性キャラ」という意味で、ちょっとすれ違いがあった。
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 僕は唐突な死が好きだけど、命が軽く扱われるのはあまり好きではなく、大事な命が一瞬で消えることで、時間当たりの位置エネルギー変化が大きく見えて面白い。爆発オチとか。みたいな価値観。ちゃんと人生や家族とか夢とか将来とかある人がゴミのように殺されるのがいい。だって実際そうじゃん。みんな、自分と自分に近い遺伝子のヒト以外はたいていゴミみたいに扱うでしょ。



 まあ、アニメ鼻問題はゲームとかもあって、かなり描きこんでいるし男性キャラクターの女性人気も高いソーシャルゲームのグランブルーファンタジーも初期はファイナルファンタジーリスペクト()だったので、かなりごつい男性も鼻が省略されていた。(最近になってスマホの高解像度化に合わせているのか鼻が描写されている男性キャラクターが増えてきたけど)
 ゲームのキャラクターはFFとかボンバーマンとか鼻がなくて目しかないときあるし。(まあ、それを天野喜孝パッケージ絵で補完したりとかはある)
GRANBLUE FANTASY グランブルーファンタジー GRAPHIC ARCHIVE VIII EXTRA WORKS


 まあ、別にそういう風潮を批判したいわけではなく、どうも日本のアニメは大体のキャラクターが中学生から20代前半の若者を中心にしているようで、それ以上の成人のキャラクターは醜いおじさんとか記号化された脇役みたいな描き方のようだ。まあ、別に若い人はきれいだと思うし、若い人を書くこと自体をダメということもないんだけど。
 でも、若い人を描くのが巧いというか、若くて清潔感があって鼻も省略されているキャラクターに特化した絵柄で、おじさんとか高齢者を描くと、ちょっとそこはあんまり上手に描けてない場合も散見する。
 おじさんなのに鼻が省略されてかわいい感じで女性キャラと同じような目の処理をされていると、ちょっと変。
(上記で画像を上げたアニメは割と上手い方だと思う。ごちうさはおっさんも出てくるし。清川元夢さんは謎のウサギになっていたけど)

  • Gのレコンギスタの鼻

 こういうことを書くと、「厄介な富野ファンが富野作品を上げるために萌え系を下げてる」みたいに言われる気がするけど、俺はちゃんとデレマスにも惚れている!具体的には大槻唯ちゃんに50万円くらい持っていかれました。
THE IDOLM@STER CINDERELLA MASTER 041 大槻唯
 カチッピュイ(課金)ハロー(即死)


 それはそれとして、Gのレコンギスタを劇場で見たら、あらためて「大人の鼻をがっしり描いてるなー」って思った。
 キア隊長とか、未来の話なんだけど基本的に白人?が多いアニメなのでめっちゃ鼻がしっかりしてる人が多い。



 割と若者寄りのケルベス・ヨー中尉も成人男性なので鼻がしっかりしている。
 余談だけど、僕も割と鷲鼻なのでロイド眼鏡を愛用している。











 人種とか、鼻だけでなく骨格もしっかりと描かれている。劇場版では途中からキャラクターデザイナーの吉田健一さんがスタッフワークから抜けて桑名郁朗さんが作画監督として牽引していった感じなのですが。




 鼻が高い白人系や鼻の大きい黒人系ばかりではなく、東洋系のキャラクターは鼻が低い。なぜ東洋人がメガファウナにいるのかはよくわからないけど、まあ、アメリア軍はそういう感じなのだろう。(キャピタル・ガード候補生にもさまざまな人種がいて、世界各国から有能な学生を集めている感じがする)



 日本人の農家のお父さんは、中の人に寄せて鼻が大きいというか存在感のあるお顔になっている。



 フラミニア先生は割とあっさりとした顔だけど、鼻は結構高い。ヤーンとかジャマ・デリアみたいなマンガみたいな顔の人もいる。



 劇場版のラ・グー総裁の新作カットではかなり鼻梁を強調して描いていて、「うわー、アニメでここまでがっしりした鼻を描くのかー」ってちょっとびっくりした。


  • 大人はそうなんだけど

 こういうことを書くと、やっぱり萌え系アニメを否定されたように思われて「厄介な富野信者がリアルな絵柄のGのレコンギスタを上げるために萌え系の絵柄を否定している」って思われがちな気がするけど。


 それはそれとして、実はGのレコンギスタの若者の鼻はかなりアニメっぽいというか、くの字の鼻というか、むしろ豚鼻に近いような低さ。横顔を見たら鼻の穴が前方になっていて豚鼻なんじゃないか、みたいなディフォルメされた感じが多い。


 レイハントン家の両親を見るに、実際の親や人種としては主人公のベルリとアイーダは白人で鼻が高い方の人種だと思うのだが。


 アイーダさんは19歳なのでリアルな白人女性としてはもっと鼻が高くてもいいんだけど、どうも子どもーって感じで描かれている。白人にしては顔の彫りも浅い。



 劇場版の新作カットでもテレビ版に近い感じでマニィ・アンバサダの顔つきは幼い感じで描かれていた。テレビ版のマニィがジーラッハを持ち出すあたりの顔は割とアニメーターの個性が出ているというか、キャラクターデザインからちょっと外れていたが。劇場版ならテレビ版を修正して、もっと気合を入れて大人っぽく美女っぽく描くかなって予想していたけど、むしろ新作カットでもテレビ版の幼い感じに寄せた顔つきになっていて、意外だった。(ガランデンの格納庫に入ってからマスクと会うときの名シーンの既存素材と合わせるためかもしれないんだけど)
 まあ、第四部のラストは戦闘の殺陣としてはかなり迫真だったけど、ベルリが叫んじゃうところとかはベルリも幼い顔つきになっていたし、あんまりリアルな戦士の顔にして怖くなるより、子どものケンカの延長でモビルスーツを使ってる感じを出したかったのかなあ。
 マニィが大人っぽい顔でベルリに敵意を見せると、それはそれで怖くなってしまうし。(ジーラッハの性能だけで十分怖いんだが)




 クリム・ニックも親父の鼻は大きいし白人だと思うし、ミック・ジャックも高身長の金髪美女だけど、鼻や顔つきはあっさりしている。クリム・ニックはまだ身長が伸びそうな気はするけど。クワトロ大尉もシャア大佐より背が伸びてるし。




 セントフラワー学園のチアリーディング部はいろいろな人種がいるし、ラライヤさんやクンタラが黒人なのかインド系なのか中東系なのか(カーバって言ってよかったのか?)(いや、ピンク髪の時点でな…)よくわからないが、どうも若者は鼻が小さく描かれているように見えた。




 妊娠したり大人の恋愛をするバララ・ペオール中尉やクン・スーンは女傑枠に入りそうだけど、どうもミック・ジャックと同じような新しい世代の母という感じで鼻が子供っぽい。
(チッカラ・デュアルは美人だけど、もうちょっと鼻筋がごつい)


 大人キャラクターはかなり意図的に人種が分かるように骨格とか頭蓋骨や鼻の形状を描き分けていた感じなのだが、メインになる若者は萌え系アニメに近いのか、記号的な鼻が多い。本当に鼻の穴が前になっているというわけではないと思う。



 ルイン・リーは吉田健一さんの本によると「安野モヨコ先生の萬画の美形」が元ネタらしいし、「大人になりたがる青年」という感じなのか、鼻筋がちょっと大人寄りだけど。

  • 子どもの記号

 Gのレコンギスタはかなり元のキャラクターデザインの段階から画力が高く、人種も描き分けているのだけど、若者は萌え系アニメに近いのか記号的に低い鼻になっている。
 まあ、その画風の違う雰囲気を同じ作品でなじませている雰囲気もすごいんだけど。(∀ガンダムの安田朗さんも複数の人種を描くにあたり、複数の画風を意図的に盛り込んだらしい。具体的には、フラン・ドールの目には少女マンガみたいな星がある)


togetter.com



 まあ、ネタ晴らしをするとなんで若者の鼻が低いのかって言うと、やっぱり手塚治虫先生の子どもキャラクターの鼻が団子鼻というか、丸というか、そういう子どもの記号として低くて記号的なアニメ絵として使っている気がする。子どもというか、新しい世代というか。
鉄腕アトム 1
火の鳥 5
 手塚治虫先生ってデカい鼻のオッサンと小さい鼻の子ども(アトムは子どもではないが)を対比的に描いていたところがあるし、そこから戦後萬画の画風が影響されていった気がする。


 富野由悠季監督のインタビューとかをみると、アニメ絵とか記号的な表現を嫌っている人のような印象があるのだが。
 同時に、演出効果としてアニメ絵の持つ象徴性というか記号の持つ普遍性や耐久性は「実写以上」と評価している発言もある。


 というわけで、なんかダラダラと書いて画像も多く載せたけど、単純な話で、Gのレコンギスタは子ども向けアニメで、未来の子どもたちが大人たちの作った世界の中で冒険する話って言うことです。キャッチコピーのとおり、未来の子どもたちに向けたメッセージです。


 ルパン三世やジブリアニメは海外の視聴者から何人に見えるか問題とか、海外の反応とかを見ていると、どうも記号化されたキャラクターは無国籍的になって視聴者が自分と同じ人種と思うことが多いらしいです。(もちろん作風にもよるけど)


 というわけで、Gのレコンギスタも大人のキャラクターはかなり人種を意識しているけど、若者は記号的で割と幼い感じに描いているので、特定の国や特定の年代に向けた作品ではなく、広く長い視点での「未来の子どもたちに向けたメッセージ」という作品なんじゃないかなあ。


 と、キャッチコピーの一言で済む話に四時間くらいかけて書いてしまうのが、オタクの悪いところ。湖川友謙さんの石膏デッサン系から、ビーボォー系で多くのアニメーターが絵柄を共有できるようになった流れとかを書こうとしたら煩雑になるので本筋に入れなかった。色んな絵柄があるので、それを網羅することは目的ではない。


 まあ、僕みたいな悪いおじさんの富野オタクがGのレコンギスタのファン層というのはあると思うけど、子どもに見てほしいなーという意図が画風のコントロールに現れているとは思う。


 そういうわけで、記号表現というのは別に写実に比べて劣った表現ではなく、うまくテーマに絡めた表現として、使いこなせるかどうかってことなんだよね。



  • ほしい物リスト。

https://www.amazon.co.jp/registry/wishlist/6FXSDSAVKI1Z
↑グダちん用


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