玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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自死遺族として #鬼滅の刃 の花江夏樹さんの両親を美談にするな

 まあ、俺の母親は自殺しているし、俺の祖父は陸軍中野学校卒業の戦争犯罪逃れの公安の犬だよ。
 今年の敗戦記念日にもリーンの翼にかこつけてそういう愚痴を書いた。

nuryouguda.hatenablog.com


 こういうセンシティブな話をするより、富野由悠季について語る文章を書くべきだと思うけど、ちょっとムカついたので書く。


 鬼滅の刃の映画が大ヒットしているらしい。俺は映らない地域だったので「鬼滅の刃はバンダイチャンネルの月額千円見放題で見ればいいか」って後回しにして、アニメの1話を見て、漫画はジャンプのアプリで無料の天狗マンと出会うところまでしか読んでない。配信で見れる鬼滅の刃を後回しにして録画しているアニメを見ているが。
 鬼滅の刃は映画も大ヒットしているけど、普通にモバマスの大槻唯フェスで上位入賞した時やGレコ劇場版のリボ払いの借金がまだ29万7千円あるので行けてない。あと、映画館に行くとコロナじゃなくても風邪を移されやすい体質なので。

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 というわけで、僕は鬼滅の刃はにわかだけど。脳内妹がいるシスコンとしては、禰豆子は体の大きさが兄の命令で変わるところが手塚治虫のムーピーみたいでかわいいと思うけど。


 尊敬しているアニメ評論家の氷川竜介先生のツイートから、とある週刊誌のネット記事を読んだ。竈門炭治郎役の花江夏樹さんの両親が亡くなっているという記事。
 もう、そういう家庭の事情でお涙頂戴するの、嫌いなのでリンクも貼りませんけどね。

両親の死を胸に秘めながら、声優としてがむしゃらに奮闘して末についに炭治郎と出会った花江。そこに花江と炭治郎の“共通点”があると語るのは別のアニメ関係者。


「花江さんは鬼滅のオーディションを受けた当初、炭治郎ではなく別のキャラクターのほうが自分の声に合っていると思っていたそうです。それでも炭治郎役に選ばれたのは、両親を亡くした炭治郎の“哀しみ”を花江さんなら演じ切れると制作サイドも判断したからなのではないでしょうか」

 は??????鬼滅の刃がヒットしたのは花江夏樹さん始め、スタッフ、キャストが頑張ったから!花江夏樹さんが売れっ子声優になったのは花江夏樹さんが頑張ったから!以上!


 それだけの話だろうが。なんで美談にしてんだよ。死んだ親が天国から応援してくれているから花江夏樹さんが売れたって、そんなオカルトを信じて感動しているのかよ、お前らは。少なくとも僕は自殺した後の母親からコンタクトされたことはない。死っていうのはそういうロマンチシズムが入り込む余地もない、ただの現実なんだよ。
 確かに鬼滅の刃の映画は記録を塗り替える勢いで売れてるよ。でも、花江夏樹さん、炭治郎以外にもいろんな役をやってるだろ!アルドノア・ゼロとかアルスラーン戦記とか。
 花江夏樹さんが売れたのは花江夏樹さんが頑張ったからだよ!声優養成所に行かなくても声優になれたのは、頑張ったからだよ!えらいね!それでこの話は終わり!(御母上に応援してもらったという話は花江さんの内面の話なので、僕がする筋合いではない)


 まあ、花江夏樹さんは僕よりも心が広いかもしれないので、週刊誌で「両親を亡くしているから炭治郎を演じきれた」って書かれても掲載許可したのかもしれないし、それはそれで花江夏樹さんの自由だから、これ以上、僕は花江夏樹さんの話はしない。自死遺族としての僕のお気持ち表明をする。



 これって、仮面ライダークウガのEPISODE41『抑制』で語られた、五代雄介の心の声、「でも!だからこそ現実にしたいじゃない!本当は綺麗事が、いいんだもん!!これ(拳)でしかやり取りできないなんて、悲しすぎるから!」に共通する話なのでは。

女優になることを夢見る女性「朝日奈 奈々」は、尊敬していた演技の先生を未確認生命体=グロンギに殺されてしまう。無念の死を遂げた先生の為にも努力を重ねていた奈々だが、彼女が受けたオーディションの課題は「好きな人を目の前で未確認生命体に殺されたときの芝居」だった。更に、同じオーディションを受ける女性から「実際に先生を殺された経験が演技の役に立ちそうで良かったね」という旨の悪質な嫌味を吐かれてしまう。

 
ガンバライジング/RT4-022 仮面ライダークウガ ライジングタイタン LR



 花江夏樹さんが自分のラジオで両親を亡くした話をするのはいい。それは彼のフィールドだから。僕も僕のフィールドのブログで親が自殺した話をするし、戦争犯罪を逃れて戸籍を変えて戦後は公安で権力の犬になった祖父に母親が虐待された話もする。
 先日、精神科で「僕はブレンパワードとか富野由悠季のアニメの感想で家族の話を書いてるけど、実際の家族は破綻してるんだよな」って皮肉ぶって言って、医者に「家族に対する感受性があるので、人の心を打つ文章が書けるのでは」とカウンセリングされた。まあ、家庭が破綻している話を振ったのは僕が医者より先だし、家庭が原因で苦しんでいるPTSDの症状に関するカウンセリングなので、それはいい。自社ビルを建てるくらいの精神科医ほどの実力者が言うなら・・・。


 でも、僕は富野由悠季監督が家族関係で悩んでいる体験があるから名作を生み出せた、みたいな文章は極力書かないようにしている。ていうか、富野アニメ、家族の問題も面白いけど、普通にロボット戦闘の殺陣とか、未来社会の思考実験とかもずば抜けて面白いし。
 富野監督が自分のエッセイで身内に対することを書くのはいい。でも、外野がそれを作品の面白さの要因というのは違うんじゃないかなあ。
ターンエーの癒し


 そして、僕がもし誰かから「グダちんさんは親が自殺した経験があるから深みのある文章を書ける」とか「家庭が崩壊しているから理想的な脳内妹と出会えたんでしょう」とか言われたら、ブチ切れて、そいつに何をしてしまうかわからん。まあ、僕は対面戦闘よりアウトレンジからの騙し討ちを好む、寄生獣のミギーみたいな戦闘スタイルなので、その場では平然としているかもしれないが。(陰湿なので)


 僕はわがままなので、僕が「親が自殺して毎晩PTSDでつらいし、睡眠薬の飲み方を模索してもなかなか不眠症が治らなくてつらい」と自分でTwitterとかで言うのはいいけど、他人から「親を自殺させたグダちんはクズだね」って言われたら、普通に名誉毀損として運営に訴えてアカウントを消す。俺はやると言ったらやる男だぜ。というか、ぶっ潰すと思ったときにはすでにぶっ潰して終わっているので言う必要がねえ。(ぶっ潰す途中でぶっ潰すと言うと敵に位置を知られるので、致命傷を与えるまで無言でアウトレンジからの攻撃を繰り返す)
スタチューレジェンド 「ジョジョの奇妙な冒険」第五部 31.プロシュート&ザ・グレイトフル・デッド <原型・彩色監修/荒木飛呂彦>



 まあ、他人に言われるとぶっ潰すけど、同時に「自死遺族は親族の自殺を恥じて隠してコソコソするべきという社会の風潮」もムカつくので、事実は事実として親が死んだ話は書く。自分の裁量で。それが自分の精神に影響を与えている事実はあると思うが。しかし、それを他人から「グダちんは親が自殺しているから、こんな事を言うんだろ」って言われたら、普通に潰すぞ。覚悟して来いよ…。
 まあ、親族が死ぬとか、そういう事実があるのは変えられない。芸能人が家族構成をウィキペディアなどに書かれるのも仕方ないだろう。事実は事実。でも、それを「不幸な体験があったから成長できた」みたいに他人が記事に書くのは事実の歪曲だろうよ。読者は芸能人の来歴を読んでも、「ああそうか」と思うだけで、それ以上深入りするのは危険だと思う。

 

花の慶次 完全版 全15巻セット

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 僕だって、普通に考えれば本当は親が自殺しないほうが良かったし、KLabでいじめられて過剰に業務を押し付けられて過労から精神障害者にならずにちゃんと社会人として働けていたほうが良かっただろう。(まあ、仕事をリタイアして無職だからブロガーに専念できるという面もあるが)
 誰かが優しかったら親も死なず、僕も精神障害にならずに普通の社会人として働けていただろう。でもそうはならなかったんだ。だから、この話はここでお終いなんだ。
 終わった話をネタにして、「そのおかげでヒット作の主役を射止めたんだろう」とか書く週刊誌には最大級の侮蔑感情を覚える。

  • ヒットしたコンテンツでも人間が作っている

 鬼滅の刃はすごくヒットしている。モバマスをやっている関係でモバゲーからニュースのメールが届く。鬼滅の刃をネタにしたニュースが最近、多い。
 そして、「鬼滅の刃を意地でも見ない」とか「鬼滅の刃を批判できない空気が苦痛」とか「鬼滅の刃の残酷シーンがひどい」とか、「鬼滅の刃がフジテレビのものになったと坂上忍が苦言」とか「鬼滅の刃が面白くなかったと楽屋裏で言ったニュースキャスターを揶揄する」とか、作品そのものではないところであら捜しするような、人間の悪意を強調したネットニュースが多い。僕は鬼滅の刃のファンではない、なんとなく「妹のために頑張る兄っていいよね」という印象しか持っていないにわかだが。それでも鬼滅の刃の作品ではなくスキャンダルを突くようなニュースが配信されてきて、うんざりする。(そして、さらに卑怯なことに、そのニュースはそこそこアクセスを稼ぐと削除される)


 どうも人間っていうのは、「鬼滅の刃が面白いからヒットした」と言うだけでは満足できず、その周辺での醜聞を求めるようだ。素晴らしい作品がある、というだけでは満足できず、あら捜しをする嫉妬心が大衆にはある。


 まあ、僕はコスモ貴族主義者で人間は削減されるべきだと思っているので、人間に対する嫌悪と悪意が増すことは歓迎するがな?


 しかし、僕は円卓の騎士の宮廷魔術師マーリンみたいなクズ野郎なので人間は嫌いだけど人間が生み出す芸術やアニメは好きだ。それを作っている人間に対して、作りもしない週刊誌の人間があら捜しをするというのは非常に醜いと思う。
 確かに鬼滅の刃は売れている。売れているが、だからといってそのスタッフやキャストを偶像にして、私生活や家族関係をネットニュースのアクセス稼ぎに利用する材料にするのは、僕は嫌だな。
 大ヒットしているからと言って、そのキャストやスタッフを偶像や記号にしていいわけじゃないんだぜ?日本人は象徴天皇とか、人間を偶像にするのが好きな民族だけどなあ!


 鬼滅の刃は面白い。だからヒットした。それでいいじゃないか。鬼滅の刃の作品としての面白さを考える記事ならいいが、売れたからと言って、その周辺に対してあら捜しをして庶民の好奇心を満たすというのは、非常に下品だと僕は思うね。まあ、花江夏樹さんがすごく心が広くてそういう記事も許容しているのかもしれないし、それは彼の内心の自由なので僕はどうこう言わないけど。


 まあ、この僕の記事も鬼滅の刃の大ヒットの時事ネタに乗っかったアクセス稼ぎなんだけど。


 親が死んでいる自死遺族としては、他人の芸能記者がそういうプライベートなことをネタにして、役者の芸能の実力と関係しているような書き方でアクセスを稼ぐ記事を書くのは、最悪に不愉快です。親が死のうが、自分は自分のやり方でやっていくしかねえんだよ。そこに勝手にドラマを追加するんじゃあねえ。


 だから僕はテレビとかワイドショーが嫌いなんだよ。


 僕もいつの間にか富野アニメファンとしてそこそこの地位になってしまい、若い人から「グダちんさんは岡田斗司夫を差し置いてマツコの知らない世界で富野アニメファンとして出演できるのでは?」と言われたことが何度かある。でも、僕はテレビが嫌いなので。
 もし、僕がマツコ・デラックスの番組に出て、富野アニメへの好意を語って、それを笑い女の音声で奇異なオタクとして揶揄されたりしたら、そのディレクターを粉砕してしまうかもしれん。だから出るつもりはない。
 せいぜい、マツコ・デラックスが夜の巷を徘徊するという番組で、サンライズのスタジオにお邪魔した時に、スタジオの玄関に飾ってある13万円もするプリザーブドフラワーを富野監督の喜寿の誕生日祝に送る程度だ。

 最近はアニメスタジオはファンからのプレゼント(特に箱など)に神経質になっている風潮らしいが、今日も来週の富野監督の誕生日祝を探して骨董品街を散策してきた。(いい人アピール)
京都寺町三条のホームズ : 15 劇中劇の悲劇 (双葉文庫)


 アニメを作る人は偉いので、敬して遠ざける間合いを保っていきたい。




  • ほしい物リスト。

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 借金30万円を後10ヶ月で返済するので、本やグッズよりも節約できる食料が・・・。
 たしかに僕の性格は最悪だけど、人から物をもらうのは好きなので。先週は人の金で焼き肉を食べて、人妻からチェンソーマンの既刊を贈ってもらった。人妻は余計な恋愛感情に振り回されないで友人として付き合えるからいいよな。


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