玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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「アニメで時事批評するブロガーの貧しさ」について

設問;アニメ感想はなぜ批評に近くなるのか - カオスの縁 ――無節操日記これを読みました。
で、なんだか僕が機動戦士ガンダム00について書いた文章を元ネタにしていろいろと議論が交わされているらしくttp://d.hatena.ne.jp/psb1981/20090418/1240054839、オラ、ワクワクしてきたぞ!いっちょやってみっか!
と言うわけで早々。
それにしても、「ガンダムダブルオーは富野や出崎に比べて感情がぬるいので見てて感情が動かされないからツマンネ」と僕が書いたら、「ガンダム00は感情的になることの弊害を描いているんだよ!グダちんは信じられないくらい頭が悪い」とおっしゃり、ガンダムダブルオーの最終回の後に僕を本格的に批判すると予告した頭の良いid:amamakoさんは、全然音沙汰がありませんねえ。
どうしたんでしょうねえ?
バッチ来いや。


まあ、そのー、なんだ。
アニメブログが現代の世論を豊かにしようなんて、おこがましいとは思わんかね。
おれはちっぽけな・・・1匹のガノタだ。せいぜい小さなブログを守る程度の・・・。
ガンダム00は悪くない…でも…ごめんよ…。
くそつまんねー!!!!!!
ゲラゲラゲラ
ってブログに書く。


なぜかっ!
それがおもしろいからだ!
おもしろいんだよおおおおおおおっ!


この間、僕のブログと富野とそらのファンの人と初めてオフ会をした。まあ、用事のついでだったので。
で、その人曰く「僕はガンダム00は機動エレベーターを撃ち落とすミニゲームの回と、大量の置鮎龍太郎を撃ち落とすミニゲームの回しか見てないし覚えてない」ということ。
で、「ミニゲームかよwwwww」と、盛り上がった。twitterはてなハイクの実況でも、ガンダム00実況は面白かった。
本編以上に。
ここがガンダム00の面白いところです。
自分ひとりでブログの画面に向かって、「ガンダム00とは・・・。ガンダムシリーズとはそもそも…」などとうんうん唸りながら執筆していると、あまりにも破たんしているし演技はなってないし、アニメーターはロボットをうまく動かしてるけど、ストーリーはクソだし、(ストーリーと作画のバランスがよくない作品が登場した。ストーリーは普通か普通以下なのに、作画にはやたらと力が入っている作品が生まれたのだ。そういう作品は、やはりストーリーと作画を切り分けて観てしまう。http://www.style.fm/as/05_column/365/365_118.shtml)などと、書くことが悪口ばかりになってどんどん暗くなります。


でも、ネットの実況や友達と会った時に、「今週もダブルオーは変だったよねー。キモイよねーwwwwwwwwwwwwww」
と言う風にトークする材料としては、なかなか笑えて面白いです。


これは、ネットの感想だけを見て、ガンダム00批判だけを見て、本編を見ていない人にはわからない感覚でしょうね。
批判だけを見ると悪口みたいだけど、むしろ、批判されることがこの作品の独自の面白さなんだよ!
だって、置鮎を撃ち落とすミニゲームが見れるアニメなんてこれだけですよ!超面白い!
それを見てもいないくせに、つまり、お笑い芸人のネタを見ていないのに、お笑い芸人が笑われていることだけを見て「人を笑うのはいけないと思いまーす」みたいなエア批評ではてなブックマークを稼ごうとするブロガーってなんなんでしょうね。
*1


だからさー、狭いブログを独りで書いて、自分の意見に捉われて、それで世の中に影響を与えるご意見を書こうとするのは貧しい態度だと思うな。


つまんない作品をつまんないと言い合うことや、ネタをネタと嗤うことだって立派に面白いんだから、そういう話のできる相手を手に入れることが豊かなのではないでしょうか?
アンチ同士で結束力を強めるという、政治的な意味はそんなにないです。
僕が話した相手はガンダム00アンチと言うほどに00をこだわって見てはいませんでしたが、つまんないところや変なところをネタにして笑う程度でも全然楽しかったです。


まあ、そういう斜めっぽい見方はあんまりよくないのかもしれないけど、ファーストガンダムだって、「ブライトがアムロを殴った後のポーズが変」(安彦良和が下半身の作画をケチって上半身だけ振り向かせたため)とか、たまにガンダムが変な顔をする(スケジュールや予算がやばくて富野まで原画を描いてたから)とか、そういうネタの消費の仕方はあります。


では、なんで僕は富野ガンダムはネタをけなすだけじゃなくて割と褒めているんだろう?
信者だから?
何でおれが信者になったんだろうね。やっぱりおもしろいからじゃないの。
だから、富野でもつまんないことをしたら糞って言うよ。
その結果、他の人に「グダちんからはクソに見えるかも知れんが、実はこういう見方もある」とか言われてなるほどー。みたいなこともある。
00の面白さについて視点を提示してくれる人がいたらいいんだけどなー。まあ、最後は自分で感じるしかないのが面白さではあるか。



ちょっとことばがたらなかったかもしれないな…
おれ 富野信者の布教や義理だけで富野ブログをやってるわけじゃないぜ
富野がすきだからやってきたんだ
マチルダさんのいう青春を謳歌するってこととちょっとちがうかもしれないが 燃えているような充実感はいままで なんどもあじわってきたよ…血だらけのネット上でな
そこいらの名無しみたいにブスブスとくすぶりながら不完全燃焼しているんじゃない
ほんのしゅんかんにせよ まぶしいほどまっかに炎上するんだ
そして あとにはまっ白なガンダムだけがのこる…
燃えかすなんかのこりやしない…まっ白なガンダムだけだ
そんな充実感はガンダムを見る前にはなかったよ
わかるかい マチルダさん
負い目や義理だけで信者をやってるわけじゃない 富野がすきなんだ
死にものぐるいでアニメを見る充実感が わりと おれすきなんだ
*2


以下、余談。
別に、自分のブログでアニメをよくしようなんて毛ほども思ってないね。アニメ作家に意見を伝えて、自分の想う理想のアニメを作らせるくらいなら自分で小説でも書くし。
自分のブログの影響で富野作品を見る人が増えたら嬉しいけど、富野作品を見させるために書いてるわけじゃないし。自分が楽しいからだし。
むしろ、自分が楽しんでるって言う姿を見せる方が、富野アニメを見たい人が増えていいんじゃないかな。



っていうか、作家に作品の意見を言うと、関係がこじれるので最近は避けている僕です。
富野監督に「富野監督の小説面白いですね」って言ったら「あんな自意識過剰な作品はもう書いたらだめなんです」って勝手に落ち込まれたし。
あきまんさんに「なんでターンAガンダムのキャラの瞳孔って点なの?自律神経失調?」って聞いたら「だから僕の絵は売れないんですよ…」って落ち込ませてしまったし。
作品批評を伝えるのは鬼門なんです!
(最近は、∀ガンダムの眼については自分の中でザブングルのネジ目みたいに目の色を強調する表現かなー、と思ってますけど。まあ、メシェーの真ん中ハイライトとかフランの星形ハイライトとか、バリエーションは広いんですけどね。
ただ、安田朗氏のデザインは「いろんな記号を使ってもおなじakimanがデザインしたら統一されるかな」と言うスタンスだったんですけど、アニメーターの絵として平均化されたら、フランの星とかがあんまり目立たなくなってしまったのが残念ではあります。
そこら辺は、トップをねらえ!2のノノの星目はデザインの貞本氏がアニメーターでもあるから?強調されてたように見えますね。まあ、フランは脇役ですけど・・・)


僕も「脳内恋愛は駄目だね。妹可愛くないね。脳内妹と付き合ってるなんて生産性がなくてクソだね」って言われたら「60億も70億も人間がいて、お前はまだ過剰生産をしようとするのか!」とかケンカになりそうです。


そういうわけで、最近の私は、ブログ感想は自分の書きなぐりと言うか、言いたいけど聞かせるつもりはないものを吐き捨ててるというスタンスであって、別に黒田洋介氏も水島精二監督も反省しなくていいから映画を作ればいいと思う。


いや、まあ、そういう風に自分だけが面白がるためにネットの文章を書くのは、たしかに役に立たねえよなあって思います。
ライフハックブログとかは偉いよねえ。
でも、アニメ感想なんて言う実際の役に立たない、むしろどうでもいいもので「世の中を分析する!」などと言うのは、それはおそらく過去において、おたくから一般人に浴びせられた批判と同じように、ほとんど「無効」なものに終わる気がしますし、むしろ逆に、こうした「アニメを通じた世相語り」は、実体経済に届かないのは勿論(というか、経済人はそんな批判は最初からマーケティングに織り込み済み)、アニメファンにも届かず、ただブロガーたちの「俺の視点こそが最高」という確信と、「オタクだけど時事批評っぽいことが書けちゃう知性のあるボク」みたいな自意識、ナルシシズムを強化するだけに終わるのではないでしょうか(そこから抜け出せる人間がいるとも思いませんが)。


だから、僕はせめてそこに自覚的で、単に自分が面白がるためにブログを書こうと思います。
一応ブログに対する僕のスタンスは、富野由悠季監督が長崎県佐世保市の小学6年生女子児童による同級生殺害事件に対して、民俗学者大月隆寛氏との対談で述べた、この言葉です。

「公共と言うものに対して意識の持てないところで発表されている物に関しては、本来発言でもなければ意見でもなくて、しょせん私見なんだから、そういうものに振り回される必要もないし、それを憶測する必要もない。そんなのがその人の人格に関わるかって言うと、関わらない」

「これはただのつぶやきなんだ、これは私に向けての言葉なんだ」

「百個くらい悪口を書いた、その最後に一言、”でも、好きです”っていう言葉があればそれですべてが済んでしまうかもしれないという言葉づかい」



つまり、僕はチラシの裏の中では好きにやらせてもらうぜ!


で、好き勝手に書くのは自分の面白さのためだけです。
もちろん、「つまんない」って書くとファンが傷つくかもしれません。そのリスクはあります。
でも、ガンダムダブルオーがつまらんと思えばツマランと書きますが、面白い部分があれば面白いと書きますよ。
俺がガンダムだ」と言うセリフは好きだし、実際に自分もよく使いますし。名言です。
刹那はガンダムオタクとして共感できるキャラクターですね。(ただ、ガンダムの粒子でパワーアップしただけで、さしたる通過儀礼もなく、「ガンダムと言う名前の付いていないダブルオーライザーに乗ったから、ガンダムを克服した」「ガンダムに似たオーガンダムをやっつけたから超えた」とか形だけ見せられてもドラマになってないとつまらん)
そういうわけで、ガンダム00の面白いところもちゃんと書いてるつもりなんだから、ファンの人はそんなに怒らないんじゃないかなー。怒るかなー?id:lisagasuさんはガンダム00ファンの人らしいけど、そんなに怒られてないと思う。
http://b.hatena.ne.jp/lisagasu/%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%80%E3%83%A0/


僕としては、ガンダムシリーズとしてガンダム00を批評してはいません。だから、「ガンダム語りの貧しさ」とか言われても、そうっすか、すんませんねぇ〜としか言えん。
ガンダムだからという理由で黒歴史探索のために見たけど、語る時は物語作品としてどうかと言うことで言いますよ。
ガンダムXガンダムへのアンサーではありましたけど、作品としても宇宙船サジタリウスみたいな数話構成で丁寧に作られていておもしろかったです。キャラデザとか、地味だったけど、なかなかでした。
見る動機はガンダムでも、評価は個々の作品としての問題であって、「ガンダムだから」と言うことは大して問題ではないです。
富野とは比べるけど、出崎とも宮崎とも比べてるし。
別にブログの政治性程度で富野由悠季の評価が上下するというのはおこがましいのではないかな。
そんなもんは個人個人が富野作品を見て感じればいいことだ。

*1:もちろん、笑われる芸人と笑わせる芸人の違いもあるんですがね

*2:あしたのガンダムねた・・・