玖足手帖-アニメブログ-

富野由悠季監督、出崎統監督、ガンダム作品を中心に、アニメ感想を書くブログです。

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新機動戦記ガンダムWオペレーションメテオ2


ガンダムパイロット5人が戦いを終えて地球軍の宇宙基地で落ち着くあたりの小エピソードと、テレビシリーズの総集編。
各キャラクターに絞った総集編です。
1
ヒイロ・ユイは生きる事に前向きになれてよかった。
自分の戦いを「ただの悪あがき」といって、無意味に人を殺す奴だった。
最後の最後まで「命なんて安いものだ。特に俺のは」とか言ってたけど。なんで「死なない」と思ったのか?ゼクスが「どこまでも生き抜いてやる!」と言ったからかなあ?
つーか、ヒイロって基地で落ち着いたのに、リリーナに会いに行ってやらん。なんか、一人で地球を見ている。
リリーナが大事だからリーブラを落としたんだろう!
いや、むしろリリーナのほうから会いに行けよ。
性欲が薄いのは富野作品ではないから?
うちの脳内妹も、「えー。王子様とお姫様は結ばれたらいいじゃない!セックスしたらいいじゃない!」って言ってました。
でも、女性ファン的にはくっついてしまうと切なさが無いし、自分の人生と比べて不満になっちゃうのかな?
男のファンも萌えキャラが処女じゃないと怒るしさ。
でも、やっぱりアニメの中くらいは幸せになって欲しいぞ。

デュオ・マックスウェルの成長は、・・・・。
ない?
なんだかんだ言って、コイツって一番安定してる。
死神と自称するのはメンヘルくさいけど、それもカッコつけてるというよりは自分を客観的に見てるって感じだよな。
外向的だし。生活力があるし。女にモテるし。優しさが自然だし。
というわけで、特にどこが成長したって言うのはないんだよな。周りのガンダムパイロットがダメ人間過ぎる中で、マトモに取り持ってるって感じ。
だから人気が一番高かったのかなあ?一番普通なのが一番よい。
でも、こいつも戦いが終わったのにヒルデに会いに行ってやらん。トロワとカトルと乾杯しとる。男同士アニメやなあ。

トロワ・バートンは心を殺しつづけてきた少年兵が帰るべき場所を見つける。という成長。
まあ、それは素晴らしい事だし、アムロもそうだったんだけど、普通の人は大抵最初っからそういうものなんだよね。
あたりまえのスタートラインなので、そんなに大した事無い。
で、トロワは敵兵の帰る場所を奪いつづけて殺してきたわけだ。ひでえ。
4
腹を貫通してるのにケロッとしているカトル・ラバーバ・ウィナー。こいつも普通じゃない。
こいつは贖罪と連帯がテーマだったのかな?がんばってた。
5
張五飛は正義を貫く事がテーマ。なにが己の正義なのか分かったのだろうか?
己が正義だ!と老師に教えられていたが。
トレーズに向って「お前のせいでたくさんの人が死んだ!」と言うようになった。テロリストが・・・。
人の命の重さは分かったんだろうか?
トレーズにも信念があって戦ったと言う事は分かってたみたいだけど。
でも、「勝ち逃げだ!」と泣いてる。よくわからんやつだ。
6
ゼクス・マーキスことミリアルド・ピースクラフトの完全平和主義への条件。
1、全ての武器を地上から無くす
(鉛筆でさえ武器になるとアップルシードで言ってたわけだが…)
2、人びとから戦う心を無くす
(デスティニープラン?人工進化?)
3、思いやりと優しさの心
徳育教育?)
こやつのやっている事は、隕石落し程度では達成できんのだが。もっと、長期間かかって全世界を改変させないと。
そういう意味で、ガンダムWは理念と作品内でなされた事が食い違ってる。難しい事をやりすぎたんだなあ。
それに、軍人ばっかり出てくるし、一般人にはリアリティが無いし、兵站論も無い。
だから、その反動で北斗の拳世界で皆が武器を取らないと生きていけない世界観にしたガンダムXの方がリアリティがあって面白かった。
そして、その上で一度本当に平和な世界を作ってしまったのが、∀ガンダムですね。
ゼクスの言っている条件を本当にやってる。
モビルスーツを全て埋めている。
2地球の人びとを原始退行させて、月の人々は戦争ゴッコと計画冬眠。
3ロランはとてもいい子。
富野由悠季ガンダムWは見てないと発言しているが、見てないにしてもガンダムに必要な流れを盛り込める嗅覚はスゴイ。スタッフのアイディアかもしれんが。
それで、ターンエーガンダムは平和になった後の世界で、あえて武器を掘り起こしてしまった人びとのドラマで、一歩先を行っていて超未来。
95年と言うのはガンダムWエヴァンゲリオンの年でした。
ガンダムWが人気だったのは、後半のグダグダが、もっとグダグダのエヴァでカモフラージュされたからかなあ?とか思った。
で、この二つは時代の空気が似ていますね。バブル崩壊後の、オウム後の何も信じられないから目的もなく悪あがきで戦いつづけると言うヒイロと、やる気を無くすシンジ。
リリーナの世界国家建設で「全てが一つになったら争いが起こりません」という、地球の丸さも凹凸も無視した理想が理想として語られるのもエヴァ的。
これの前の風の谷のナウシカの原作最終回でも、「全ての武器を埋葬する」というモチーフは描かれていた。
だが、武器を取り去っただけで、人は平和になるか?
武器を捨てて退行した人類が、また武器を生み出せるようになった時、戦争の歴史を知らなかったらどうする?
ターンAガンダムですよー!
うーん。富野以外のガンダムを見ると、余計トミノガンダムの偉大さが分かるという構造!
富野凄いぜ!誕生日おめでとう御座います!


まあ、ガンダムWの世界観でも戦争はなくならず、続編が描かれる。
ガンダムWガンプラ人気も高く、戦闘ロボットに熱狂する男性ファンの心も掴んでいる。
それは戦争をカッコいいと思ってしまう人の心を証明すると言う皮肉。
動物を捌いたことも、腐臭をかいだ事も、ろくに怪我をした事も無いオタクが「あの戦闘描写はリアル」「血が吹き出てるから痛みが伝わるリアルな表現」とか言う。
∀ガンダムが見たいが、明日はガンダムWのドラマCDを聞いて、センチネルも読まないとなあ。
まだまだ埋めるべきガンダムはある。