玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

ガンダムの家族論カスタマーレビュー

「ガンダム」の家族論 (ワニブックスPLUS新書)

「ガンダム」の家族論 (ワニブックスPLUS新書)

富野由悠季監督の「ガンダム」の家族論のAmazonカスタマーレビューを書きました。
ブログではもっと個人的な感想を交えて、もっと長く書くつもりだが、とりあえず一般向けにはこのようにまとめてみた。いつも1万字越えの長文になりすぎるので、カスタマーレビューは苦手なんですが、さらっと短くやってみた。

ページ数は少なく読みやすいが、3月11日の大震災について発売直前に加筆というレベルではなく、全面的に改稿してあり、富野由悠季氏の情熱がうかがい知れる。

地震後にガンダムエースという雑誌に連載作家から「頑張れ」というコメントが寄せられたが、その中で富野だけは「耐えてくれ」「千年前から、ここに住んできたのです。その間にも、自然に屈伏しながらも、また新しい時代を築いてきたのです。」と書いた。

本書もその様な調子で、単なる「ガンダム論」「家族論」だけではなく、氏のアニメーション作品と同じく文化やサブカルチャーや科学や歴史の枠を超え、富野氏の哲学が過去から未来に向けて縦横無尽に展開され、非常に刺激的な一冊である。

本書を貫くのは、「人類を十万年後も生き延びさせる」との信念である。家族は人間を紡ぐシステムの一番基本だから重要、という位置づけである。
しかし、そこは富野のこと、「家族を大事にしよう」という、その場限りで読み捨てられる新書に在りがちな甘い言葉ではない。
「日本や世界の人口は減少する」「エネルギーは有限であり、科学はそれを制御できない」「300年間は町に死体が溢れるだろう」と、冷徹とも言える主張がなされる。しかし、それに耐えて覚悟し、自らを律する修行の時代を越えて初めて、十万年後の家族を守る事が出来る。
これはそんな覚悟の本だ。
「ガンダム」の家族論 (ワニブックスPLUS新書)