ボケっとしている間にもう発売から1ヶ月が経とうとしているが。
機動戦士クロスボーン・ガンダムシリーズの完結のメカニック資料集と94年の連載開始時の富野メモと長谷川裕一先生のロングインタビューを読んだ。
- 富野メモ
意外にも、あんまり面白そうじゃないな…。と、富野ファンなのにそういう第一印象を持ってしまった。
なんというか、トビア・アロナクスがいないのでキャラクターの年齢層が高めだし、男女関係とか裏切りとかコスモ貴族主義やコスモ・クルツ教などのイデオロギーが主軸で富野小説版ガンダムみたいな雰囲気で…。これ以上はネタバレか?
しかし、、ザビーネの裏切りとか、同時に木星帝国のエースパイロットのクロスボーン・バンガードへの裏切りというのは実作の機動戦士クロスボーン・ガンダムでも描かれている。
また、敵を殺さないように戦うけど、結局助けたつもりの敵は死んでるっていう要素も実作でさらに具体的に描かれている。
富野監督のメモではふわっとしていた木星帝国の陰謀も序盤で割とはっきりと提示されているし、それが元でトビアはクロスボーン・バンガードに入ることになる。
ザビーネの最後に対するコスモ貴族主義は間違いというロジックは未だによくわかってないが、コスモ・クルツに対するトビアの態度は格好良かった。
というわけで、富野監督はやっぱり前年のVガンダムで鬱の時期だったし、裏切りとかイデオロギーは小説版を描くときの手癖が見えているのだが、それを活劇に転換した長谷川裕一先生は上手いなあって思った。
もちろん、富野監督もクロスボーン・ガンダムの闘い方は肉弾戦がメインで活劇調にするという指示は出しているのだが。
ともあれ、富野監督の初期案に含まれていたエッセンスを取り入れつつ、違う形で少年エースの少年マンガらしく翻案して、富野監督のアイディアも否定せずにちょっと切り口を変えて実作に入れ込む、という手腕は上手いなあと感じた。
それにしても一発目でクロスボーン・ガンダムというキラーワードを出す富野監督は、やっぱりすごい。
惜しむらくは第一話以前の企画書の富野メモだけが収録されていて、もっと各話の具体的なやり取りが見たかったなあという気持ちはある。しかし、それは口頭だったりFAXだったりして散逸しているのかなあ。
とりあえず、富野監督の初期案よりも確実に面白くなっていた機動戦士クロスボーン・ガンダムは良いと思う。(まあ、他の富野アニメも初期案より面白くなっているのだけど)
- 長谷川裕一インタビュー
1961年生まれの長谷川裕一先生は典型的なオタク第1世代なのだけど。
子供の頃からアニメや漫画にハマって、自分でも萬画を描いていて、SFもたくさん読んでいて、地頭が良いので勉強しなくても授業は理解できたけど、オタクなので勉強する習慣がなくて高校からドロップ・アウトして萬画家になるという青春時代。
僕も割と地頭だけでむりやり学業を力技で進めていて、大学でドロップ・アウトした。もちろん萬画も好きだったし、長谷川裕一先生ほどではないがSFも読んでいた。
というわけで、全く力量は及ばないながらも、親近感を抱く感じだった。
しかし、そんな長谷川裕一先生も還暦なので、いやー、月日が経つのは早いなーという。僕も頑張ろう。
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