玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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「劇場版 大長編 #タローマン #万博 大爆発」 を今さら見た

お題「私の好きなコメディ映画」


 僕は割と雑にでたらめに生きているので、今日じゃないいつかに見たけど感想を書くのが現在になった。


 今年が昭和百年の節目で、同時に万国博覧会も開催という機運に合わせて上映されることになったタローマンの長編映画を映画館に見に行った。

taroman-movie.asmik-ace.co.jp



時は1970年。
万博開催に日本がわきたっていたその時、2025年の未来から万博を消滅させるためにやってきた恐ろしい奇獣が襲いかかる!
でたらめな奇獣に対抗するには、でたらめな力が必要。
しかし、未来の世界は秩序と常識に満ち溢れ、でたらめな力は絶滅寸前になっていた。
CBG(地球防衛軍)は万博を守るため、タローマンと共に未来へと向かう!


 ところで、この映画って元々二本立てだったんですよね。


 というわけで70年代のでたらめな岡本太郎の芸術を引用した美術や芸術家の名言や作詞を使った楽曲を引用しているという点で、寺山修司と組んでいたJ・A・シーザーの楽曲を使っていた「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」に近い雰囲気を感じた。
 

 「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」も「アキハバラ電脳組2011年の夏休み」と二本立て上映でしたし。そういう感じの映画ですね。


 少女革命ウテナの劇場版も割と展開がでたらめで、怒涛の美術と変な歌と謎のキャラクターと変なセリフと疾走感のある展開が70年代を風靡したアングラ芸術と共に暴れまわっていたので割とタローマンも実質ウテナですね。


 芸術は呪術だ。
タローマン・クロニクル


 世界は進歩していないし調和もないが、革命するしかない。


 当時はタローマンもウテナも同時上映の映画の方が人気という点でも似ていますね。当時は林原めぐみさんの人気が加山雄三さんくらいありましたからね。
 また「アキハバラ電脳組2011年の夏休み」も上映当時から未来の世界を予測するという点で万博っぽさがありました。
アキハバラ電脳組 2011年の夏休み


 ただ、今回の「大長編 タローマン 万博大爆発」の上映は万博開催に合わせての企画ということで、タローマン一本だけの上映になったようです。


 そういう意味で、「哀しみのベラドンナ」の女子大生バージョン上映とか「ブレードランナー」の別バージョンとか色んな映画のディレクターズカットとか「秒速5センチメートル」の実写版みたいな感じで、もともとの「長編 タローマン 万博大爆発」では二本立てということの都合でカットされたシーンが今回の上映に際して追加されていたり、逆に整合性のために印象的なシーンがカットされてたりもして、長編タローマンから大長編タローマンになっている。
 というわけで同じく二本立ての一本だった「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」が上映時間85分なのに対して、「大長編 タローマン 万博大爆発」は105分と長くなっています。最近はシネマ・コンプレックス上映が主流になり、なかなか二本立て上映というものが難しくなっているので、そういうご時世を反映したのかもしれない。
「少女革命ウテナ アドゥレセンス黙示録」~薔薇卵蘇生録ソフィアー中世よ甦れ!ー/J.A.シーザー

 僕みたいな昭和の人間は好きなんですけどね。東映まんがまつり的な数本ダラダラと映画を流している感じ。まあ、プリキュアシリーズとかはちょっと短編も付けて、みたいな上映もあったり仮面ライダーとスーパー戦隊は今もセット上映をしていて、そこはやっぱり東映という老舗の意地も感じますね。
『キングオージャーVSドンブラザーズ』『キングオージャーVSキョウリュウジャー』 [DVD]
劇場版 仮面ライダーリバイス バトルファミリア


 いや、まあ、ちょっと話が脇に逸れましたが、尺が長くなった分、テレビ版のタローマンの瞬間瞬間をでたらめに破壊する勢いが減っていて、ちょっと中だるみしたな~~~。という感じはありましたね。


 ↓映画論的な分析は毎週映画を見ているすぱんくさんの方が詳しいんですが。

note.com



もっと言うと「映画」というメディアは常に「時間」を伴っているからなんですね。


 確かにそういう面もあった。


 そもそもタローマンのテレビ版はほとんど一発ネタというか、尺の短さを逆手にとって説明を極限まで省いて破壊と不条理を描いていたので、伝説巨神イデオンとかが好きな僕も好きだったんだよね。みんな壊れてしまうのがいいのだ。
TAROMAN 岡本太郎式特撮活劇


 まあ、今回の上映版の映画のタローマンも割とカット割りの都合や撮影がめんどくさい所はいくつか、説明を省略して飛躍している部分は残っていたんだけど。


 でも映画としてちょっと長めの尺で、いちおう、お話のようなものに見えるように成立させるためにテレビ版とは表現手法が違っていた。


 テレビ版のタローマンにはほぼストーリーがなくテーマもなく、岡本太郎の言葉の断片と特撮着ぐるみ奇獣になった岡本太郎美術が提示されるだけで、割とそれを見ているだけで楽しかったのだが。
(少女革命ウテナの決闘場の謎ギミックと決闘曲もほぼ無意味だが、置いてあるだけで楽しい)
 いや、猛威を振るっている庵野秀明ではないラインでの昭和特撮の質感の継承とか独特の気持ち悪いパントマイムや唐突なアイキャッチなどの岡本太郎の映像化としてのタローマンは僕は個人的に好きなんだが。


 映画の「タローマン 万博大爆発」は万博と絡めた企画ということもあり、万博のテーマである「人類の進歩と調和」を軸におはなしを作ったようだ。
 しかし、「岡本太郎的なでたらめに対する万博的な進歩と調和」の二律背反をおはなしの軸というかルールにしたという時点で、おはなしに秩序ができてしまい、でたらめ要素が結果的に薄れている。まあ、それも構造上、当然ではある。
なつかしき未来「大阪万博」:人類は進歩したのか調和したのか



 そういう意味では反対意見が出るのも当然ではある。


 SNSで「タローマンは所詮、岡本太郎には及ばない二次創作」という声も聴いた。僕は「まあ、タローマンは岡本太郎の入門編みたいなものだろう」と思っていたのだが。


 そう、入門編なのだ。


 というわけで、尺が長いのもある程度仕方がない、と、僕は敢えて反論したいわけだ。


 だって、その……。


 みんな、そんなに岡本太郎の作品をちゃんと見てないだろ?
岡本藝術: 岡本太郎の仕事 1911~1996→ (小学館クリエイティブビジュアル)
もっと知りたい岡本太郎 生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
孤独がきみを強くする


 いや僕も見てないので、多分一般的な生活をしていたら、そんなに太陽の塔とか以外の岡本太郎の芸術や言葉に触れる機会がないんじゃないかな?という自分の不見識を基にした推測ですが。もし、みなさんが岡本太郎を日常的に経験していらっしゃるのでしたら謝ります。


 しかし、タローマンの映像化に協力した岡本太郎側の公式組織である公益財団法人岡本太郎記念現代芸術振興財団が運営している「岡本太郎記念館」や、川崎市の「川崎市岡本太郎美術館」にみなさんは行ったことがあるのか?と、君は!
太陽の塔


 僕は万博記念公園で太陽の塔をぼんやり見たことが昔にあったくらいで、岡本太郎の作品を鑑賞した経験は少ないです。岡本太郎の美術や言葉を収録した本や岡本太郎の書籍も買ったり読もうとしたらできるはずだけどやってないです。


 いや、僕も障碍者手帳という社会の進歩と調和の福祉システムのおかげで映画も安く見れるし美術館博物館も基本的に無料なのでもっと出向くべきなんだが、色々と些事に追われてトッピンシャンなのだ。
 映画の料金が値上がりしましたが、僕の場合は障害者割引料金は据え置きで助かりました。でもキングオブプリズムとかは短い癖に特別料金なので健常者料金を払わされる。


 そういうわけで、岡本太郎の美術や言葉と岡本太郎が万博で爆発した1970年っぽい感じを映画館の大画面で映写して陳列するに当たって、単に置物としてスクロールして流すのではなく、劇映画に沿って紹介した方が躍動感と迫力があるので映画はこういう感じになったのだろう。
 岡本太郎をあんまり知らない僕らでも「いろいろな岡本太郎の作品があるんだなぁ~。太陽の塔の亜種であるタローマン系列だけでもいろいろおるんだな~」という程度の雑な気持を味わうことができたと思う。


 そういう風に岡本太郎作品を学術的に真面目な雰囲気の美術館の静かな感じで鑑賞するのとはまた違った、昭和特撮怪獣映画を見る雑な子どもみたいな雑然とした感じで岡本太郎作品を紹介されるという媒体としては、「大長編 タローマン 万博大爆発」も肯定できる部分がある。


 ただ、でも、好みとしては尺が短くて勢いのある二本立て上映版の方が好きかな~~~。


 ちょっと長めに編集してタローマン一本で上映するにあたって、岡本太郎作品を色々見せたいとか分かりやすくさせたいとか言う欲が出てしまった印象はある。


 まあ、それくらい映画って難しいんだよね。でも別に完璧な映画じゃないとダメってこともないし。そもそもタローマンみたいなジャリ番にクオリティを求めても仕方ないだろ。
タローマンなんだこれは入門 (小学館入門百科シリーズEX)



 でも、僕はタローマンの雰囲気は好きですね。登山する時もタローマンの歌を熊除けを兼ねてアイマスソングや声優ソングや富野アニメソング、ジョジョソングとミックスしてSIMなしスマホにDLして鳴らしていますし。
 山でタローマンの歌を聞いて「生きるも良ければ死ぬも良し」って思うと、熊もいるしヤクザや悪人が不法投棄することもある危険な山を特に意味もなく登って疲れるという行為をしている時に元気が湧いてくるというか。
 マイナスに飛び込むというか、そもそも僕は人生が(詳細は過去の記事でかいたので省くが、)ほぼマイナスなので何の意味もなくても「山が見えるなー行くかー」くらいの人生でいいと思う。
きみは自由に生きているか


 ちなみにチェンソーマンのレゼ編とタコピーの原罪のアニメは週刊連載のライブ感の疾走感で突き抜けて雑に死んでいったので、今さら色と声が付いた映画になっても仕方ないだろって気がして、あんまり見る気がしない。


 鬼滅の刃は逆に原作を読む気がしないのでアニメ版を見たいけど、まだ岩を割った所までしか見てない。うーわ。僕の消費速度は遅い。もっと、こう、ストレッチ体操をしたり模型を作ったりソシャゲ周回をしながら気軽にアニメを見る習慣を取り戻したいんだけど、鬱が年々重くなっているのでストレッチをしながらアニメを見るという程度では、あんまり面白くないし、むしろ死にたくなる。


 あんまり面白くないアニメを「新作ウォッチ」くらいの動機で録画するのはダメだ!でもアニメなんて環境音楽的にダラダラ流してもいい気がする。うーん。


 というわけで、7月くらいにあまりにも僕がアニメの録画を消化していないので見かねた読者の方からお古のレコーダー200時間空きを譲ってもらったのですが。


 夏アニメが終わり10月の改変期を迎え、何となくその間に雑事やソシャゲのデレステやら庭の手入れやら睡眠障害やらをしていたら、もらったレコーダーの残り録画枠が25%になった。


 ダメじゃん。


 でも、今までFate/GOのイベントは終了前2日で駆け込みクリアするという惨状を10年くらいやっていたしメインストーリーも進んでないけど、今回の「幕末チャンバラ神話 ぐだぐだ新選組・ジ・エンド REVENGE OF MAKOTO」は毎日更新のストーリーに合わせて進めている!デレステが縮小したからか?


 やっぱり新選組や幕末の人には思い入れが強いって言うか京都の近所の人だからなー。こないだも比叡山に登ったら石仏の破片が砂利に交じっていて「ノッブがやらかした跡かな?」って思ったりした。新選組の資料は古本屋で積極的に買う。

 触媒で魁先生が宝具2になった。人斬りの人は知らん。なんか藤堂平助と原田左之助も来たら持っていなかった幕末のバーサーカーも欲しい気がしてきたけど、まあ、副長はたぶんまたピックアップが来るんじゃないかな。僕は貧乏だという自覚を持とう。
(ほっちゃんの水着コルデーが欲しかったのに復刻まで来なくて魔神人セイバーは宝具5になった。なんでだよ)


 と、岡本太郎とは関係なく、雑に近況報告をしたりして。X(旧Twitter)は特に理由もなく無断凍結されたので、Twitterを通じて親交のあった人、すぱんくさんたちとはあんまり絡まなくなったけど。


 馴れ合いを断ち切りたいし、別にシステムによって知り合った人がシステムの都合で疎遠になるのも別にいいし、今は妹のアカウントに薔薇の花嫁をさせている。


 ここの悪いインターネットは封印呪縛で僕は呪いのメタファーだし芸術は呪術だ。それでいいじゃあないか。


 僕は六本木ヒルズのIT企業で過労死寸前になって実際に三途の川を見るという臨死体験もしたので、一度死んだ人間だよ。みんなもそうなるべきだ。戦前から芸術をして第二次世界大戦を体験し、大阪万国博覧会の美術を手掛けた岡本太郎もそう言っていた。一度死んだ人間になれ。


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