玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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おたくのビデオ1982

あんまりおもしろくなかった。
アニメーションとしても、マクロスのコピーシーンがあるが本家の方が面白かった。青春ドラマとしてもストーリーが単調かなあ。主人公の久保がアニメを好きになるキッカケが紋切り型で、物語になってない。アニメにハマっておたキングを目指す動機も弱い。おたキングの岡田さんがおたキングを描く、という目的に全体が振り回され、プログラムピクチャーにもなっていない。まだ前編だから後半はわからんが、多分化けない。
おたくの回顧にしても、大して実感としての重みが伝わる作り方ではない。説明の羅列に終始して、粗いデータでしかない。おたく以外の人にも、おたくを通じた青春を感じさせる普遍性があればよかったのだが。おたくという狭い世界だけを特別視して認められたがるという独善的思想が蔓延しているため、不自然に見える。その点ではジブリの普遍性は上手い。
演出的にはオープニング以外は普通かなあ。オープニングのエフェクトパロディはガイナックスらしくて面白かった。ただ、パロディでしかないのが残念。王立とは違う。
作画は園田健一デザインで本田雄作画監督で見やすかった。

2011年の夏休みのアラサーから見たら、1982年も1991年もあまり変わらないし、あんまり懐古という感覚はなかった。
ただ、1995年のエヴァンゲリオンブームの頃はまだ岡田斗司夫さんのこのおたくのビデオは影響力はアニメージュなどの雑誌では大きく、中学生の頃から見たかったので、今回見た。
まー、当時から今までの間に、げんしけんとか、インターネットの普及とかあったからなあ。今はそんなにショックじゃない。
しかし、オタクが差別されてる!って怒るのは、よくわからんなあ。オタクだから差別されるんじゃなくて、人間は足の引っ張り合いが好きなんだろ。って思う。
げんしけんの方がドラマとしてこなれてて面白いし、現視研のオタクも服マニアの春日部さんと同格で楽しそうに生きてて良かった。
げんしけん(1) (アフタヌーンKC)

げんしけん(1) (アフタヌーンKC)


で、アニメのドラマの合間に「おたくの肖像」って、91年当時で20代のオタクたちのインタビューが入ってた。これもなんかヤラセ臭くて気持ち悪い。アニメーションのドラマ部分に水を注す感じだし。童貞アンケートとか、気持ち悪い。
なんかオタクの権利を訴えるように見せて、やっぱりオタクのキモさをカメラの向け方やインタビューの仕方で笑ってる感じがする。岡田さんの「自分は良いおたくで、ぬるいオタクは笑う」って感じの態度があるなー。内輪受けの内ゲバみたいな、お山の大将みたいな。サークル感覚ってのはありますけどねー。あんまりオタクの楽しさが印象に残らなくなってしまう。
まあ、91年はまだバブル崩壊前だから軽薄さがあったんだろうけど。いや、まあ、今でもオタクいじりはバラエティー番組や電車男でやってるし、人間が人間を嘲笑する態度は変わらないかなあ。
しかし、ここに出てたおたくは50歳近くに成ってるのか。うむ。こういう人たちはどういう気持ちでヱヴァンゲリヲン新劇場版を見ているのかなー。