玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

当サイトはGoogleアドセンス、グーグルアナリティクス、Amazonアソシエイトを利用しています

ブレンパワード第12話「単独行」

ブレンパワード 第12話 単独行(B-ch)


脚本:富野由悠季・浅川美也 絵コンテ:西森章 演出:斧谷稔・森邦宏 作画監督佐久間信一

1.勝手に家出してると思ってたが、小説版を読んでみると勇は姉を傷つけてしまった事を必要以上に悔いているが故に訳が分からなくなって家出していたようで、勇が良い子で萌える。
やさしすぎる。
それでいて、アルバイトで自活しようとしてみたりというのは、ただ拗ねているだけではなくてカッコいい。
鉄砲を持ったチンピラをジャンプキックでのしてしまうのも、秘密結社で訓練をしてた実力発揮でカッコよい。
やっぱり、勇は主人公だな。感じやすいところは僕のような繊細ぶったアニメおたくには感情移入しやすい。それでいて、カッコよく戦うので憧れるぅ!


2.

勇 「ブレンパワードを使えばやれるんだろ!?」
研作 「やれるわけがない」
勇 「ブレンとグランチャーが本能的に反目しあっているのは何故だ?ブレンがオルファンの中で活性化しないのは何故だ?それを考えれば・・・!」
研作 「そうか!そこに方法があるのか!」
勇 「ブレンの抗体反応はオルファンの体には毒になる」
比瑪 「そういう考え方があるんだ!」
勇 「ブレンがパワーアップしてるってのはオルファンには脅威になるはずだ!」


僕も、アンチボディが抗体なら、アナフィラキシーショックも起きるんだろうと思っていた。

http://d.hatena.ne.jp/nuryouguda/20070517/1179435068
自分の与えた物を食べ、自分の吟味した情報を取り入れ、自分の望む人格に育って、自分の思い通りの行動をさせたがる物だし、それが親と言う動物の自然な姿だ。親だって動物で、一個のエゴなのだから、子供が人格を持つと言う事が怖くて不自然だと本能的に拒否すると言う感覚は想像できるな。

親にとっては子供はいくつになっても自分のアンチボディ(抗体)で、外部端末で、体の一部なんだよな。子供の意思なんて者は無視されて当然なんだ。

だからこそ、地球の様々なものを学習したがるブレンパワードはオルファンの中では萎縮していたのだろう。

子供は自分の知ったことも自分の一部としてしまって、それを親に認めて欲しいと思う。親が知らない事を知った自分の人格を肯定して欲しいと思ってしまう。

だが、親はそれを認めない。




ブレンパワードがオルファンやグランチャーを生まれた時から憎んでいるのは、まさにオルファンの自己抗体反応でアレルギーだと言う事だ。

それで、アレルギー反応を起こさせるアレルゲン(ブレンパワードの発生源)は人間社会かもしれないわけで、それが親と子を引き離すエネルギーになるのか?と言うヒントになる。

逆に、グランチャー的なものは社会を憎んで怖れて母なる物と同化しようとする呪縛なのかもしれんとか。

なので、勇の考え方と僕の考え方は近いと感じて、僕の見方はわかりにくい宗教アニメと言われるブレンパワードに対応できているな、と感じられて嬉しい。オレも富野の抗体化が進んでいるな。わーいわーい。


3.伊佐未研作博士は悪い科学者と言うだけではないようだ。
女たちはモロにオルファンのアンチボディになっているが、この人はちゃんと自分の理念があるようだ。それで、オルファンをただただ浮上させるだけで無く、可能であれば人類のエネルギー問題の解決に役立てようと言う利他精神もある。
富野作品の父親と言うのは今まで、仕事をするにしてもどこか逃避と言うレッテルを貼られがちだったのだが、伊佐未研作博士はちゃんと人類のために、と言う希望があってカッコいいかも。
そこら辺は、人類を救おうと言う勇の父親と言う感じ。
直子ばあさんに「我々は人類の敵になるためにオルファンを復活させたのではありません。翠にも依衣子にもそんな事はさせはしませんよ。それは本当です」というし。
ただし、今のところ研作博士はオルファンの浮上を止められない自分を諦めて、それを忘れるためにアンチボディをやっているというところも見受けられる。
それでいて、勇をアンチボディに戻すために誘い込んだり、勇と和解したいと思いつつも面と向かってはいえなかったりという父親らしさもある。
複雑な人だ。
と言う事を描けるのは、富野由悠季監督が親と言う物を両方の立場から相対化できるようになったということなのだろうか?


4.おしっこくらいブレンの中でしたら良いのに。
アンチボディは宇宙でも運用できるのなら、人間用の排泄機関も持っていて良いのに。
それで、クマゾー迷子になるんだが。
オルファンの中ではリクレイマーが家族で住んでいる人が他にも居て、小さい子供が居てもおかしくない居住区が複数あると言う。すごいな。
そういうのは物語の幅を広げるし、センスオブワンダーだ。マークーロース。


5.ガバナー・統括者。フィジシスト・内科医。
というネーミングは面白い。ちょっとエヴァっぽい?


6.シラー・グラスって、案外いい人
悪い敵パイロットかと思ったら、こいつも色々あるんだなあ。エヴァの場合はトラウマは思春期か恋愛になっていたが、ブレンは年齢と価格差社会とか境遇とリンクした幅広いトラウマ。
ブランパワードの白刃取りだ!


7.「死にたくないも!」
子供の叫びにシラーが泣いた。渡辺久美子の演技に全オレが泣いた。



8.「その命の力を逃げる為に使うな!生きる為に使わせるんだ!オルファンにも!」
最終回への伏線か?


9.小説版によると、
比瑪の勇に対する気持ちは「今まで感じたことがない物」でも、「恋愛感情ではないだろうか、という甘い想像だけは、まったくもって思いつかない」
そこが逆に、少女漫画的な純愛っぽくてたまらないな。愛だと気付かないけど、何だか気になる男の子って!ときめく。
これからどうなるのかなー。
シラーもジョナサンには男女の感情は持っていないという。シラーは思春期でもないので、こっちはあまり恋愛に発展しなさそう。


10.子供が乗っているとブレンが頑張る。
イデっぽいけど、ブレンはもっとやさしい。動物っぽい。かわいい。勇がブレンを励ましながら操縦するのは深い友愛を感じてよい。
ブレンパワードかわいいよー。ペットにしたいロボット。
僕は意志を通じている振りをして一方通行だと思うのでペットとかは苦手なんだが、ブレンはちゃんとコミュニケーションしてくれそうなので好き。ブレンは知的生物だし。