玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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ラ・セーヌの星27話「二人のオルレアン」

今回から、総監督大隅正秋・監督富野喜幸という、ルパンなんだかガンダムなんだかよくわからん体制になりました。
ディレクターをやってたプレイボールの出崎哲監督(あしたのジョー出崎統の兄)がもういやだ限界って言い出して、裏番組のライディーンを首になった富野監督にお鉢が回ってきた。
でも、今までもオープニングのクレジットは監督富野喜幸だった。
あ、でも1話から堀江美津子ではなくアレーヌ版だったので、僕が持ってるのは本放送じゃなくて再放送版のテープなのかなあ。
オープニングの途中で伊勢丹のマークも出ないし。
つーか、視聴率が振るわなかったからお詫びのためになるべく伊勢丹を利用しようとするトミーノってどんだけ責任感強いんだよ。
だが、脚本も絵コンテも、今まで出崎哲監督がやってた担当演出も、違う人だった。
トミノは何をやったんだ?
怒鳴ったりする人?
だが、作品を見て見ると富野臭くてタマランかった。
いや、まあ、トミノ作品だといわれないとトミーノだと気付かなかったかもしれんのだが、3クールに入ってからがらっと雰囲気が変わった事は確か。


変わった事を列記する

  • 小芝居が増えた

セリフのない視線の演技が富野っぽい。

  • ダントン(子どもキャラ)の口が悪くなった

シモーヌが貴族の身分を取り戻せる事に成ったのを受けて
「やっぱりシモーヌも貴族がいいんだろう?毎日遊んで暮らせるしさ」
シモーヌがロベール(義兄)のために事件解決をダントンに手伝えと言ったのを受けて
「結局ロベールのためか」
こういう嫌味っぽい所が大好き。一言多い感じはドラマを豊かにする。
作中では8年経っているので、ダントンが成長して思春期になって恋愛レースに参加するという展開になると面白いのだが、ダントンは子どものままだ!

  • 悪い人が全階級にわたって悪くなった

今までの女ネズミ小僧編は悪い貴族と、それに取り入ろうとする悪い人をラ・セーヌが懲らしめるという構造。
それが、貴族も悪いし、平民も悪い。
お互いに利用しあって、弱い物は死ぬだけだ!というか、運が悪かった奴が死ぬのだ!世界は地獄だぜえ〜!
という全方位闘争決断主義的な雰囲気でタマラン。
そんで、各人の利害を追求する世界の中で最強なのが正義の味方であるラ・セーヌの星というのが痛快だ。

  • 悪いと思ってた人がいい人だった

2クール目を通じて、オルレアン公が黒幕だと信じて疑わなかったわけだが、ここへ来てひっくり返された。
うへえ!
しかも、そっくりさんネタ。
まあ、それだけ当時のパレ・ロワイアルは有象無象だったのだということかな?
シモーヌマリー・アントワネットがキエルさんとディアナ様に繋がったと思うと(;´Д`)ハアハア…!
こういう善悪の相対化というか普遍化は富野らしいモチーフだなあ。

  • ミステリー展開

単純な活劇だったのだが、キャラクターが人格をもち嘘をついたり、持っている情報の差によって行動が変わったりする作劇に成ったためにミステリー的な要素が出てきた。

  • と、見せかけてバトルアクション

戦闘シーンになるとうって変わってケレン味のある演出が目に付いた。
まず、ラ・セーヌの星に変装する時。
シモーヌがわざわざ物置から衣装セットを取り出す。
着替えシーンか?と期待するわけだが。
ウルトラアイよろしくジョワ!と装着すると背景が光り、次のカットではラ・セーヌの星がポーズを決めている。
変身美少女戦士のハシリ。すげえ。


殺陣も素晴らしい。
敵マントを投げつけて目隠しにしたり、敵が一斉についてきたところに剣を投げつけて4本の剣が交差して止められたり。
戦い方に一工夫あって楽しい。
トミノは戦い方を知っているなあ。いや、富野のアイディアとは限らんが。


その割に、シモーヌが女の子である事実は事実なので、力負けしてしまう。
やべー!これは死ぬ。
という所で黒いチューリップ登場。
わざわざ黒い薔薇を投げつけて、それを敵が切って、舞い散る花びらの中を飛び蹴りで現れるというカッコよさ。
タキシード仮面様か。
やっべー!おもしれー!

  • そして、真相は闇の中

ええーっ!ここで話の腰をぽっきり折りますカー!
裁判が大詰めを迎えた所でどんでん返し。
そしてハーモニー処理。
ガガーン!
この事件が3クール目の縦軸になるんだなあ。

  • ヤマトか

前年に制作された宇宙戦艦ヤマトの影響か、大河ドラマの影響か、本編の最後にその日の年月日がナレーションされた。
うーん。
革命偽史を描くわけだな!楽しみだ。
面白すぎだろ。



ラ・セーヌを見終わったら勇者ライディーンを見る。逆順だが。ラ・セーヌが手に入ったのだから見るのだ。