高畑勲監督のかぐや姫の物語を昨日見て、感想を書きました。
#かぐや姫の物語 感想その一 (作画印象の面で)美術展 - 玖足手帖-アニメ&創作-
その後、ネットで他の人の感想をさがして読んでいたら、アニメ評論家の藤津亮太さんも私の前記の記事とほとんど同じような作画への印象を描いていて、興味深いです。
「最新技術を推し進めていった結果、逆に古典的な作品と似た印象の物になる」「マンガ的技巧を使ってディフォルメした絵なのに、逆に本物っぽく見える」といった趣旨の文章。
みんな同じように見えるのかな。
藤津亮太の「只今徐行運転中」:『かぐや姫の物語』に震撼する理由 - livedoor Blog(ブログ)
ただ、私はアニメーションの歴史の流れとしてかぐや姫の物語の映像が生まれたという藤津さんの書き方には疑問。歴史の必然なのか、高畑勲監督の個性としての作品として生まれたのか、って言う判断は現在は保留ですね。アニメは色んな人が関わってるし。
で、藤津さんのこの記事にはTwitterでも議論があって、作画のスタッフの流れに詳しい中原さんのツイートをここに軽く引用する。
びねつ @b_s_v 12時間
なんでアニメが実写映画をお手本にし続けてきたって思うの?湯浅政明の前で言えんのそれ?ロトスコープ黎明期の価値観でしょ?それは アニメ表現史をちゃんと調べたの?感覚で言ってない?大丈夫??? / “藤津亮太の「只今徐行運転中」:
中原芽衣さんがリツイート
藤津亮太 @fujitsuryota 12時間
.@b_s_v 2000字に満たない原稿ですので、大枠だけ書いてあるものですので、そうご理解していたたければ。あと、お手本ではなくて、参照ですね。
中原芽衣さんがリツイート
中原芽衣 @nakaharamei 12時間
湯浅さんとかぐや姫を結んだ時の結合点は「THE 八犬伝 新章4話」なるのかにゃ、なんて思うにゃ。 アニメ業界はあの新章4話が提示されたものを御せずにここまで来てしまったんじゃないかってにゃ
https://twitter.com/nakaharamei/status/404236168805359616
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びねつ @b_s_v 12時間
@fujitsuryota 記事のストーリーが、今「かぐや姫〜」が公開されてパラダイムが変わったって収束してるのが理解できない それは意味わからん
中原芽衣さんがリツイート
藤津亮太 @fujitsuryota 11時間
.@b_s_v パラダイムが変わったとは書いていませんね。「絵画的迫真性」(ここに湯浅作品が含まれるのはもちろんですが)に舵をきって、その参照を絵巻物にすることで、オルタナティブな可能性を示したといっているので。あくまで「かぐや姫」がラジカルだというお話のみしているつもりです。
中原芽衣さんがリツイート
中原芽衣 @nakaharamei 12時間
アニメの表現として実写に立ち返る、というのは「AKIRA」の反動としてあって、 AKIRA参加アニメーターが90年代にそれで、2つのリアル系として表現を開拓していく、 というアニメスタイル史観的に考えると、感じだけどにゃ
中原芽衣 @nakaharamei 12時間
八犬伝に参加したアニメーターが多く参加している「かぐや姫」を、八犬伝的な表現の流れの帰結とするのは、試論としては面白そうだにゃ
中原芽衣 @nakaharamei 11時間
AKIRA以後の2つのリアルの流れ、井上・沖浦系と大平・橋本系として、押井さんが「御先祖様万々歳」でこの流れに合流して、沖浦系を選んだにゃ。これによって大平系は演出家不在になってしまったんじゃないかにゃ
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中原芽衣 @nakaharamei 11時間
なかむらたかしさんにしろ、大平さんにしろ湯浅さんにしろ、その表現に適した作品を自分が演出家として作っていかなくちゃいけなかった、という状況は日本のアニメの負の部分だと思うにゃ。
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中原芽衣 @nakaharamei 11時間
「AKIRA」の反動の原因となった、なかむらたかしさんの監督作が今年公開されてるというのは面白いにゃ
中原芽衣 @nakaharamei 11時間
大平さんの影響を大きく受けた森久司さんの「虹色ほたる」が「かぐや姫」の比較として挙がるのは自然なことだし、帰結の流れとしては面白い部分にゃ
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