玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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>>kaito2198さんへ (富野オタクはいい読書法だ)

http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20071207/1197037329

はじめまして、富野監督ファンの一人なんです。いつも玖足さんの記事を楽しみにしてます。

大富野教スレの話題なんですが、玖足さんの言う
>それはそれで富野が身体論を最近唱えているという
>「情報」に引きずられすぎてはいないか?
にとても賛同します。
たぶん最近作品が少ない(というか今年新作ないし)影響に連れて、
富野エッセンスに渇く人たちはただテキストを見ることによってしか富野分を補給できないでしょう。
それで「身体性」というキーワードの文章や対談を過度摂取し、消化不良になったのではないかなと思うのですね。

作者の思想を知る事は有益だと思うんですけど、アニメ作品は見たものを見たように見たいと言う事です。
それなら、なるべくおもしろいように思いたいわけです。
正しい作品よりも面白い作品がいいと思うんですね。
板坂元(イタサ加減?)の「考える技術・書く技術」と言う本で、

「著者と知り合いである場合は、その本を読むのが大変楽である」
「テレビで話を聞いたり講演を聞いたことのある著者の本は、非常に読みやすく感じる事が多い」
「同じ著者の本を二冊目に読むときも、はじめてのときよりも楽」
「一冊の古典を読もうとするとき、著者の日記や随筆、あるいは全集があれば手紙や覚書などまで目を通すと、より深い理解に達する」
「著者の置かれた時代、家族や交友などの環境、教育・性癖・嗜好などにまで調査を広げていけば、理解の度合いはもっと豊かになる」
「なるべく完備した全集、手紙や日記や中学校の時の作文までも収めたような全集(そう言う全集の出ている人は、読むに値する偉大な人物でもある)を選んで、時間をかけて徹底的に読むことが、遠回りのようで結局は一番手っ取り早い読書技術の体得法ということになるのかもしれない。」

と、あります。
ま、この本は若干古いので、古臭い部分や作者の思考が偏っている部分もあるので全部は賛成できないのですが、この部分は僕の富野作品鑑賞を裏付けているのでいいと思いまス。
僕は富野監督と直接話したことも在りますし、富野監督の小説や対談は監督の地が出てているし、エッセイには頼みもしないのに自分で手紙や覚書や性癖が暴露されているからです。
だから、オタク的な鑑賞法は悪くはないんですね。


でも、「彼はこういう思想だからこういう作品を書くに違いない」とすることもまた正しくないと思うのです。
結局は自分が見たままですね。
まー、カミーユの言ってる事がお説教的とか、陳腐なラストと感じる人も居るので、それはそれで僕とは違うんだなあと思うだけですが。
僕も「彼女が出来たらいいのか?」って思いましたし。
でもあれです。やっぱり面白いと思ったほうが得です。
つーか、やっぱりあの状況でアレだけの経験をした上で「生身の女がいて嬉しい」っていえるカミーユは、理屈を超越してニュータイプだと思います。
ちょっと、なかなか把握できない性格です。