玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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アベニールをさがして

1巻まで読了。すっげえスピード感とスケール感!、怒涛の世界観設定とメカ設定、錯綜するキャラクターと組織の思想と思惑!おもしれー!
富野は小説もグレート!(1巻だけ面白いと聞きました。http://angel-halo.blogzine.jp/keyroom/2005/02/post_1.html

★富野のコメント
これはジュブナイル系の作品を目指そうとしてました。
そういうのも書けるんじゃないかと。
でもこれもやっぱり病気の時期に書いてたから、どこか病んでいる。
ただ、精神が不調な時にはとんでもないアイディアを産むことがあるんです。
実は、『アベニール』で考えていたアイディアの一部は、
『∀』を膨らませる要素になってるんです。

∀ガンダムの元ネタということで、ブレンパワードの前と言う事で、春になってブレンを見始める前に読んでおこうと言う事で読み始めたのだ。
あと、アマゾンで1円で売ってたし。1円て。
あと、今、ガンダムXを見ていて、面白いのだが富野分が希薄になってきて栄養失調になりかけたために読む。
富野的には
ライトノベルのアベニールをさがして大ヒット

星雲賞とか受賞

サンライズ以外のところでアニメ化

独立。一流作家認定

メディアミックスで関連グッズバカ売れ

大もうけ(゚д゚)ウマー
という、涼宮ハルヒの憂鬱的な野望があったような気がする。残念!
富野分が濃いので、やっぱり一般受けはしないというか、大ヒットするような小説ではないなあ。
だが、俺はトミノ信者なので、トミノっぽいシチュエーションに燃え燃えです。
主人公がコックピットで失禁したり、金髪美女に気に入られたがって悶々としたり勃起したり、それでいて親しげな少女にコンプレックスを抱いてみたり、親が離婚してたりトミノ過ぎる。
メインキャラの一人がバリバリの右翼主義軍人と言うのもトミノくせえ。迫水の未来版?


で、21世紀の軍国主義化した、自衛隊が政権を握った日本が舞台なのだが。ミノフスキー粒子が出てる・・・。
ガンダムサーガに入るのだろうか?
でも、ミノフスキー博士は一年戦争中に連邦に亡命したり、オリジンでは亡命できずに死んだりしてるわけだが。
(ミノフスキー=トミノなら、オリジンではテム・レイ=安彦?私がガンダムを作るんだ!)
あーしかし、ミノフスキー博士の設定は、トミノが考えたんじゃなくて後付けのスタッフサイドの設定なのかなあ。トミノは関係ないのかなあ?トミノ自身はミノフスキー粒子は単なるチャフとして描いていた?
でも、閃光のハサウェイとかVガンダムではミノフスキー機関が大活躍だよな。


僕的には、ガンダムXのあと、ガンダムSEEDの前の、2回目のA.D.の日本を舞台にしていると面白いと思う。火の鳥みたいに、同じ歴史を繰り返すねん。ガンダムワールドも。すっげえスケール!輪廻転生!
それこそ後付けだ。


あー、でも、インティパの設定はニュータイプの精神感応を物理的に説明した物なので、ニュータイプを否定した後のガンダムXだとないか?
いや、ガンダムXでも精神感応や遠隔感知能力という、異能力自体は否定してないか。ガンダムSEEDでも、人の革新ではなく空間認知能力として、ニュータイプは出てきたしな。子安武人とか。キラきゅんもファンネル使えるようになってたしね。
じゃあ、いいか。
(それにしても、ニュータイプが種で出てきたのに、SEEDを持つ物が何かを描くつもりは福田巳津央には無いようだな。単にそれっぽいのを出してカッコつけただけで、トミノみたいに、ニュータイプの人の革新を描ききれなかったからガンダムは失敗作だと自分でずっと後悔したりという熱心さは無いアニメ屋なんだろうな。)
インティパというのは、

この小説で定義されているインスパイアー・エンジンとは宇宙空間を含め、全ての場に満ちている微量な素粒子インティパ(インティパとは、場そのものに波動をもつ、粒子の集積体であり、万物を生み出した究極物質だと作品内設定がされています)

を取り込んで圧縮させて稼動させる機関。難しい学術的な単語が並んでいるもののインティパ素粒子はトンデモ学説からの流用だし(実際に大真面目でインティパに対する著書を書いている人も居る事はいますけど……)

トンデモ学説から流用されて考案されたキワモノであるインスパイアー・エンジン。イデオンのイデの力とか、バイストンウェルの世界でのオーラ力みたいなもんで、未知数で膨大なエネルギーを生み出す事ができる半面、MAXに近づくとあまりにも吐き出す力が強すぎて人の意識では制御できなくなってしまう、恐ろしい力なんです。

理論は滅茶苦茶だし、なんだかよく分からないオカルト的な要素の強いインスパイアー・エンジンが稼動していくに従って小説の世界も混沌と化してしまう。インスパイアー・エンジンが力を発揮する毎に作品が壊れていく……二巻目、三巻目からはこのような印象をもちました。

http://angel-halo.blogzine.jp/keyroom/2005/02/post_1.html

ということです。
この本を参考にしたそうです。

サンライズ公式的には、ミノフスキー粒子の格子構造を伝播する波によって、ニュータイプが精神感応をするということらしいが、僕はインティパのほうがトミノオーラ力っぽくてイイナ。
Zガンダムのハイパー化もこれでつじつまが合うし!
インティパはトンデモ科学なんだけど、SFの大家のアーサー・C・クラークも宇宙の旅シリーズで真空エネルギー理論を使った惑星間宇宙船を書いてたし、実際の技術でなくSF小説ならこのくらいのウソをついてもいいとおもうなあ。SF的には普通だよ。
思春期にクラークやハインライン筒井康隆ばかり読んでたので、ここら辺は違和感なく読めたし、むしろガンダム小説としても今まで謎のオーラ力だったものが説明されていて嬉しかったです。
でみ、インティパを実用化してたら、明らかにガンダム以上の科学技術だよなあ。カミーユのハイパー化を実用エンジンにしてるんだから。
やっぱり、2回目の西暦を舞台にしてるのではないか。
これもまた、黒歴史の一部。




面白いな、と思ったのを列挙すると、
やはり富野のアニメ屋として培った戦闘シーンの矢鱈とでかいスケール感。
閃光のハサウェイミノフスキークラフトを装備したモビルスーツによる、ドラゴンボール舞空術のような疾走感のある空戦小説だったが、アベニールをさがしてのテンダーギアも小型戦闘機にマニピュレーターを取ってつけたようなメカで空を飛ぶ形ではないのに、平気で巡航するし、高性能の物は宇宙から垂直落下で東京に攻め入ったり、無限エネルギー機関からのロケット噴射でのジャンプを繰り返す事で戦闘をしながら人工衛星軌道まで駆け上がったりする。
それがまた、映像的に描写されてて面白いんだ。
文章の構成自体も、ここで1話が終わるな、という感じがわかる。1巻で大体4話くらいだと思う。アニメ化しやすい、というか、アニメ化を見越した構成だったような気がするので、残念だ。
富野はやっぱり、オリジナルのアニメはもうやらせてもらえんのかねえ?とりあえず、鬱病の時期にサンライズから出ようと、オリジナルで認められようともがいていたようだが、残念な結果で残念だ。
いや、ブレンパワードは残念じゃない!残念じゃないぞ!まだだ!まだ終わらんよ!


それと、日本人が外国人の組織に参加したり、外国人と話すのが、コードギアス 反逆のルルーシュとかだと、何語で話しているかわからないのだが、アベニールではとりあえず文章自体は日本語で書かれているのだが、このセリフは英語だった、とか、このセリフは後半だけ日本語とか、書いてある。あと、主人公はネットゲームでシェークスピア時代の英会話を勉強する事を趣味にするような、自己鍛錬をしている少年なんだけど、宇宙ステーションに勤務している白人のヒロインに下手な英語を聞かれるのは嫌だな、と思いながら喋ってたり、そういう心情の原理原則に寄り添ったリアルさが面白いな、と思った。


EMO(Effective Micro Organization、有用微生物群)によって、食料危機が改善されようとしている、と言うのはガンダム前史的には,どうなんだろう?コロニーを作るモチベーションが下がりそうだが。でも、コロニーで自給自足するにはそういうのも必要そう。
隕石が増えていると書いてあったので、そういう関係で地球から外に出るという感じになるのだろうか?